悪夢
全ての一切は、
一通のメールから始まった。
全然知らない出会いサイトからの一通メールだった。
「この時期、
欲求不満の女が何処にも遊びに行けず、
家で1人テレビを眺めながら過ごすと思うと涙が出てきます…」
メールの署名は所長だった。
毎日、メールをチェックする秋は、
それを見て無視した。
どうせ迷惑メールだと思った。
最近、
出会いサイトのさくらメールはよく入ってくる。
対策としてよくアドレスを変えた秋は、
今回、アドレスを変えなかった。
好奇心で、
そのさくらメールが、
どれぐらい続けるとみたいからだ。
一ヶ月経った。
メールの寂しい言葉に心を動かされた。
彼はサイトで短い返事した。
「僕はそのサイトで登録してなかった。
所長さんが見たプロフィールは僕じゃない。
早めに素敵な相手見つかるのを祈りますよ。」
彼女はすぐ返事を返してくれた。
携帯のアドレスも教えた。
一ヵ月後、二人は会った。
そして、北の雪山にも、南の温泉にも、
二人の愛の跡は残った。
半年後のある日、
突然、彼女からのメールがあった。
「もう会えない。ごめん。ありがとう!
短いけど、幸せだった」
「君を守ってやる」
と、返事をしてから、
秋は彼女のマンションに向かって走った。
しかし、以外は起こった。
途中、車にはねられた。
病院に送られたが、
手遅れだった。
車はある暴力団の車だった。
数日後、
秋の墓の前に、
黒い衣装の彼女は現れた。
「秋の敵討ちをしたよ。
これからもう離れないよ。ずっと!」
すると、
彼女は倒れた。
鋭いナイフを自分の手で、
自分の胸に挿した。
翌日、新聞に一本のニュースが出てきた。
「暴力団の幹部は愛人のマンションで死んだ。
他殺可能性高い。さらに、その愛人はナイフで自殺…」
全ての終わりは死だった。