9.私の個人情報の行方
いつも読んで下さりありがとうございます。前の話に続き連続投稿
することが無事できました。よかったです。少しでも話を楽しんで
頂けたらうれしいです。
「あのう…。」
「どうした?」
「なんです?」
「なんだ?」
「なに~?」
やっぱり言えない。私に近づかないで下さいなんて。彼らの人気を
改めて感じた朝の出来事から時はすぐに過ぎて放課後となった。
彼らは、私が学校から離れるとどこからともなくやって来て、当た
り前のように一緒に帰ろうとするのだ。どうしよう。どうやって
切り出せばいいのだろう。あ~もう誰か助けて。私がグダグダ悩んで
いると。どうやら眉間にしわが自然と寄っていたようで、彼らは
心配した様子で話掛けてきた。
「何だか調子が悪そうですね。大丈夫ですか?」
「おい、大丈夫かよ、無理すんなよ?」
「大丈夫ぅ~?無理はいけないよ。」
「大丈夫か、車、呼んでやろうか?」
「大丈夫です。元気です。ご心配お掛けしてすみません」
「大丈夫ならいいけどよ、無理だけはすんじゃねぇぞ、辛い
なら遠慮すんな」
そう言った有坂くんの言葉に皆、頷いていた。私は慌てて元気である
事をアピールするために筋肉のない力こぶを見せた。すると彼らは
安心したようでやさしく笑っていた。その姿に一瞬ときめいてしまった。
いかんいかんこのままでは。私が言いたかった事が何一つ言えないじゃな
いか。しっかりしろ、近藤はるみ!
「そう言えばさ~。学校はどう~?楽しい?はるみちゃん」
「えっ?はい、楽しく過ごしてます。」
まぁ基本一人だけどね。それでも学校では何事もなく過ごせている。
そう、学校では…。
彼らの存在がなければ私は平穏無事に過ごせるのだ。こんな嬉しい事
はない。
やっぱり言おう。無理でも何でも。言わなくては始まらない。
よし、言うぞ!
「あのう、わt「ならよかった~。はるみちゃんが楽しいと俺も
うれしい~」
「そうですか。ありがとうございます。」
「いえいえ。どいたしまして~」
意を決して言おうと思っていたことを遮られてしまった。
何が嬉しいのか白井くんはニコニコと笑っていた。すると今度は、
小野くんがちょっと言いにくそうにしながら話掛けてきた。
「あのうよう…。ちょっと近藤にお願いがあるんだけどよ」
「お願いですか?」
お願いって何だろう。全然思いつかない。まさかすごい要求される
んじゃあ…。私がプチパニックを起こしていると。真剣な表情でお願い
された。それは…。
「そうだ。お願いだ。メアドと携番教えてくんねぇかぁ?」
「えっ??」
「だってよ。話ができるのは放課後の時間だけだし、それ以外にも
お前と関わっていたいし、よう。だめか?」
ちょっと心なしか目が潤んでるようなぁ。そんな純粋そうな目で私を
見ないでくれ。私が戸惑っている間に。他の3人も黙ってはいなかった。
「あっそれは私も知りたいですね。ぜひ教えて下さい。」
「それなら俺も~」
「もちろん俺様もな」
「えっと…」
何か便乗してきた~。ありえない。正直教えたくない。これ以上この
人たちと関わりを持ってはいけない。それでも期待した目で携帯を
取り出す4人に私は何も言えなくなってしまった。私は諦めたように
鞄から携帯を取り出すのだった。
最後まで読んで下さりありがとうございます。携帯についてですが、
今は、普通スマホの時代ですが。私自身、いまだにガラケーを使用
していましてスマホのことが全くわかりません。古い人間ですいま
せん。なので私の書く話はスマホは登場しませんのでご理解下さい。
スマホがない世界と思って下さるとうれしいです。失礼致しました。
では、また次回も読んで下さるとうれしいです。ではまた。