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断罪された大聖女は死に戻り地味に生きていきたい  作者: 花音月雫
第二章

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私めげないですわ

私は声のする方に振り返る。

そこにはルカさんが立っていた。

ルカさんはこのレストランに魚を卸しているお店の息子さんで16歳の少年だ。


「人の見目をどーこー言う奴は最低だ。この子がお前に何かしたのか?水を持って来て注文を聞いただけだろう?それなのによくもあんな酷い事が言えるな!この子は誰よりも綺麗な心を持ってるんだ!これ以上罵倒したら俺が許さない!」


あ、い、いや、綺麗な心って。

恥ずかしいよ......。


「はい。はい。そこまでだよ。お客さん、酔いを冷ましてからまた来ておくれ」


キルジーさんがそう言いながらお客さんを引きずってドアから放り投げた。


「キルジーさん、ごめんなさい。お客さんと揉めてしまって......。どうしよう。私の姿を見たからもうお店に来てくれないかも......」


私が項垂れる。


「は?客と揉めてたのは俺だからな?アミーじゃないよ?」


ルカさんが優しく私の頭を撫でる。


「そうさ。アミーは何も悪くない。それにあんな客はこっちから願い下げだよ!悪かったね、あたしが野菜屋とずっと話してたからアミーがホールに出てくれたんだろう?」


「あ、はい......。話の途中で声をかけるのも、って思ってしまって。私の方が悪いです。最初からキルジーさんに声をかけていれば......」


「はい!じゃあどちらも悪いって事でこの件は終わりだね」


ルカさんがニコニコしながら私とキルジーさんの手を取り握手をさせられる。


「ルカさん、助けてくれてありがとうございました。私、どうしたらいいか分からなくて」


ルカさんは私の両手を握って微笑みました。私はルカさんの笑顔に弱い。

だってルカさんはとても綺麗な男性なのだ。男性に綺麗って言葉はおかしいだろうか?

でもその言葉が1番しっくりくる。


少し長い金髪を後ろで縛り瞳は銀色でキラキラしているので宝石みたいで綺麗な顔なのに男性的な色気もある。全身から漂うオーラは癒しだ。


こんな完璧な見目なのに性格も良い。

だからこの島の女性達からモテモテだ。


ルカさんは幼い頃に両親を亡くしていて母方のおじいさんに育てられている。

そのおじいさんが魚屋さんをしているのだ。おじいさんは漁師でもある。ルカさんも時々船に乗って漁に出るらしい。


そんなルカさんは何故か私にほぼ毎日会いに来る。理由は色々なのだが毎日だ。

こんな化け物に会いに来てくれるなんて物好きだなって思う。だけど嬉しい。

私には友達が居ないから。


時々、先程のお客さんの様に私の姿を見て色々言ってきたり酷い態度をとってくる島民もいる。

でも私にはキルジーさん、ダンさん、ルカさんがいるから大丈夫だ。めげたりしない!


「アミーを助けてくれて有難いが、ルカはどうしてこんな時間に訪ねて来たんだい?」


「あー。忘れてた!今日は10年に一度の流星群が見れるんだよ!アミーと一緒に見たくて誘いに来たんだ」


「え?流星群?」


私は綺麗な星空を想像してワクワクした。


「それは見応えあるだろうねぇ。アミー行っておいで。あっ、ちょっと待ってな」


そう言ってキルジーさんが厨房から温かいミルクティーが入った水筒と2人分のサンドイッチをナプキンに包んでバスケットに入れ持ってきた。


「これ2人で食べな。夕食まだだろう?」


ほれ。と私にバスケットを手渡す。


「「ありがとう!」」


ルカさんと私はハモってお礼を言った。

そしてルカさんがバスケットを持ってくれて星が見える丘に出発したのだ。


「わぁ!綺麗!」


「だろう?アミーに見せたかったんだ」


ルカさんがほにゃ~と笑う。

ルカさんは私と2人になるとふわふわ?ゆるゆる?なんて表現したらいいのか分からないが雰囲気が柔らかくなる。


「俺も6歳の時に見て感動したんだよね」


2人で草むらに座りキルジーさんが持たせてくれたサンドイッチを食べる。


「その頃は俺の両親もいて親父に連れて来てもらったんだ」


「そうですか」


私は頭に被っているスカーフがズレないようにしっかり顎の下で縛りサンドイッチを頬張る。


「俺の前ではスカーフ取りなよ。アミーの顔みたいしさ」


そう言いながらルカさんはスカーフをするりと取ってしまった。


「あ!駄目ですよ!こんな化け物みたいな顔!食欲無くなるでしょう?返して下さい」


私は取られたスカーフを取り返そうとするが全然駄目だ。


「食欲無くなったりしないよ?俺はアミーの全てが大好きなんだから。自分の事を化け物だなんて言ったら駄目だからな!」


うー。ルカさんはいつもそう言う。

私の事が好きだって。

慰めか気を遣ってくれているのだと思うけどつい嬉しくなってしまう。


「はい。分かりました......」


「分かればよろしい」


私の頭を撫でながらルカさんは優しく言った。


「10年後もさ、一緒にここで流星群見ような!もしかしたら何人か増えてるかもしれないけど......」


え?何て?最後の方が声が小さくなって聞き取れ無かった。


「今、何?」


「あ~。い、いや。気にしなくていいよ」


何故か照れてる様なルカさん。

ふふふ。なんか可愛いな。

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