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断罪された大聖女は死に戻り地味に生きていきたい  作者: 花音月雫
第三章

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聖女鑑定ですわ②

「そりゃ、そうだよ!君の噂は知れ渡っているからね?キメラにされた人達を人間に戻したんだよね?それだけでもう大聖女様に値するんだよ!!」


神官様が興奮して私の手を握ろうとしましたがお父様に阻止されましたわ。

そうですわよね。キメラ事件の報告は事細かに王族や騎士団や上流階級の貴族様に行き渡ってますもの。では仕方ないですわ!せめて『大聖女様』にならないよう『聖女様』で止めておきます。


さぁ、と神官様に促されて私はお父様と一緒に祭壇の前へと移動しました。ルカさんは祭壇裏の小さなお部屋で待機していますわ。


私は礼拝堂に居る方々にカーテシーをしてから微笑みました。すると周りから一斉にため息が聞こえてきました。


「お、お父様!?私、何か失敗をしましたの?このため息......」


私は慌ててお父様の袖を引っ張ってしまいましたわ!!だって礼拝堂に居る方々全員が深いため息ですのよ?


「違うよ。アイラが天使、いや、女神様のように綺麗だったものだから皆、うっとりしてしまったため息だよ」


お父様がニコニコしながら小さな声で説明してくれましたが、そうなのでしょうか?


改めて祭壇を見ると神官様が大きな桶の前で立っていますわ。お父様と一緒に桶の前まで足を進めました。


桶を覗くとお水がたっぷりと入っていますわ。これはいわゆる『聖水』ですわね。聖女鑑定はこの『聖水』を触り変化するかを見るのですわ。


「さあ、どうぞ、この聖水にお手を浸して下さい」


神官様が桶の後ろで両手を広げて言いましたわ。

礼拝堂が緊迫した空気になりました。その空気感に思わず可笑しくなってしまって緊張がほぐれましたの。ふふふ。


私は一度お父様をチラッと見ましたわ。するとお父様は眩しい笑顔で頷きます。駄目ですわ!その笑顔は礼拝堂に居るご婦人達をクラクラさせてしまいます!!


「きゃっ!」


と、ご婦人達の黄色いお声がちらちらと聞こえてきましたわ!ほら、ほら!!もー!ですわよ!!


私は桶に向き直りそっと手を入れました。

すると『聖水』が最初小さく波を打ち始めそのうちに桶の中で大きくジャバジャバと跳ね出しましたわ!!


え?え?と思っていると桶の中の『聖水』が全部雨のように雫になりそれが全て金色に光り出しましたわ。その雫が礼拝堂内に散らばりキラキラとまるでお星様のようです。


これを見た貴族様達が騒ぎ始めました。ざわざわ、わー!きゃー!と。そして拍手が!!


「神よ!!ここに大聖女が誕生いたしました!!心よりお礼を申し上げます!!!この時代に大聖女様を使わせて頂き感激でございます!!さあ!皆様!!今一度、盛大な拍手をお願いいたします!!」


神官様が泣きながら叫びましたわ。

え!?ち、ち、ちょっと待って下さいませ!!

勝手に大聖女様にしないで下さいませね?

お父様に助けを求めてお袖を引っ張ります。


「普通の聖女様だったら雫は金色に光らないのだよ。これはもう、仕方ない。この礼拝堂に居る者たちは興奮状態だ。アイラ、とりあえず今はそういう事にしておこうか。後から私から神官には話しておくからね」


お父様が私の耳元で小さく呟きましたわ。


え?えーー?これでもかなり力を抑えたのですわ!!それなのに??聖女様の力って大聖女様の何分の一なのですの!?と、いいますか、逆に大聖女様の力って......。

自分の力を怖いと感じたのは初めてですわ......。


「素晴らしいです!!素晴らしい!!」


神官様が大興奮で私の手を握りました。

流石に皆様の前なのでお父様は叩くことはしませんでしたけれどこめかみに青スジが出ていますわ。


「さあ、もういいだろう?次は神子様じゃないのか?」


お父様は神官様の耳元でそう言いましたわ。

すると神官様はビクッと肩を上げ私の手を放しましたの。そして耳を塞ぎプルプルしていますわ。

え?そんなにお父様と仲がよくないのですの?

確かにお父様の神官様に対する態度は明らかにって感じではありますけれど。


「さあ、アイラ、行こうか?」


お父様が私を見て微笑んだので皆様にカーテシーをしてから一緒にルカさんが待機している祭壇裏にある小さなお部屋へと移動しましたわ。


「アイラ!!凄かった!!凄く綺麗だったよ!!」


ルカさんが駆け寄って私を抱きしめましたわ。

グイッとお父様が私とルカさんを引き離します。


「あ、ごめんなさい。つい......」


ルカさんがお父様に謝っていますわ。

ふふふ。


「ルカさん、ありがとうございます。私も綺麗だと我ながら感動しましたわ。聖女様鑑定は素敵ですのね」


「いや、アイラは聖女様じゃなくて大聖女様......」


そう言いかけるルカさんのお口に私は両手をかざしニッコリ微笑みましたわ。


「聖女様ですわ。聖女様であっています」


と、圧をかけてしまいましたの。だってやっぱり大聖女様にはなりたくないのです。

いくらあの鑑定結果が大聖女様だったとしてもですわ。そこはどうにかして曲げてもらわなくては。お母様が泣いてしまいますもの。


「あ、あ〜。そうか。そうだ!聖女様だ。聖女様!」


ルカさんが言い直してくれました。

私もお父様もニッコリですわ。

そしてルカさんを神子様鑑定へと送り出したのですの。

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