第四話 葛藤の日々~トスカーナ視点・11月25日、26日~
苦しい。せっかくミハエルお兄さまが結婚されるのに。
私は醜くなってしまった。私は悪くない。皆が悪いの……。
「ふう、この感じだと薬は1月までには効くかしら」
私は諦めない。例え嫌われても、彼がいる。彼には私が死んだ場合の対策も説明済み。ウフフ、なんていい日なの?
「今日はどうしようかしら」
「そうだなあ、ウェルズ伯爵に復讐する場合を考えとく? 」
「いいアイデアね。私が死んだ場合も考えてあなたが実行して」
「ああ、分かった」
ウェルズ伯爵の召使。私が好きで、毒を飲ませたくはなかったが薄めてから与えてくれたらしい。
「医者が来ないからきっと見殺しね」
「トスカーナを嫌うなんておかしい」
「ウフフ、ありがとう」
「それじゃあ、また明日」
ウェルズ伯爵には毒を5倍にして与えようかしら。苦しくてもがく量もいいかもしれないわ。
復讐が楽しみね。
結婚式の日。私は窓から眺めていた。教会に向かうお父様たち。私も混ざろうかしら。
「フィンヂ、行きましょう?魔法で変身して」
「そうだな」
隣国の伯爵と伯爵夫人に化けてしまえばいい。
教会に行くと、家族が集合していた。胸が苦しくなる。
「ご結婚おめでとうございます、私フィンヂ伯爵と申します」
「私は妻のリーです。この度、ご結婚おめでとうございます」
「お、ありがとう」
笑顔のミハエルお兄さま。幸せに。
「あら、いけないわ。予定が」
「お忙しい中、ありがとうございます」
「お幸せに」
私は笑顔で去っていった。
復讐をするために生きることを願った愚か者。




