第十五話 後悔~元王妃視点・8月4日~
私は怒濤の時を生き抜いた。元々ここの人間ではないものの、あの人は私を理解してくれた。
「伯爵のバカ……」
伯爵は私を保護してくれた。私が困れば何でも助言した。しかし、それが裏目にでた。
『子供は5人でどうだ?』
『ありがとうございます』
『長男は有能だろう。もし長女が病弱なら次女と結婚させろ』
伯爵が王位から転落したのもよくわかった。あの人、直感で生きている。いや、生きていた。
「お母様」
私が庭の噴水前で物思いにふけっていると、ダニエルがやってきた。
「あらダニエル」
「カスピアの力は段々強まっています」
「そう…」
「ですから、一刻も早く」
「いやよ。もう逃げないわ」
睨みつける都、彼は肩をすくめ、やれやれ、とため息をついた。
「お母様、危険です」
「逃げないわ」
「……あはは、バカねぇ、本物の自分の息子と偽物見分けられないなんて、本当にバカじゃないの!? 」
「…! 」
──騙された?
気づいた時には既に遅く、ミーナによって気絶させられた。
気がつけば、見知らぬ塔の中にいた。ああ、閉じ込められたの?
「ミイラ化か白骨化するのが楽しみねぇ」
「…」
「あはは、じゃあね」
黒幕はミーナ、なの?




