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断罪された大聖女は死に戻り地味に生きていきたい  作者: 花音月雫
第二章

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ダリル様ですわ

次の日からシャーロットさんが一緒に住む事になったので部屋へ案内する。宿からこちらに来たシャーロットさんは荷物が何も無い。


「?」


私の顔を見て説明してくれた。


「荷物無い!って思ってるでしょう?マジックバックよ。これ、これ」


そう言ってシャーロットさんが空中に指で丸を描くとそこがポカリと穴が空き手を入れて色々な物を出してきた。


「わぁ!これも魔力ですか?便利ですね!」


「王都では普通なんだけどこの島では出来る人がいないようね。この島の魔力は昔ながらのやつみたいだから」


「昔ながら?」


「ええ。ずっと閉鎖された様な環境でしょう?だから魔力も500年前ぐらいから進化していないみたいよ?本にはそう書いてあるわ」


魔力って進化するんだ。

シャーロットさんが荷物を次から次に出しまくったので部屋の中が物でいっぱいになった。


机には魔術に関する色んな資料や本が積まれている。本当に私の術を解いてくれる気なんだ。


「あ!!もしかしてこの島は進化を止めたから人魚とか海坊主とかが居るのかも!本当に居るのかも!」


ちょっと興奮してしまって声がうわずってしまった。


「あら?アイラが興奮するなんて珍しいわ。ここの海にはそんな生き物がいるの?じゃあ、山にはドラゴンとかフェニックスもいるんじゃないの?」


ははは。そうかもね。それよりも私は

あまり興奮とかしない子だったのか。


「私はどんな子でしたか?」


気になるじゃない?

訊きたくなるじゃない?


「アイラは口数は少なかったけど優しくて可愛くて正義感が強くてどんな状況でも冷静に判断できる頭の良い子だったわ。口数少ないって言っても今のアイラよりは喋ったわね」


くすくすと笑いながら私を見る。

シャーロットさんはやっぱり美人さんだ。


「そんな素晴らしい人なんですねアイラさんは」


「え?嫌だな。貴方の事なんだけど?」


「んー。でも実感わかないです」


「早く記憶だけでも取り戻さないと!ね?不安だものね」


シャーロットさんがジリジリ距離を詰めてくる。ちょっと怖い。


「おい。お茶にしないかってよ。キルジーさんが。そして変態女、今アミーに何しようとしてた?油断も隙もないな!」


ルカさんが突然にドアを開けて入って来た。驚くよ......。


「何で貴方が居るの?ここで働いてるわけではないのでしょう?暇なのかしら?」


ムッとして私の手を引っ張りながらャーロットさんは部屋から出て行く。その手を払い除けてルカさんが私の手を握った。


「アミーにベタベタ触るな。変態女」


「貴方こそアイラに触りすぎじゃない?アイラ、嫌ならハッキリ言った方がいいわよ?そうじゃないと図に乗るわよ、この男」


シャーロットさんが心底嫌な顔をした。


「えっと、ルカさんは大丈夫です。ずっと私の事を助けてくれてたので......」


言ってから恥ずかしくなってしまって顔が真っ赤だ。


「え!?」


シャーロットさんが更に嫌な顔をして低い声で驚く。美人さんなだけに迫力あるな〜。怖っ!


そんな事は何ともない感じでルカさんはふふん!と勝ち誇った顔をした後に私に向かってトロける様な微笑みをした。


3人で一階に降りるとキルジーさんが男の人と話している。まだルカさんと同じくらいに見えるその男の人はキルジーさん越しに私を見た。

はっ!私、スカーフしてない!

そう思い出して顔を隠した。


「アイラ嬢!アイラ嬢ですよね?私には分かるよ?やっと見つけた!」


キルジーさんを押しよけ私の隣に居たルカさんを突き飛ばし腕を伸ばしてくる。


その顔は凄く綺麗で優しそうで洗礼された美しい男の人だった。


「うわ!貴方も辿り着いちゃったのね。嫌だわ~。私のアイラに触らないでもらえるかしら?」


シャーロットさんが私の前にスッと出て来てその男の人を止めた。


「お前は......もしやお尋ね者のシャーロットか?絵とそっくりで直ぐに分かるな」


男の人が静かに言った。

お尋ね者って。シャーロットさんもしかしたらお母さんの仲間だと思われてるのか?


「避けてもらえるかな?私とアイラ嬢は婚約寸前の仲だったのだ。邪魔をしないでもらいたい」


え?は?婚約?

こんな綺麗な男の人と?私が?


「えー?全然そんなんではなかったじゃない。私ずっとアイラの事見守っていたから知ってるわよ?嘘は駄目だわ」


シャーロットさんの目がギラギラしてきた。怒ってる?


「はい、はい。また変なのが来ちまったね。とりあえず喧嘩はするんじゃないよ。お茶の時間だからね」


キルジーさんが私を保護する様に抱きしめてダイニングテーブルへと移動した。

皆んなもその後に続く。


「はい。まずはあんた、名前を名乗りなさい」


キルジーさんが男の人に言った。


「申し遅れました。私はダリル・コスナーといいます。アイラ嬢とは家族ぐるみのお付き合いでした」


そう言って私を見たダリルさんは天使の様な微笑みをした。

あ、なんか、ドキドキする。


「アイラ嬢の事をこの2年死に物狂いで探していました。事情はもうこちらの女性から聞いていますよね?何故アイラ嬢をこんな状況にした女の娘がここに居るのかが理解し難いのですが......」


ダリルさんはシャーロットさんをジロリと睨む。

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