第二十二話 裁判の途中経過~5月23日・カレトア裁判長~
私はカスピアという男を裁くため、どういう男かをまず知ることにした。
カスピア=トルワード、40年1月5日生まれ。現在23歳。ウェルズ伯爵の助言により、自由な幼少期を過ごした。
「カレトア殿」
「ひゃあっ! 」
いつの間にかカスピアの弁護を務める男がいた。彼は仕方なく、貴族の代表として、などと理由をぶつぶつ言いながら弁護を担当することとなったやつ。名前は知らない。
「何をしているのですか? 」
「カスピアについて聞いたこともなかったから。一応貴族・王族専門裁判所の書庫の本なんだけど彼についてはこれだけ」
「そりゃあそうですよ。元々、体が丈夫で長男の故ダニエル様と病弱な姉に代わり、ダニエル様の婚約者となったカスティーナ様が治める運命だったんですから」
「ウェルズ伯爵って確か、それについても決めたのでしょう? 」
「ええ、カスピアが殺さなくてもいつかは殺されるような男でした」
「ハズボーン家、いわゆるリーア様の家だけど、そこを下級貴族にまで没落させたわね。それについても裁判したことあるわ。まあウェルズ伯爵のお金でもみ消されたけれど」
「まあ、頑張ってください。早くしないとセント・デイもないですよ」
「……分かっているわよ」
私は軽く資料にすることにした。
カスピア=トルワード(23)
・15までセント・デイなどのパーティー以外は王宮には立ち入り禁止と言われており、父親達に不満があったとされる。
・ウェルズ伯爵殺害(毒殺→刺殺)、トスカーナ王女(銃殺)、ダニエル王(銃殺)、カスティーナ王女を理不尽な理由で追放、女王監禁容疑。
・援助者もいないため、ほぼ確実に死刑。
・お腹す




