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トルワード内乱~憎しみの果てに~  作者: 神崎美柚
第二章 狂いだしていく二人
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第六話 奇跡~カスティーナ視点・1月25日~

 ウェルズ伯爵が逝去され、ミハエルお兄さまは大忙し。私やダニエルお兄さまはお父様から色々と習っていた。

 お父様に習ったあと、私達はソファーで紅茶を飲みながら休憩していた。


「カスピアお兄さま、最近見かけないわ。どうしたのかしら」

「さあな、無能なんて知るか」

「ダニエルお兄さま! 」


 誰かが走ってきた。あの美しい薄い緑色の髪は、トスカーナお姉さま!?


「ト、トスカーナ!? 」「トスカーナお姉さま!? 」

「私、お兄さまに会いたかったですわ! 頑張って治したのです」

「……」


 死ぬだろうと言われていたのに。どうして!?

 信じられない私達の目の前でトスカーナお姉さまは回る。


「信じられない? 私は生きているわよ」

「お父様のところにいけ」

「分かりましたわ」


 すると、カスピアお兄さまが怒った顔で現れた。


「どんな手を使った」

「何、その態度」

「気合いで治すなど無理だと言っているんだ! 」

「……あとでお話しましょう」


 2人は別々の方向にいってしまった。何で怒った顔してたのかな。


「カスピア、どうしたんだろうな。トスカーナに文句を言うなんて今までしなかったのに」

「分かりませんわ。あんなにひ弱なお兄さまが……」

 私は考えるのをやめた。メイドがおやつを持って来たから。

 ふたの下のおやつは何かしら。


「おやつですよ」

「まあ、今日は何? 」

「ド・ガーテ(チョコレートケーキのようなもの)ですよ」

「わあ、大好物だわ! 」


 いつものように2人だけの時間。なのに。


「お兄さま! 私も! 」

「困りましたね……。2人分しか」

「こういう時は末が我慢すべきでは? 」


 トスカーナお姉さまに言われ、俯く。我慢、しなくちゃ。

 すると、ダニエルお兄さまが私の頭を手で優しく叩いた。ぽんぽん、と。


「私のをトスカーナと半分こにしよう。それならいいだろう? 」

「まあ、末のくせに! 」


 ダニエルお兄さまはトスカーナお姉さまを睨みつけていた。


「それでは、いただきましょう」


 いつもの場所で3人で食べるのは不思議な気分。ド・ガーテは美味しいけど、もやもやする。


「ダニエルお兄さま、お父様が不機嫌でしたわ。どうしてかしら」

「さあな」

「ミハエルお兄さまに何かあったのかしら……」

「……」


 相変わらず無視される。でも、いい。


「ウェルズ伯爵がお亡くなりになられたと聞きましたけれども」

「ああ、その犯人が出てこないから不機嫌なんだろう」

「まあ……」


 ダニエルお兄さまは不機嫌だった。やはり、死んでほしい相手が生きているのが不快なのかしら。


「ごちそうさま。カスティーナ、フォークをなめてないでお父様のところに行くぞ」

「ええ」


 トスカーナお姉さまに睨まれる。怖いわ。 

出しゃばり、ダメ、絶対。

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