~思惑~
遅くなりました!
* * *
「ひ!…!」
ぼとベチャぐちゃぐちゃグチョグチャ
たった今まで人の形をしていたモノが一瞬にして切り刻まれ血溜まりの中へと只の肉塊となって彩りを添える。
「あぁぁ、あぁあうぁぁアァ」
それを間近で見せられ、次に同じ末路を自分が送る事を悟った男は悲鳴すらまともに挙げることすらできなくなっていた。
「うふ、アハ!アハハハ!」
そこはとある屋敷の一室。
この室内は血の海と言っていいほどの惨状だが、この部屋まで続く廊下や玄関ホールなどは吐き気がするほどの血の匂いが充満しているにも関わらず、肉の一つ、血の一滴すら見当たらなかった。
「いいわ!、この臭い!!、この感覚!!、たまんない…」
そしてこの部屋の惨状の中心には頬を僅かに赤く染めて興奮している女性。
「…ち、狂い、の、ま女…!?…あ?…」
いつの間にか男の頭は宙をまい、その視界に自分の体が切り刻まれるのを写し、次の間にはその頭も同様の末路を辿る。
「アハハハはハハははははハハは!!」
血溜まりの中心で魔女はくるくると踊る、楽しげな声を挙げながら。
# # #
「…そうですか、お疲れ様でした。彼女にも「お疲れ様」と伝えて下さい。」
そう自分の影に話しかけると、男は大きく息を吐いた。
やっと此処まできた。虐げられ、蔑まれ、幾度となく苦汁を舐めさせられてきた。
男は苦い記憶に顔を歪める。
今まで苦汁を味わってきたのだ。
世界よ。今度はお前に苦汁を舐めさせてやる。
男は黒く歪んだ顔で笑いをあげた。
今、世界へ反逆の狼煙は上げられた。
* * * *
時間は朝の7時。
場所は共通商業区。
この時間は会社に出掛けるサラリーマンや学生の出勤ラッシュで街は人でごった返していた。
そんな街の中空に大きな黒い穴が突如現れ、次の瞬間巨大な銀色の獣が飛び出して来た。
「キャアアアァァ!!」
悲鳴が響き渡り
銀色の獣は勢いのまま地へと降り立つ。
その背ではマントを羽織った幼さが残る少年と黒髪の美女が楽しげな笑いをあげていた。
* * * *
手元の電子機器を片手で操作しながらそれに写し出された赤い点の場所へと移動する
とぼとぼ。
徒歩で移動とか、コレはイジメですか?そうだ、きっとそうだ!かれこれ4時間程歩いてるぞ?隣の車道ではブンブン車が俺を追い抜いていく。クソ~車~。
彼女を迎えに共通商業区まで歩いてきました。公共交通機関を使いたくても車内武器の持ち込み厳禁なため歩いていくしかなくなった、企業連盟にもトレーラーの件で弁償するまで制限がついて簡単には借りれなくなった。俺頑張ったよ?誉めて、いや誉めろ!
…いいさ、いいよ別に、そうだよ仕事なんだからやって当たり前だよね?そういう事だよね?自分で誉めればいいんだよね?、よくやったぞ、よく耐えた、頑張ったな、…ああ分かっている虚しい事くらい、でも少し癒やされる俺もいる。
若干軽くなった気持ちで目的の場所へと到着した、荷物を下ろし準備を始めていると悲鳴が聞こえ銀色の獣が地へと降り立つ。
その背に見知った女性を発見した。。
…スッゴい笑顔だな。
苦笑しながら武器を構えた。
駄文ですいません。