番外編5 リュメヒ公爵の野望~リュメヒ公爵(ウェイト)視点・58年5月~
2日
ミーナが最近家に寄りつかなくなった。忙しいらしい。
「お兄様」
「どうした」
「いつ結婚なさるのですか? 」
「何を言っているのだ、私には娘がいる」
「養子でしょう? 」
「うるさい! 」
弟であるマークの奴は結婚しており、親バカになった。バカだ。本当にバカだ。
そこにやってきたのは愛しい娘・ミーナだ。
「お父様、お久しぶりです」
「おお、ミーナ。元気そうだな」
「ところでお父様、ハングストン事件のような大きな事件はまた起こさないのですか? 」
「今度は王家の人間を全員殺すのだ」
「お兄様! 」「お父様! 」
突飛な案すぎたのか、面食らっている。
「暇になりましたので戻ってきましたが、それは突飛すぎます。下手したらお父様は処刑されるのですよ」
「だが、お前がいるだろう」
「っ! 」
ミーナは顔を歪め、出て行った。了承したか。
「しかし、お兄様。処刑されれば元も子もないですよ」
「はっ、跡継ぎがいるだろう」
「分かってます」
明日は王都に行かねばならない。早めに寝ることにした。
3日
王都で待ち合わせをしているのはマークの息子と結婚させようと考えている娘の父親・ルグルス=カーンだ。
かつては騎士として活躍し、引退するさいに公爵という身分を貰った奴だ。美食家らしい。
「はじめまして、ルグルスと申します」
「マークです。現在、公爵は兄ですが、いつか私に変わります」
「現在の公爵でマークの兄です」
「なるほど」
ちなみに待ち合わせしたのは王都ではかなり高いお店。カーン公爵の領地出身の男が経営しているため、ここに決めたらしい。
「私の娘は来年、14になるのです。そしたらデートさせましょう」
「はい」
「いつもの、私に」
「はいっ! 」
「君たちはどうするかい? 」
「何でもいいですよ」
「今日のオススメをこの二人に」
「はいっ! 」
メニューを見てもサッパリなのはマークも同じで、初めて見る料理名にちんぷんかんぷん。
「パンです」
「ほら、食べてごらん」
「! 」
もっちりとしたパン。すごい。




