第二十五話 終焉~11月30日~
カスピア視点
判決がもうすぐ下される。弁護役の男にわがままを言ったりして過ごした1年間だった。
「いくつかの殺人事件を引き起こしたカスピア被告は」
「──死刑」
傍聴者が歓声をあげた。嫌われているのがよく分かった。
「これにより死刑執行とする」
トルワード国は死刑執行をすぐ行うため、死刑執行場に連れて行かれた。そこにいたのは
「ミーナ……」
愛しいミーナだった。いつも通りの顔ではなく、穏やかな顔をしている。
「今日は女の子らしくリボルバーを使うわ」
「どういうことだ、ミーナ」
「ミハエルの存在をお忘れなく」
「……ミーナ」
「人を信用しすぎよ、カスピア」
リボルバーで眉間を撃ち抜かれた。ミーナは笑顔になった。
「まるで、ベルみたい」
ミハエル視点
全てがミーナの手で終わった。民たちは騒いでいる。
「ミーナ」
「ミハエル、いたのね」
「ベルとは誰だ」
「そんなの気にしなくてもいいの」
ミーナは俺を抱きしめた。
「さよなら、しばらくは私戻らないから」
「あ、ああ」
ミーナは走って消えた。
ミーナ視点
私は全てを終わらせた。民衆に囲まれないようにいつものコートを着て、フードもかぶり逃げる。
「ダージャ、行くわよ」
「はい」
私は王都から旅立った。




