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断罪された大聖女は死に戻り地味に生きていきたい  作者: 花音月雫
第一章

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再びエリアス様にお会いしましたわ

今日はお父様がお休みの日です。

私は王立図書館に行きたいとおねだりました。お父様は笑顔で了承して下さいましたわ。


お父様、私、アクア、マリルの4人で馬車に乗り込みます。


「アイラは大聖女様になる気はないのかな?アイラなら絶対になられると思うし、なる運命の様な気がするのだよ」


いつも大聖女様の話を出すとお母様に怒られてしまうので今がチャンスとばかりに話してきますわ。


「お父様?私は大聖女様どころか聖女様にもなりたくありません。普通の貴族として普通のお嫁さんになりたいのです」


「俺の?」


アクアの突っ込みにマリルが肘鉄を食らわし中ですわ。


「そ、そうなのかい?聖女様にもなりたくない?アイラなら立派に務められると思うけどな」


私はふふふと笑って誤魔化します。

お父様?私は地味に静かに生きて行きたいのですわ。


図書館に着いてお父様がアクアと少しお話があると言って一階の中央にあるカフェへと入って行きましたわ。アクアは面倒くさそうにしていましたが。


私はマリルと一緒に小説のコーナーに行きます。前の人生では小説なるモノを読んだことがなかったので今世では読んでみたいのですわ。

目的は今、貴族の間で流行っている恋愛小説です!


ふんふんと鼻歌まじりで探していると後ろに誰かの気配を感じます。


「アイラではなないか!」


嫌な声がします。今世で1番聞きたくない声ですわ。ギギギーと音がなりそうなぐらいゆっくりと体を回して振り返りました。

やはりクソ野郎です。


「アイラ、久しぶりだな。随分と大きくなって更に綺麗になっている」


「エリアス様、お久しぶりでございます」


私もカーテシーをして挨拶しましたわ。


「小説か?」


「はい」


「何か面白いものは見つけれたのか?」


「今、来たばかりでございます」


「そうか」


私は淡々とお答えしています。

13歳になったクソ野郎はどんどん私のトラウマの容姿に近づいています。

怖いですわ。


でも前の人生ではあまり記憶にないのですけれど今世ではこのままいくときっとダリル様が将来、宰相様になられこの人の側近になるのでしょうね。


旦那様が仕える人。そう考えると無下には出来ませんわ。だ・ん・な・さ・ま。

今、私なんと!?ダリル様が私の旦那様と!?うきゃぁぁぁぁぁぁぁ!!なんて想像していますの?

ダリル様に申し訳ないですわ!

こんな私が、私が、私がぁぁぁぁぁぁ!


思わず壁に額をバンバンぶつけながら照れ隠ししてしまいましたわ。

はっ!クソ野郎の前でした。

気持ち悪い奴と思って何処へ行ってくれないでしょうか?


「額に虫でもとまっていたかい?今度図書館の管理者に虫対策を強化するように言っておくよ」


......気持ち悪くないのですね。


とりあえず早く何処へ行って欲しいのでクソ野郎の目的の本を聞いて探してあげようと思いましたわ。

うん。良い考えです。


「エリアス様はどの様な本をお探しですか?」


「俺は......そのう、んと......」


言いづらそうですわね?

もしや、もしや、この年齢になってくるとそういった種類の本ですの!?

でも図書館にそんな本って置くのかしら?


「ゆ、夢占いの本......」


照れている小さな声が聞こえてきましたわ。

ん?夢占いとおっしゃいましたか?


「夢占いですか?」


「ああ、そうだ」


「何か気になる夢でも見るのですか?」


「......聞いてくれるか?その夢は幼い頃から見るのだが」


嫌ですわ。聞きたくありませんが勝手に話出しましたわね?その辺の性格は前の人生の時と全然変わっていませんね!


「俺の目の前にはこの世の物とは思えない不細工な女性がいるのだ。殆ど化け物に近い。その女性は俺の婚約者らしいのだが」


ドキ!


「その女性はいつも下を向いていて話す時もボソボソ何を言っているのか聞き取れないぐらい小さな声なのだ」


私、変な汗が出てきましたわ。


「最初はこんな姿の女性が俺の婚約者だなんて、と落ち込んだのだが彼女は見た目とは違ってとても優しい人だったのだ」


え?


「失敗した侍女を怒りもせずに手伝ったり、幼い子を可愛がり、動物にも優しかった。だがその容姿のせいで優しさを受けていた者達からも嫌われていた。とても不敏であった」


「あのう......とてもハッキリとした夢ですのね?」


「ああ、幼い頃から毎日のように見ているからな。ハッキリと覚えてしまっている」


はぁ、左様でございますか。


「夢の中で俺は彼女に辛くあたってしまうのだ。彼女の優しさに気付いていながら見た目で判断してしまう。次に会った時は優しくしてあげたいと何度も思うのに会うとイライラしてしまう。自分の感情ではないまるで何かに支配されているように」


間違いないです。支配されていましたわ。シャーロットに。


「夢から覚めていつも後悔するのだ。優しくしてあげたかったと。彼女は素晴らしい人なのに申し訳ないと思ってしまう。夢なのにな。それで何か意味がある夢なのか知りたくて本を探しに来たのだ」


「そうでしたのですね。夢関係の本は2階ではなく3階の奥にありますわ」


「そうか。ありがとう」


「はい」


クソ野郎がじっと私を見ます。


「その夢の女性と似ても似つかないのに何故だかアイラと重なるのだ。話し方が似ているのだな、きっと。今日は時間が無いが近いうちにお茶に招いても良いか?ゆっくり話してみたい」


「はい。楽しみにお待ちしております」


クソ野郎は満面の笑みをして3階へと向かって行きましたわ。


そうですか。夢にまで見るのですね。天使め魔王の記憶操作だけでなくこちらもしっかりして欲しかったです。


でも、そう思っていて下さったのですね。あの様な化け物でもきちんと行動を見ていて下さった。

夢に見るぐらい後悔されている。

......確かに操られていたので彼の意思で私に辛くあたったり断罪したわけではないのですけれど、でも私にしてみたらかなりのトラウマですの。


でも、でも、クソ野郎からエリアス様に呼び名を変えてあげてもいいかもしれませんね。

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