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13.あの人デート

いつも読んで下さりありがとうございます。サブタイトル通り、今回も

デートの話です。今回は誰になるでしょうか。まぁ残り2人しかいません

が。少しでも楽しんでもらえたらうれしいです。ではどうぞ。

田端君いや飛鳥君とデートした1週間後。今度は白井君とのデートの日となった。

白井君とのデートでは、前回の失敗を踏まえて約束の30分前に着いた。

さすがに白井君はまだ来ておらず、携帯をいじったりして遊んでいると約束の

20分前に彼が姿を現した。


「はぁはぁ。ごめん。もしかして遅れた~?」

「クス。いえ、約束の20分前です。むしろ早いくらいですよ。」


私は何だか勝負に勝ったような気持ちがしてうれしくなり思わず笑って

しまった。そんな私に彼はちょっと悔しそうな顔をしながら言った。


「何で笑ってんの~?本当は女の子を待たせるなんてよくないんだけど

 まぁいいか。でも次の時はあまり早くきちゃだめだよ。危ないんだからね~。」

「危ない?」

「そう危ないよ。女の子の一人待ちは、狼さんが来ちゃうからねぇ~。」

「ブフッ。私は可愛くないので大丈夫だと思いますけど。」

「え~。こんな可愛いくておいしい獲物そうそういないよ。俺には輝いて見えるもん」


私はその言葉になんて返していいかわからなかった。この人。女慣れしてやがる。


「今、失礼なこと思ったでしょ~」

「え~っ。そそそんなことありませんよ。」

「わかりやす。まぁそんなところもかわいいけどね」


またなんて返していいかわからないよ。この人。はぁ~。まぁいいか。と

私が混乱している間に彼は動き始めた。


「待って下さい~。」

「ほらほら行くよ~。」

「今日は何処に行くんですか?」

「ついてくればわかるよ。」


そう言いながら彼は歩くのを止めないまでも私のゆっくりとしたペースに

合わせてくれた。やっぱり女慣れしてるなぁ。





暫く経つと映画のポスターがあちらこちらに貼ってある場所に着いた。

私はきょろきょろと見まわしながら聞いた。


「映画館ですか?」

「そう、大正解。良い子、良い子。」


そう言って私の頭をぐりぐりと撫で始めた。私は何だか恥ずかしくなり、

頬をそめながらうつむく事しか出来なかった。だから私は知らなかった。

いつも余裕そうにしている彼もまたそんな私を見て胸をたかならせて頬を

少し染めていた事に。

そんなやり取りがあった後、私達は、チケットを購入しにチケット売り場へ

と並んだ。


「そう言えば何が見たい?」

「そうですね。私は何でもいいですよ。」


私は特にこれが見たいというものが無かったからお任せする事にした。

すると彼はニヤリと意地悪そうな顔を見せて「わかった」と答えた。

私はその顔を見て嫌な予感がして、咄嗟に止めようとしたが自分達の順番

になってしまい言う事が出来なかった。

この映画館のシステムは、受付の人に見たいタイトルを言うのではなく、

自分達でタッチパネル式のボタンを押していくのである。

私は友達もいないので、精々家族と来る位だったので。タッチパネル式

の映画館には慣れておらず、どうしていいか分からず慌てていると彼が

スラスラとボタンを押していき、あっという間にチケットが機械から出てきた。

それに少し感動していると彼はすぐにその場所から離れてしまったので

慌ててついて行った。

結局ボタンを押すのが速過ぎて何を選んだのか分からなかった私は、彼に

聞いてみる事にした。


「やっぱデートの定番と言えば恋愛ものでしょ。ちょうど純愛ラブストーリー

 がやってたからそれ選んじゃった。」

「ほっ。そうでしたか、私はてっきりホラーものでも見せられるのかと

 思いましたよ。」

「まぁそれもいいけどねぇ~。きゃっとか言われて腕掴まれたりしてさ。

 でも映画は、ゆっくり見たい派なんだよねぇ。俺。」


そういう彼を見て私はさっきのニヤリとした表情は見間違いだったのだと思った。

だがこの後それは見間違いでなかった事を嫌というほど知る事になる。





映画が始まるまで暫くあったが、ポップコーンを買いたいという彼に付き合い

長い行列に並んでいたらあっという間に時間は過ぎ、私達が見る予定だった

映画の入場が始まったとのアナウンスが流れたので、私達もその流れに合わせて

入場した。

座る番号の席を見つけると彼は、どうぞお嬢さんと言いながら手を席に向けた。

私が席に座ると彼も席に座り始めた。

席は真ん中、中央の席でスクリーンがとても見やすく。私は嬉しくなって笑顔

になっているとそんな私の様子に満足そうな顔を向けて彼も笑っていた。

そして上映時間となり照明が消されあたりが暗くなってくると私はスクリーン

を見た。





暫くして上映が終わり映画館を出ると彼はニヤニヤしながら感想を聞いてきた。

感想ってね。感想ってあなた。何なんだ。あの映画は!どこが純愛じゃい

エロシーンばかりじゃないかい。殆ど恥ずかしくて見てられないのに、

きょろきょろ周りを見る事も出来ず、恥ずかしさで死ねると思ったね。



「ふふすごかったでしょ。さっきの映画。恥ずかしそうにしているはるみ

 ちゃんが超かわいかった。マジで録画したかったね。」

「もう。私を見てからかっていたんですね。最悪です。」

「ごめん、ごめん。でも恋愛ものは男同士では見れないし、見たかった

 んだよね~。」



全然反省している様子の見られない彼にあきれた。そんな私に気付いた

のかショッピングに行こうと言い始めたので。私は気を取り直し彼に

ついて行く事にした。

ああでもないこうでもないと色々な店を見て回っている内に一つの

アクセサリーショップを見つけた。

どれも私の好みばかりで思わずさっきの事も忘れて夢中になって見て

行った。

するととても可愛いクロバーのモチーフのブレスレットを見つけた。

私は一目見て気に入り購入しようとしたら彼がそれを奪いプレゼント

すると言い始めた。私がそれに慌てて断っていると。

彼は何も言わず会計を済ませていた。そして唖然とする私を置いて

外に出てしまった彼に私も必死でついて行った。

それから彼は私に何も言わず黙ったまま私の腕をとると時計のついて

いない反対の腕に先程買ったブレスレットを付けた。


「首輪のかわり~。」

「えっ。」

「嘘、俺の愛の証。」


彼はあまりにも真剣な顔をして言うので私はどうしていいのか戸惑っていると。

そんな私に彼はテヘと笑った。


「これで名前で呼んで貰える条件クリアっと。」

「あっ」


その言葉で今まで取り巻いていた雰囲気が消えた。その事に少し安堵

しつつも、名前で呼ぶのだという事を思い出し苦笑いしていた。

結局その後名前で呼ぶ事になる。










最後まで読んで下さりありがとうございます。次回は残るもう一人の方の

デートの話を書く予定です。

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