アトラシア第7章 ウルクの街にて
過去と未来を繋ぐ縁が、少年をウルクへ導く。
第7章:ウルクの街にて
灰色の石畳を踏みしめ、ソウタはウルクの門をくぐった。
高くそびえる城壁の内側には、律と秩序の気配が満ちていた。
規則正しく並ぶ建築、行き交う律官、そして壁に刻まれた戒律の文。
「……ここが、ウルク」
ケイノから渡された装備と金袋を握りしめながら、ソウタは街の空気に呑まれそうになっていた。
宿を探し、簡素な屋根裏部屋を一泊分の金で借りると、ようやく落ち着くことができた。
翌日、ソウタは街の職業掲示板に向かった。
理術士の助手、焔匠の火室掃除、律官補佐、配送係……
「……理術の工房、か。試してみる価値はあるかもな」
彼は理術工房の門を叩いた。
現れたのは、白髪混じりの中年の男だった。
「見ない顔だな。何の用だ?」
「理術士見習いとして、手伝わせてほしいんです」
男は眉をひそめたが、ケイノの名前を出すと、態度が変わった。
「ケイノの紹介か……厄介な奴の縁者が来たもんだな。まぁいい、明日から来い」
こうして、ソウタはウルクでの生活を始めることとなった。
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