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断罪された大聖女は死に戻り地味に生きていきたい  作者: 花音月雫
第二章

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封印が解けましたわ

「それと研究な」


「研究?何のです?」


「んー。お前になってもらいたいバルトカピ様の。お前、大聖女だろう?あ、大聖女候補か?本来なら悪魔に聖女の血を飲ませてちょいと呪文を唱えればいいんだが大聖女が媒体になる時はどうするのかとか俺なりに研究してるわけよ」


さっき頭に浮かんだ言葉のバルトカピって名前だったんだ!そして私は大聖女候補なの?


「そうですか。バルトカピだか何だか知らないですけどそんな事の為にこんな酷い事をしてきたわけですね?」


「バルトカピ様、な。様を付けろ。無礼者め。それにそんな事とは何だ?更に無礼だな」


は?

私は今までに無いくらい腹が立ってきた。人魚にされて泣きそうなマルタさん、その他キメラにされた子供達の無念の思い、色んな事が頭をよぎった。怒りと刹那さとが込み上げてくる。

そう思った瞬間に目の前が白くなった。


ガシャーーーン!!

大きな音で私は我に帰る。

気がつくと水槽が割れて大量の水が室内に溜まっている。私は慌てて周りを見渡すと人魚だった3人と海坊主だった2人が人間の姿に戻っていた。え?何で!?


くるぶしまである水の中、ルカさんが人間に戻って倒れている5人を壁に寄り掛からせている。

そうだ、このまま倒れていると窒息してしまう。


私もジャブジャブと走りルカさんを手伝った。そして女性のマルタさんに私のジャケットを羽織わせる。だって裸だもの。他の男の人はちょっと我慢してね。


「アミーが元に戻したんだよ?自覚ある?」


ルカさんが泣きそうな、驚いたような表情で私を見た。


「え?私?」


嘘だぁ〜!!


「はぁ~全く。怒りで俺の封印を解くなんてな。この2年で聖力量もかなり多くなってたみたいだから封印もギリギリのとこだったんだな~。ま、それでこそお前だな。やっぱり面白いわ。そしてお前がバルトカピ様になるに相応しいと改めて実感したわ~。次会う時までに美少女に戻ってろよ~。その顔、ちょっとキツいわ」


「え?封印が解けたの!?」


慌てる私。


「キメラ研究はもう飽きたから俺消えるわ。この岩山の爆破スイッチ入れとくから早く逃げた方がいいぞ~。それとここで働いてた奴ら捕まえようとしても無駄だからな。前の時みたいに頭吹っ飛ばしておくから。じゃ~な~」


男の人はそう言って消えた。

え?え?

爆破スイッチ!?

頭吹っ飛ばす!?


この岩山爆発するの!?じゃあこの人達も連れて逃げないと。2人じゃあ無理だよ〜!!

オロオロしていたらルカさんが私の手を握って言った。


「最後まで諦めるな」


「うん。分かった!」


そう返事をした時、突然に警告音が響く。これは爆破するぞってやつですか?


私は壁に寄りかかっている5人に問いかける。


「この中で自力で歩ける方はいますか?」


しーん。誰もいないのね?

絶望的!!

いや、そうだよね!!今まで何年間かは知らないけど下半身魚とタコだったんだもの。足の感覚とか忘れてたりするんじゃないだろうか?

私の馬鹿!!


「アイラ!やっと見つけた!」


部屋の扉が吹っ飛ばされルネさんとシャーロットさんが入ってきた。

やった!これで5人をどうにか......。


「ふぐっ!」


ホッとしたから?突然に息が苦しくなって私は倒れ込む。それをルカさんが抱き締めてくれた。


「ルネさん!この5人を移動魔法で安全な場所に移せるか?」


ルカさんは私を支えながらルネさんに向かって叫ぶ。


「お安いご用だ!しかしアイラの様子が!」


「大丈夫だ!まずこの5人を助けないとアミーが悲しむ!」


「そ、そうか?分かった!」


ルネさんが5人を移動させているような気がする。私は息が苦しくて頭がぼわっとしだした。


「あんたこの変態兄貴の扱いが上手くなったわね......それでアイラは大丈夫.....」


シャーロットさんが何か言っている。

耳も聞こえないような気がする。


「アミー、大丈夫だからな。えっと、後で好きなだけ殴っていいから」


え?何?なんて言ったの?

なんか唇に柔らかいモノが押し当てられた感じ?唇から何か入ってくる。

それは温かくて安心する......


ん?シャーロットさんが叫んでる?

あらら?ルネさんが何か言ってる?

私の意識はどんどん暗い穴に落ちて行くように途切れた。


「チビ!チビ!あーやっと繋がったな。お前封印破るの遅過ぎだ。阿保が!」


あら?アクア?


「アクアこそ、今何処に居るのですの?お兄様、ダリル様、シャーロットは私を探し出してくれましたが貴方は来てくれていませんわよね?」


「俺はな、あの男によって無理矢理チビと契約破棄させられたから発狂寸前だったんだよ!同じ世界に居たら確実に発狂するから違う次元に一旦飛んだ。そしたらそっちの世界に魔王が居るじゃねーか。って事で暫く魔王を監視する事にしたんだよ。違う次元からでもチビさえ力が復活すればこうやってコンタクトが取れるからな」


「そうでしたの......。でも魔王を監視する目的は何ですの?」


「馬鹿なのか?いや、相変わらず馬鹿だな」


久しぶりに話しているのに暴言を吐かれましたわ。


「それは魔王の弱みを掴んでチビを食わせないようにする為だろうがよ!」


「私を助ける為ですの?」


「......。チビ、お前12歳になったら少し色気出てきたな。その調子でいい女になれよ~。俺も何年か経ったらそっちに帰っても発狂しないからもう少しチビが大人になる頃帰るわ。じゃ~な~」


そう言うとアクアの姿が消えましたわ。


「アクア?アクアーー!!違うジゲンとは何ですのーーー!?もう少し説明しなさい!!」

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