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断罪された大聖女は死に戻り地味に生きていきたい  作者: 花音月雫
第一章

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3歳になりましたわ

ローズクォーツに仕込まれていた黒魔術はやはり私の聖力を封じ更に周りの人に私が化け物に見えるようにする術だったようですわ。私がお昼寝をしていた時にお父様とお母様がお話をしていたのを盗み聞き......いえ、聞こえてきたのですわ。


お母様は大方お怒りになってしまいました。


「私の宝物の可愛いアイラを化け物に見せようだなんて。何処のどいつ......いえ、誰の仕業なのかしら!!」


お父様もこめかみに青スジですの!!いつも穏やかな方なのにですわ!


「ああ、誰だか調べてそ奴らを血祭りに......いや、聖騎士裁判にかけてやろう!!」


ふふふ。似た物夫婦ですのね。


お母様はとりあえず持って来たオレット様に術が込められてたと説明し、何か心当たりは無いか?と訊いてしまったのですわ。するとオレット様はこちらでも調べてみると言って後日持ってきた情報がローズクォーツを薔薇の形に作った工房の職人が術を仕込んだ、というものだったようですわ。仕事の忙しさに頭がおかしくなり誰でもいいから不幸にしたかったと言ったと。


違いますわ!そう言いたかったのですが所詮私は赤子。本当の事を伝えられずいると工房の職人さんが自殺してしまったとオレット様がお母様に伝えに来ていましたの。これは確実にオレット様が殺しましたわよね?私は職人さんに大変申し訳なかったとかなり落ち込みましたわ。


この事でお母様は少しオレット様を警戒し始めたようです。それを察知してなのかオレット様は何もしてこなくなりましたの。


それから時が経ち私は3歳になりましたわ。


3歳になった私は乳母からマリルというメイドにお世話になる事になりました。前の人生と少し違うのですね。確かに私の行動も違うので私を取り巻く事柄も変化していくのでしょう。


前の人生では10歳になるまで乳母にずっとお世話になっていました。今世では何故乳母チェンジがあったのかしら?そういえば半年前頃からお母様と乳母が喧嘩?言い争い?をする様になっていましたわ。


いつも私が眠くて眠くてトロンとしている時に喧嘩をするものですから原因が分からずでしたわ。うーん。記憶の端にある言葉は確か......。


アイラの母親は私!とか。連れ出して何処に行くの?とか。そんな事考えていません!とか。じゃあこれは何?とかかしら?


それらの言葉からどうやら乳母が私を連れ去ろうとしていたようですわね?

私がウトウトしてる間に危機が迫っていたのですわね?まだ聖力を上手く使えないものですから自分の身も十分に守れないみたいですの。

きっとお母様は乳母を信頼していたのでしょう。ギリギリまで様子を見ようとしていたのですね。


前の人生ではあの化け物の様な姿に見えていたからこんな事にはならなかったのかしら?


確かに今世は使用人やお父様やお母様の知人、友人達から容姿について褒められる事は多いのですが自分では一般的な可愛さだと思っておりますのよ?そんな犯罪に結びつくような容姿では無いと思っていますのに。


お兄様に私訊ねましたわ。


「うーばーはどうなっちゃのでしゅか?」


あっ、上手く喋れていませんね。反省ですわ。


「あの女はね、遠くに行ったよ?お父様もお母様も甘いんだよね。この国から追放しただけで終わらせたの。それ駄目だよね?僕の可愛いアイラを連れ去ろうとしたんだよ?しかも日頃からベタベタとアイラを触りまくってさ。だから僕が後始末しといたから安心してね」


天使の様な笑顔で凄い事を暴露しているお兄様。

お兄様の将来が心配ですわ......。

それにしても私、そんなに乳母に触られていましたか?自分では気が付かなかったですわね。そこら辺は鈍いのかしら、私。


新しくお世話をしてくれるマリルはメイド長の娘さんなのです。メイド長はしっかりした方でお母様が心を許せる数少ないお人。その方の娘さんなら心配ないですわね!


「よろしくおねがいしまちゅ」


うっ、また口が回っていないですわ!お恥ずかしい!


「お嬢様にそんな可愛らしいご挨拶を頂いてしまったら失神してしまいます!こちらこそ宜しくお願いします!一生お守り致します」


お兄様といいマリルといい「一生」がお好きなのね。


「一生はいらないよ?アイラは僕が守るって決まってるから」


あっ、そうでした。これは家族立ち会いでの場でしたわ。もちろんお兄様もいらっしゃった。


「あら?そうでございましたか。失礼いたしました」


お兄様とマリルの間で火花のような物がバチバチと見えたのは気のせいでしょうか?


「さあ、アイラ?顔合わせも終わったし僕と遊ぼう?」


むむむ。お兄様の事は大好きですが2人で遊ぶと最近はあの手この手で何かをしようとしてくるのでそれを阻止しながらは少し疲れるのですの。


そう。3歳になる少し前からお兄様の溺愛攻撃が激しくなってきましたの。大事にしてもらってはいますけれど。7歳児にしては愛情深過ぎるのですわ。


「はい。おにいちゃま。きょうからは、まりるもいっしょで」


「え!?」


お兄様のお顔が一瞬、鬼?かと思いましたけれど一瞬でしたので私の気のせいですわね。


「良かった!アイラはマリルを気に入ってくれたんだな。これで安心だな?リリー」


お父様が嬉しそうにお母様に言っています。


「本当ね。マリル、アイラの事をよろしくね」


お母様の笑顔は女神のようですわ。


「はい!命に替えてもお守りいたしますのでご安心くださいませ!」


マリルが死んでしまうのは嫌ですのでそうならないように出来るだけ危険を回避して生きますわ。


今日はルース様がいらっしゃいました。

ルース様は毎週1回は私に会いに来てくれてますの。お兄様はあまり良いお顔をされないのですけれどお母様とお父様が許可をされているようですわ。


「るーすおにいさま。いらしちゃいです」


挨拶は大事ですわ。


「今日も可愛い俺のアイラ!これ!チョコレート持ってきたぞ!それと俺はお兄様じゃない。アイラの将来の伴侶だ。ルースと呼んでくれ。な?」


7歳にしてもう「俺」になっていましたわ。「僕」の可愛い期間が終わってしまいましたのね?

そしていつの間にか私はルース様と結婚する事となっているのですの?

前の人生でもずっと気遣ってそう言ってくれていましたね。今世でもお優しい。


「お前のアイラではない。僕だけのアイラだ!それにお前なんかにアイラはやらない!いや、誰にもやらないんだからな!!」


お兄様がもの凄い勢いで怒っています。

でもルース様は慣れっこなのでしょう。


「あ、そうだったな。うん。うん。アイラ、ほらどのチョコレートがいい?」


お兄様を軽くあしらって私にチョコレートを差し出しました。ルース様はもうお兄様より頭一つ身長が高くなっていまして7歳とは思えない体つきに成長しています。


「ルース!僕の話聞いてる!?」


「うん。半分くらい」


きぃぃぃぃ!!ってお兄様がなってしまってますわ。前の人生でもお2人の関係ってこんなんでしたでしょうか?ちょっと違うような感じがします。

お兄様の性格がまるっきり変わってしまったからかしら?

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