7.噂の後
いつも読んで下さりありがとうございます。更新を待っている方はいない
と思いますが、マイペースで書いております。なので更新するペースも
遅いですが少しでも楽しんで頂けたらうれしいです。
私は彼らの噂を聞いてからどうすればいいのか、わからず、自然と彼らを
避けるようになってしまった。だって私にはどの彼も勿体な過ぎるぐらい
いい男なのだから…。
今日も学校が終わっていつもは、真っ直ぐ帰るのだが彼らと鉢合わせしな
いように図書室でぎりぎりまで残っていた。
それから帰るルートをいつもとは違う道にして帰っていった。
そうやって数日は時間を変えたり、帰る道を変化させながら過ごしていた
ためか、誰とも会うことなく過ごすことができた。
なのにこれはいったい、どういう状況なのだろうか。
「ねぇ?話聞いてる~?」
「どうかしましたか?」
「大丈夫か?」
「おい!話聞いてんのか!」
私の目の前に避け続けた彼らがいる。しかも全員揃っている。夢でも見て
いるのだろうか。夢なら早く目覚めてよ。でもこれが夢ではないと、そっ
と手をつまんだ痛みがそう訴えていた。
「どうして、皆さんここに…。」
「あっそれはねぇ」
「最近お前と全然出会わねぇから、お前の学校の近くで隠れて見てたんだよ。」
「隠れてた理由としては、自分で言うのも何だが俺らがいると目立つからな」
「すいません、こういった行為はすべきではないとわかっていたのですが、
どうしてもあなたに会いたくて」
彼らがここにいたのは、待ち伏せされてたのか。しかも学校まで来てたのか。
それなら逃げられないなぁ。でもよかった。学校で声掛けられなくて。
もしそんな事をされてたら学校中の噂になるところだった。声掛けられたこの
場所は学校から少し離れているし。人通りも少ない所だから誰かに見つかる事
はないだろう。
「おい、俺様がこいつと喋るんだからお前らどっかいけよ」
「はぁ、ふざけないで下さい。私も久しぶりに彼女と会う事が出来たのです。
この場で私が引き下がる訳ないでしょ。」
「そうそう、引き下がる訳ないし~」
「どっか行く訳ねぇだろう、バカかお前」
「何だとてめぇら言わせておけば、俺様に逆らうとはいい度胸してんじゃねぇ
かよ」
彼らの様子を黙って見ていたら、何やら雲行きがあやしくなってきた。まさか
こんな所でケンカしないよね?。
でももしかしたらこれは、チャンスじゃないだろうか。彼らが言い合いしている
間に逃げられるんじゃないだろうか。よし、やってみよう。
ゆっくりそうっと静かに足を動かしてと。
「おい、何やってるんだ?」
その場から去ろうとしていたのを一番近くにいた小野君にばれてしまった。
すると、他の3人とも一斉にこちらを向いていた。
「ハハハ。いえ何でもないです。」
「まさか逃げようとしていたのか?」
「そんな事ある訳ないじゃないですか。」
4人に見られた私は、冷や汗が流れるのを感じながら気をそらす為に
別の話をすることにした。
「それより、皆さん知り合いなんですか?」
「あっ、まぁちょっとな」
「へぇ~そうなんですか。」
「そんな事よりさ。最近妙に君と出会えなかったんだけど、どうして~?」
「それはき、き、気のせいではないですか。」
「いや、ありえねぇだろう。今まで、特に用事が無い時は、同じ時間、
同じルートで帰っていたやつが全然会わなくなるなんてよ」
「えっ、何でそんな事知っているんですか。」
「そんなの調べればすぐ、わかんだよ」
「そうですか。」
こここわい…。この人達、どこまで私の事知っているんだろう。そんな風
に私が思っていると。白井くんが彼らにどこか不服そうに声を掛け始めた。
「ねぇ。それよりもさ。今日って俺の日じゃないの?これって協定違反
じゃないの?」
「あ~ん?そんなの知るか。俺様の日に会いに行ったらこいつと会え
なかったんだから仕方ないだろうが!」
「そうですよ。やっと会えたんですから。我慢なんて出来ませんよ。」
「わりぃな、俺もこいつに会いたかったんだ。」
「そんなのずりぃよ~」
「あのう、俺の日ってなんですか?」
「あっそれはですね…」
私が疑問に思い聞いてみると、田端くんが説明してくれた。
話を纏めさせてもらうとこうだ。彼らは以前から知り合いで、しかも
それぞれが私に好意を寄せている事に気付いていたらしい。
でも中々きっかけがなくて話掛ける事が出来なかった。
でも話がしたい。好きだといいたい。そこで考えたのは、協定を結び
一日に一人ずつ会いに行くという約束を交わした。そうすることで、
お互いを潰しあうのではなく。それぞれにチャンスがまわってくる
ようにしたのだとか。
でも最近、自分の担当の日に私と会う事が出来ず、ストレスが溜まっ
てしまい、自分の日ではないのに会いに来てしまったとのことだった。
それを聞いて私は、一つの疑問が解決されたのだった。
それは、なぜか4人とも鉢合わせすることなく、一人ずつ会いに
これていたのはこの為だったのだ。
「それじゃあさ、この協定意味なくない?」
白井くんのその言葉をきっかけに他の3人も考えこんでしまった。
「だな。会いたい時に会いたいよな」
「そうですね。私は毎日会いたいですし。」
「確かに、会いたいのに会えないのってストレスすげぇ溜まるって
わかったしな」
「「「「じゃあこの協定なし(つうことで)(だな)(にしましょう)
(だよね~)」」」」
彼らの中で話あったことで協定の話はなくなったようだ。いいこと
なのか悪いことなのか今の私には判断がつかなかった。だがきっぱり
と言い切った彼らの表情はすがすがしいものだ。
「そうと決まればお姫様を送るのはこの俺様の仕事だな。」
「はぁ?何を言ってるんです?。それは私の担当です。」
「あっ?俺が送るに決まってるだろうが」
「いやいや、あんたも何言ってんの。俺がやるに決まってるでしょ」
そのあと道端で彼らの言い争う声が響き、十分目立ってしまった私は、
そこから逃げようとするのだが、すぐに見つかり。このままでは埒が
あかないという事で皆で一緒に帰ることになるのだった。
最後まで読んで下さりありがとうございます。