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5.バイクの彼

今回はいつもよりも短いです。それでもいいよという方がいてくれたら

うれしいです。

田端くんと帰った次の日の帰り道。次に現れたのは、バイクに乗って現れた赤髪の彼だった。でもこの日は、バイクに乗ってはいなかった。彼は、私の前まで来ると、笑顔で声をかけてきた。


「よう。久しぶりだな。今、帰るところか?」

「はい、そうです。」

「じゃあ、一緒に帰ろうぜ」

「えっ」

「ダメか?」

「いえ、大丈夫です。」

 


あまりに悲しそうな表情だったので思わず、頷いてしまっていた。私は、一緒に彼と帰りながら考えていた。彼は髪が赤く、目もカラコンなのか、緑で、思いっきり不良という感じなのに、たまに見せる笑顔や会話の内容があまりに普通だったため、気付くと初対面の時より、不思議と恐怖を感じなかった。


「あっ、そういえばまだ名前言ってなかったな。わりぃ。俺の名前は、小野修お のしゅうって言うんだ。改めてよろしくな。」

「はい、私の名前は、近藤はるみです。よろしくお願いします。」

「俺のことは、好きに呼んでいいからな、俺のおすすめは、しゅう(ハート)って 可愛らしく、上目遣いで呼ぶだけどな」

「でででできませんよ、そんな事、小野くんと呼ばせて貰います。」

「それは、残念。まぁ冗談だけど…。慣れてきたらしゅうって呼んでくれ」


彼は、ニヤニヤ笑いながらそう言ってきた。それって好きに呼ばせてくれてないじゃん。まぁ、絶対に慣れてきてもしゅうなんて呼ばないけどね。男の人を下の名前でしかも呼び捨てなんてできる訳ないし。恥ずかしいし。それからしばらく会話をしていると気付いたら家の近くまで来ていた。


「あのこの辺で大丈夫です。送って頂いてありがとうございます。」

「そうか?家の前まで送るぞ?」

「いえ、本当にここまでで大丈夫です。」

「わかった。そこまで言うなら、今日はここで引き下がる。」

「はい」

「今日は楽しかった。また一緒に帰ろうな。じゃあまたな」

「はい、ではまた」


気付くとそう言っていた。最初はあんなに恐怖していた存在だったのに、いつのまにか、話すのが楽しかった。普段、人とあまり接しないせいか、すごく新鮮で温かい気持ちになった。本当に不思議だが、また一緒に帰りたいと思うようになっていた。私は、帰っていく彼をしばらく見届けるのだった。








最後まで読んで下さりありがとうございます。

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