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〜再び現れた名前〜

 パンに与えられた使命とは?

そしてカテリーニで起こった真実とは?


【固定】

始めまして、三軒長屋サンゲンナガヤ 与太郎ヨタロウです。

ゆっくりと物語の中の世界を、楽しんで頂けると幸いです。

後書きに名称一覧がありますので、ご活用下さい。


 パンの指摘は図星ではあったのだが、それとカテリーニに起こった悲劇にどんな関係があるのか、マイクとヤニスには未だ分からなかった。


「ルカは確かにいつもと違う様子ではあったが、それが何だと言うのだ?」


マイクは答えを急いだ。


「思い当たる節があるのなら、十中八九それは……、天界の神の仕業だな。

おそらくそのルカと言う奴は、操られていたのさ」


パンの出した答えに、マイクは納得しなかった。


「神がルカを操っていたとして、それが何だ?

仮にそれが事実だとしても、我々を町の外に出るよう仕向けるなど、随分と遠回しに感じるが」


「神が乗っ取ったと言えど、神の“力”を発揮出来るわけではない。

寧ろあまり長引くと、乗っ取られた人間の身体が保たない。

更には、強き心に入り込む事も容易ではない。

即ち、あの町にお前達が居る事が、“神の仕事”の邪魔だったのさ」


マイクとヤニスは顔を見合わせ、ネオはそんな二人を見つめた。


「しかしカテリーニには、他にも手練れの狩人達がいたし、それに、俺の犬達もそこら辺の犬とは訳が違うぞ?」


マイクはパンの出す答えが間違っている事を願いながら、続けざまに質問をぶつけた。


「人類に於いて多少手練れの戦士や狩人など、神の前では意味を為さない。

もし仮に操る事が出来ずとも、心を揺らして気絶させる事ぐらいなら容易だ」


マイクの願いは、簡単に否定された。


顔を曇らせて行くマイクの代わりに、今度はヤニスが問うた。


「それで、その神の仕事ってのは何だ?

お前の言い方だと、皆まだ死んではいない様に感じるが?」


「神の狙いは定かではない。

そもそも誰の仕業なのかは俺にも分からん。

心当りくらいはあるがな……。

どうやらお前達は忘れているようだが、そもそも俺様は天界の神の一部であり、ヘルメスの使いだぞ?

今回も“ある指令”が下ったから、今此処に居る」


「その指令とは何だ?」


ヤニスは即座に訪ねた。


「何てことはない。

〝カテリーニの森にて、現れる者たちの相手をしていろ〟と言われただけだ」


「やはり、お前が絡んでいるのではないか!」


マイクは再び剣を握り、パンに斬りかかろうとしたが、ヤニスの左腕がそれを抑えた。


「全く、何て短気な奴だい。

連れに感謝するんだな。

俺は確かにヘルメスの使いではあるが、命令に素直に従うほど出来ちゃいない。

窮屈な天界から出られるってんで、従ったまでさ。

良く分からん指令ではあったが、今となっては〝アグノスとお前達を足止めしろ〟って意味だったのだろう。

だが、それはあくまで結果論だ。

俺はただお前達と酒を呑み、またお前達もただ、俺と酒を呑んでいた結果に過ぎない」


マイクはやり場のない怒りに似た感情を、右の手の平で握り潰した。


「お前の憶測で良い。

その神は誰で、狙いは何だ?

そもそもカテリーニの人達は今どうなっている?」


ヤニスは少しでも情報を手に入れようと、出来るだけ冷静に核心的な質問をした。


「さっきも言ったが、狙いは俺様にも分からん。

町の人間達は、操り連れ出され、何処かで保管されているだろう。

おおよそ人質的な意味合いだろうな。

そしてこんなに回りくどい、まるで人間じみた事をする神は、一人くらいしか思い付かないし、それが正解なら……、狙いはお前達かも知れないな」


パンはヤニス、そしてマイクを順に見つめた。


そしてネオにもチラリと視線を向け、直ぐに下げると、手元の果実酒を一口煽った。


パンがグラスを置くと同時に、その名前は紡ぎ出された。


「俺の読みが正しければ、今回カテリーニに“何か”をした首謀者は、恐らくヘラクレスだろう。

元人間の戦士であり、お前達の大先輩だよ」


マイクとヤニスはまたしても顔を合わせ、同じくネオも、そんな二人を見つめた。


 ここにネオが居るのは、偶然なのでしょうか。

はてさて、はたして。

あとヤニスの左腕の腕力は、ゴリラくらいだと思って下さい。


【固定】

お読み頂きありがとうございました。 

評価やブックマークして頂けますと励みになります。

是非続きもお楽しみ下さい。


登場する名称一覧

 【キャラクター】

・カロス(ケンタウルス)

・エーレ(神の器?)

・ヤニス(エーレの父に返り咲いた男)

・マイク(伝説の英雄)

・レナ(ケンタウルスの女戦士)

・ターレス(ケンタウルスの族長)

・ソフィア(ケンタウルスの少女)

・アグノス(ケンタウルスの若い戦士)

・ルカ(マイクの息子)

・ネオ(若い狩人)

・ミト(老いた狩人)

・ケイロン(ケンタウルスの英雄?)

・レア(大地の女神、レナの師)

・アキレウス(昔の英雄)

・アルカイオス(昔の英雄、後のヘラクレス)

・ヘラクレス(英雄の神、元アルカイオス)

・ネッソス(レナの父)

・アイネ(レナの母)

・ヘルメス(天界の死神)

・ヘルメスの使者(元ニンフの魂)

・タナトス(冥界の死神)

・狭間の獣(タナトスの下僕)

・ニンフ(精霊の総称)

・サテュロス(笛を吹く半人半獣)

・パン(ニンフ殺し、ヘルメスの使い)


【場所・他】

・ミリア(エーレが住む山奥の町)

・カテリーニ(マイクが住む海の近くの町)

・パライオ(山の入口の町)

・レアの泉(女神の泉)

・ピエリア(ミリアから山を超えた先)

・モスコホリ(ミリアの隣町)

・ヘスティア(ケンタウルス達が集う場所)

・スパルタ(ヤニスやマイクが属した勢力)

・アテネ(スパルタの敵対勢力)

・天界(天空の世界)

・冥界(地底の世界)

・禁則の地(天界と繋がる場所)

・イボヴォリ(ケンタウルスの園にそびえる大樹)

・ヒドラ(九つの首を持つ毒蛇)

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