10.初めてのデート
こんにちは。ちょっと前の投稿した時よりも時間が経ってしまいました。
正直今回の話は悩みに悩んだので自分でも正解がわかりません。でもその
せいかわかりませんが今回はいつもよりも長いです。あっでも自分として
は、長い方だというだけで普通からしたらそんなでもないかもしれません。
でも本当に悩んで絞りだしたので楽しんで頂けたらうれしいです。
あれからメアドと携番を教えた私は4人に、ばれない様に小さく溜め息をついた。
彼らは、すごく嬉しそうにしていた。それからというもの事あるごとに彼らの
連絡は途絶えなかった。私は早速、教えた事を後悔した。
そして迎えた休日である今日は何もする事が無かったので、家でのんびりしていた。
するとメールが届いた。内容は…。げっ。
有坂くんからで、『今日、どっか遊びに行くぞ!』というものだった。正直嫌だ。
何が悲しくて、休日を男の人と過ごさなくてはいけないんだ。しかも告白してきた
人とだ。
そんなの緊張してしまうじゃないか。休みの日位のんびり過ごしたい。
断ろう!
えっと…。
『今日は予定が有って無理です。ごめんなさい。』すると直ぐに返事がきた。
なになに?『予定ってなんだ?今すぐ空けろ。』
『いや、無理です。』『いいから予定を空けろ』
『何でですか?』『俺がお前に会いたいから』
くそ、何でこんな恥ずかしい事、書けるんだよこの人は!
その後も何度かこのやり取りが続いたので。
とうとう私の方が折れてしまった。
『はい、分かりました』と送ると。
『すぐに迎えに行く。』とのメールがあった。
どうしよう…。何を着てけばいいのよ。友達のいない私には、
男の人と遊びに行くなんてハードルが高すぎてどうすればいいのか
分からず、悩んだ結果…。いつもの格好をしてしまった。
そして彼が着いたとの連絡が来たので。
慌てて外に出ると。彼が待っていた。
「遅ぇぞ。何してたんだ」
「ごごごごごめんなさい。」
「はぁ…。まぁいいか。それよりもお前その格好…」
「変ですか?」
「ああ。変だ。俺様の隣に歩くには、ダサ過ぎる」
えええ~。こいつ失礼だろ。普通そこは嘘でも可愛いよ。とかじゃねぇのかよ。
確かにオシャレなんて気にしたことがない私には、どんな格好がいいかなんて
よくわかんないけどさ…。
「今日のデートは、買い物だなぁ」
「でででデート。デートですか?」
「デートだろ。男と女が二人きりで会うんだからよ」
そうか気付かなかった。そういえばそうだよ。男の人と二人きりなんだから
デートだろうよ。初めてだよ。デートなんて。どうすればいいのかわかんない。
恥ずかしい。私は、デートという言葉に過剰に反応してしまい、顔に熱がいく
のがわかった。どうしよう。絶対顔赤いよ。
「デートぐらい、お前もしたことあるだろ。くそ、むかつく」
「しししししたこと何てああああありませんよ」
「嘘つかなくていい。”あいつ”としてんだろうが!」
「あいつ?あいつって誰です?」
「あん?別に誰でもいいだろうが兎に角行くぞ」
なんか上手くはぐらかされた様な気がする。一体何なんだろう?誰の事、言って
るのか分かんないよ。でもこれ以上突っこむのは、この人を怒らせそうで怖い
から止めておこう。
そして私たちは、彼が乗って来ていた車に一緒に乗り込むと、色々な話をして
過ごした。途中彼は何処かに電話している様だった。それから気付くと何処かへ
着いたようだ。目の前に見えるのは、オシャレな如何にも高級感溢れるお店
だった。
「いらっしゃいませ、有坂様いつも御贔屓にして下さって有難う御座います」
「おう、さっき電話した通り、今日はちょっと連れがいるからよ、可愛いく
してやってくれ」
「畏まりました。こちらにご用意して御座います」
どうやら彼はここのお得意様の様だ。彼が先程電話していたのはここだった
