第十七話 内乱勃発~カスピア視点・4月2日、5日~
ミーナと対策を練り直したのは訳があった。
「お父さんの弟の実の息子が心中したのよ。カスピア、おかしいわ。何かが、ある」
「貴族同士のいがみ合いに負けたのか? 」
「失礼ね。御三家の中では優位な方よ。お金も権力も人材もあるし」
「しかしな、未だに刃向かう奴がいるんだぞ」
「フェリクスだっけ? 無視して。どうせろくな奴じゃない」
ミーナも養子になっている以上、現在の公爵の息子に死なれれば困ることがでてくる。そう、殺人の疑いだ。
「おそらく恋人とのトラブルね。はい、お終い」
「ずいぶんあっさりだな」
「あの公爵が疑ってきたら殺せばいい話」
「そうか。少し王宮に行ってくるな」
「はーい」
ダニエル兄さんが一人で守る王宮。大臣ですら今は寝ている。
プライベートルームだ。そこになら。
「ダニエル兄さん」
「カ、カスピア!?」
ダニエル兄さんの手には裁判の資料が。ああ、あのクズ大臣が。あとで殺さないとなあ。
「俺は正義だ。兄さんには、死んでもらう」
「カスピア、私が死ねばどうなるか分かっているのか」
「……俺が王になるだけだ」
「カスピア……」
姉さんと同じ言葉を呟いたダニエル兄さんを撃つ。すぐに倒れた。
「さて、ミーナのところに戻ろうかな」
悠然と屋敷に戻ると、待っていたのは平手打ちだった。
「バカじゃない! ダニエルは、すごい信頼されていたのよ! 市民が怒るわよ! 」
「内乱か? 大丈夫だ。ここからのんびり行けばいい話だ」
「……そうね」
ミーナは渋々納得した。俺は内乱を抑えるための準備を始めた。
そして5日。王都に現れた俺は歓迎された。
「いやいや。副大臣から大臣になり困っていたんですよ」
「いえ……。兄が亡くなったと聞いたので戻ってきたのです」
「はい。トスカーナ様と同じ様な殺され方をしていました。大臣もそうでした」
「ほう。中々興味深いな」
「ほっほっほ。まあ王は自分のお仕事を全うしてくださいね」
新しい大臣は優しい。倹約をしていない私を全く咎めない。
「ミーナ、女王にならないのか? 」
「ええ、別にいいじゃない。私は私だから」
「……そうか」
ミーナは女王にならないらしいが、まあよい。私の国だ!
自分の国を作りたいならあの人の存在をお忘れなく。




