23.有坂大我 過去編
いつも読んで下さりありがとうございます。
俺様は昔から何でも出来た。
スポーツでも勉強でも特に苦となる事も無かったし。
まぁ金もあった。だからなのか女が引っ切り無しに
近づいてこられてまともに相手するのも面倒くさくて
酷い扱いをしていたのも今、思えばわかる。
そんな俺様は喧嘩も強く、売られた喧嘩は全て勝って
きた。
そんな俺が中学生の時、彼女がいた。
同じ学校の同級生だったやつ。
名前は、確か、かなとか言ったな。
正直俺様にはその程度の印象しかなくて、顔もスタイルも
よかったし、適当に抱く分には良い相手だった。
それにあんまりうるさい女じゃなかったから彼女にした。
まぁこいつは、俺様の顔とか金、目当てだろうなって
何となく思ってた。
そんなある日、その彼女であるかなが誰かにさらわれたって
聞いた。
正直どうでもよかった。
そいつがどうなろうと俺様は何とも思わねぇ。
でもここで動かなかったらビビったとか思われて馬鹿にされる
のも癪だったから、かながさらわれたっていうさびれたビルに
向かった。
そしたら入口の所で俺様の他にも誰かいる気配がして、警戒
していたらこいつら3人がいた。
話を聞くとどうやらこいつらも彼女をさらわれたらしい。
それを聞いても正直驚かなかった。
なんせ俺様を含めてこいつらも喧嘩や女のトラブルが日常茶飯事
だったからだ。
そういう中でこいつらとも顔見知りだった俺様達は、特に慌てる
事もなく、ゆっくりと中へ入って行った。
ああ、一応言っておくと、敵も結構いたが俺様達は数分で片をつけた。
そして俺様達がある部屋に入ると沢山の敵と奥に縄でしばられた彼女
の姿があった。
他に4人の女らしき姿も見えた。
そいつらは俺様達が見えるとすぐに泣き出して、助けて、早く助けて
私を一番に助けてと見苦しくも俺様達に要求してきた。
他の女も似たり寄ったりの言葉を吐く中で、一人だけ、泣きもせず、
叫ぶ女がいた。
そう、そいつがはるみだった。
はるみは、こう叫んだ。
「はるひ、助けに来てくれたのは、うれしいけど、危ないよ、
逃げて!はるひに何かあったら私は…。私の事は気にしなくて
いいからはるひ、怪我しないで!。」
必死にはるひと呼ばれるやつを気にかけていた。
俺様の女が自分の事しか考えられないような状況下で人の事を
考えられる、こいつはすげぇて思った。
敵と戦いながらこいつの事だけは絶対俺様が助けてやると
思ったね。
それから、はるひと呼ばれてたやつもいつの間にいたのか
わからなかったが戦いながら笑っていたのでこいつは
強いって思った。
そしてあっという間に全員叩きのめすと、俺様達は
一応自分の彼女の方に向かった。
縄をといてやると、怖かっただの、助けにくるのが
遅いだの喚き散らしていた。
うざかった。
そんな中、はるひというやつがはるみに巻かれていた
縄を外すと、慌てたように、はるひ、大丈夫?怪我はない?
など相手の心配をし始めた。
それから怪我をしていないとわかると飛びっきりの笑顔で
「はるひ、ありがとう。」と言ったんだ。
その表情に俺様はやられていた。
惚れた瞬間だった。
そして安心したのかお前は、はるひと呼ばれるやつの腕の
中で意識を手放した。
それに気づいたこいつはクスと笑うと、頭をそっと撫でて
から、お前を抱きあげた。
俺様はその時、激しい嫉妬の炎に焼きつくされそうだった。
それからお前らが消えた後、俺様は、必死でお前を探した。
そして見つけた後は、ただ黙って見ている事しか出来なかった。
その中でこいつらもあの時のお前に惚れたという事を知って
俺様はどうやったらお前に近づけるか、考え行動するように
なったという訳だ。
勿論その時、周りにいた女とは全員縁を切ったがなぁ。
それが俺様とはるみの出会い、そして惚れた経緯だ。
なんか文句あるか。
最後まで読んで下さりありがとうございました。
他の3人の惚れた場面は同じようなものなので
過去編は有坂くんだけで終了になります。
あと、次回、予定では最終回です。
えっ、急に?と思われた方いるかもしれ
ませんが、思いついたのが次回の分
までなので、終了となります。
次回、最終回まで読んで下さると
嬉しいです。ではまた。




