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2.三人目の男

読もうと思ってくださってありがとうございます。

それからお気に入り登録などしてくださった方、さらに感謝いたします。

とびあがるほどうれしかったです。

「おい!乗れ」



 それは、突然の出来事だった。最近二人の男の人に告白?をされて頭をぼうっとさせながらその日も学校が終わり、一人とぼとぼと歩いている時だった。

 私の歩いている横を、ゆっくりとしたスピードで車がついてくると思ったら、後部座席の窓が開き、そんなことを言われたのだ。

 私は、怖くなり、相手の方よく見ずに勢いよく走りだした。しかし相手は、車。

普通に走っても勝てるはずがないと思い、私はとっさに車では通れない道を駆け抜けた。

 するとそれに気づいた相手が車から降りてきて、私の方に猛スピードで追いかけてきた。私はさらに怖くなり一生懸命走った。でもすぐに追いつかれてその人に捕まった。

その人は、「なぜ、逃げる?」と声をかけてきて。

私はあまりの怖さに何も言えずにいると。その人はチッと舌打ちをして、私の腕を掴むと、ずんずんともと来た道を戻っていった。

私は、少し抵抗したが相手の力には勝てず、さっきの車まで戻ってきてしまった。そしてその人が何も言わず、私を車に乗せようとしてきたので私は、激しく抵抗した。



「やだ、やめて」

「おい、いいから乗れって」

「何で?やだ」

「話があんだよ」

「話?」

「あ~。有坂さん家の大我くんが女の子を誘拐しようとしてる~」


 緊迫した状況の中、ゆるい大きな声が聞こえた。そちらを振り返ると茶髪にじゃらじゃらとアクセサリーをいくつもつけた男の人がこちらを指差しながら、にやにやしながら近づいてきた。すると、車に乗せようとしていた人があからさまに不愉快そうな顔をしてその人を睨みつけていた。


「おい、ふざけんな、てめぇ誰が誘拐何かするか」

「えぇ。だってその娘、無理やり乗せようとしてたじゃん」

「それは…」

「あっやっぱり、誘拐だ。誰か、ここに犯罪者がいる」

「おい、くそ、本当にやめろ」


 彼の口を手で塞ごうとするけどうまくいかずに。


「犯罪者が…」

「わかった。くそ、今日のところは、ひとまず帰る」



 そういうと男の人は悔しそうにしながら車に一人乗り、行ってしまった。

ふぅ、ちょっとほっとしていると、茶髪の男の子に声をかけられた。


「大丈夫~?」

「はい、ありがとうございました。助けていただいて。」

「いやいや、気にしないで。女の子にひどいことするやつは許せないし~」

「はぁ、でも本当にありがとうございました」

 

 私は本当に助かったと思ったので、心の底から感謝の言葉が出た。

だってあのまま乗せられていたらどうなってたか。なんだか考えるだけで怖い。

全然知らない人だったし。


「そんなに言われるとなんか照れちゃうなぁ~それよりさぁ~。君、俺と

 一緒にどこか遊びに行かない~?」

「はぁ?」

「だから遊びに行かない?」

「いえ、私は、これで失礼します。」


 にこっと笑って私の事を誘ってくる彼に悪気はない感じはしたが、初対面だし、

さっきのことで疲れていた私は断ることにした。


「ええぇ~。帰っちゃうの~?」


ちょっと残念そうに言う声が響いた。

「はい、今日は本当にありがとうございました。」


そう言って頭を一度下げ、帰ろうとすると、腕を掴まれた。


「待って、送ってく」

「いえ。大丈夫です。」

「全然、大丈夫じゃない~。さっき危ない目にあったばかりでしょ。もう~」


ちょっと頬を膨らませて、怒るぞアピールをしてくる彼に私は、丁寧に

断りの言葉を述べた。


「はぁ、でも結構です」

「はい、だめ~送ってくのは決定事項です。」


そう言うと腕を引っ張ってきたので私はあきらめて彼について行くことにした。

それから何気ないことを話して家に向かった。そしてしばらくすると家の近く

まで来た。


「あの。もう家、すぐそこなんで、もう大丈夫です。」


家の方角を見ながら言った。


「いいよ。家の前まで送ってくよ。」

「いえいえ、それは本当に結構です。本当に。本当に。」

「そう~。わかった。そこまで言うなら。あのさ、今更だけど俺、白井拓海しらいたくみっていうの。よろしく~」

「はぁ。私は、近藤はるみです。よろしくお願いします。」

「知ってる…」

「へっ?」


 突然自己紹介が始まったなぁと思ったので反射的に自分も名前を言うと、

知ってるとの答えに驚いてしまった。聞き間違えたんだろうか。だって私は

彼を知らなかったから。


「だって俺、ずっと君の事見てたから。」

「えっ?えっ!」

「あのさ。だから俺の彼女になってくんない?」

「え~?」

「まぁいきなりすぎだよね。でも、なんか今まで見てた人が近くにいると

 思ったらさ、言わずにはいられなくて、ごめん」

 遠くを見つめながらどこか悲しそうにつぶやく白井くん。


「はぁ…」

「でも俺本気だから真剣に考えてほしい。」


 悲しそうな表情から真面目な表情になって私を射抜くように見つめてくる。

そんな顔にドキッとさせられながら気の抜けた返事しかすることができなかった。


「はぁ…」

「それじゃあまたね」



 そう言って手を振り、彼は帰って行った。しばらく、私はその場から動けなかった。そして家に着くとまた頭がぼうっとしてしまった。今日は何て日だろうか。突然追いかけられて車に乗せられそうになったところを、白井くんに助けられて、家にまで送ってもらったと思ったら告白されて。ああ。もうどうしたらいいんだろう。最近の私は、どうしてしまったんだ。急に…。3人の男の子に告白されて、しかも3人ともこの世の者とは、思えないぐらいかっこよかったなぁ…。

そういえば今日、車に乗せようとした彼も、金髪の髪が印象的なとってもかっこいい男の子だったなぁ。彼は、私になんの用だったんだろう。話があるって言ってたけど…。もしかして彼も私に告白しようとしてたりして。ってんな訳ないか。

3人に告白されて頭がいかれたか。自分。

ああ。もう。本当にどうしよう。その日、私は中々眠れず、結局朝になるまで考え込むのであった。

 

最後まで読んで下さってありがとうございます。

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