のか…。ってそんなのんびり構えている場合じゃない。
「あああ有坂くん、わわ私こんな高級そうな所では予算が合いませんよ」
「あ?気にすんな、俺様が何でも買ってやるよ。」
「えええええそんなこと悪いですよ。それに買ってもらう理由がないです。」
「理由だぁ?そんなの俺様の隣に歩く者として恥ずかしい格好してもらっ
ちゃあ、こっちが困るんだよ」
「でででも「うるせぇ!ごちゃごちゃ言ってねぇで行け、こいつのこと頼む」
「畏まりました」
有坂くんに背を押された私は店の奥に入ってしまった。すると店員さんに
VIPルームと呼ばれるような個室に連れられた私はかわるがわる服や靴など
の小物を身に着けさせられた。彼は、そんな私を楽しそうに見ていた。
そして段々と疲れてきた私に彼が気に入った服などをいくつか袋に詰めら
れていて気付いたら会計は終わり、外にいた後だった。
「有坂くん、困ります。受け取れませんよ私」
「あん?俺様にお店に戻しに行けってか?そんな恥ずかしいまね出来る
訳ねぇだろう」
「でででも」
「じゃあお前が払うか?まぁお前じゃあ無理だろうなぁ」
「うううっ」
私は何も言い返す事が出来なかった。確かに私の経済状態では、お金を
払うことなんて出来ない。どうしたらいいのだろうか。私が困っていると。
「クス、じゃあその体で払えよ」
そう言った彼は、私との距離をつめると、私の腰の辺りに腕を巻き付け
るとグッと勢い良く引き寄せた。そして困惑している私に顔を近づけて
きた。私は初めての状況にどうしてよいのか分からず、怖くなり、咄嗟に
目を瞑ってしまった。
「ふん、冗談だ」
そう言って体を離してくれた。私は驚いて目を開けると彼はいたずらが
成功した子供のように笑っていた。
「からかったんですね」
「お前が良いなら、貰うけどよ」
「もう、無理です」
私は何だか疲れてちょっと怒りながらどこか何もなかった事に安心しなが
らそうつぶやいていた。でも本当に良かった。さっきのことが冗談で…。
「わかってるよ、でもそんなに気にするなら、一つ叶えて欲しい事がある」
「なんですか?」
「俺様の事を名前で呼べよ。しかも呼び捨てな」
「ムムム無理ですよ。そんなこと」
「じゃあ体で払うか?俺様はそっちの方が嬉しいけどどうする?」
彼は私が体で払うことが出来ないことを分かって言っている。どこか
優しい口調なのに脅されている気分がしてならなかった。
「ううううっ」
「早くしろよ。」
「たたたいがくん」
「呼び捨て」
「それは無理です」
「呼び捨て」
「それは無理ですぅ、ごめんなさい」
彼が何度も呼び捨てという度に無理だと答えているのに諦めてくれない
彼に私の悲鳴に近いような声が出ると。大我くんは、はぁと深い、そ
れは深いため息をついた。
「ちっしかたねぇ、それで我慢してやるよ」
「ありがとうございます、大我くん」
舌打ちをしながらもしょうがねぇなぁという顔で諦めてくれた彼に対し
て私は、ひどく安心し気付くと緩みきった顔でにこっと笑っていた。
「くそ…!すげぇかわいい」
「えっなんて言ったんですか?」
つい、ぼうっとしてしまった私は彼の言葉を聞き逃してしまったので聞き
返すと彼はどこかばつの悪そうな顔をして『別に何でもねぇよ、ほら
行くぞ。』と声を掛けてきたので元気よく返事をした。
そのあとも色々なお店を見て回ったり、食事をしたりして過ごした。
そして私たちのデートは終わった。帰りも車で送って貰った私は、
運転手さんと大我くんに改めてお礼を言って家に着いた。家の中に入る
と疲れた私は沢山の袋を抱えたまま横になるのだった。
最後まで読んで下さりありがとうございます。いかがだったでしょうか、
彼女の初めてのデートは。まぁ私の力量では、これが限界だったと思い
ます。それでも、また読んでもいいよという方がいてくれることを願って
次回お会いしましょう。




