あの子は…
私は保健室にいた
保健室の先生が声をかけてきていた。
「大丈夫?」
「ところで、今、何時ですか?」
「え…?5時間目の授業中よ」
私は、思い出した。平山がおもらしをしてそこで気を失ったということを。
「平山、、、同じクラスで保健室に来た女の子はどうなりましたか??」
「え?なんのこと?そんな子は来てないよ。」
そんなはずはない。私はこの目で彼女がおもらししたのを見たんだ。
私はふと自分の服を見ると、制服を着ていなかった。デカデカと「保険室」と書かれた半袖体操服とヨタヨタの青いハーフパンツを着ていた。
「なんで、私、体操服来てるんですか?もしかして…」
保健室の先生はばつが悪いような顔をして、言いにくいことを言うような雰囲気であった。
「動揺しないでほしいんだけど…、貴方は授業中におもらししたのよ、、おもらし、、は、誰でもあることだから、、気にしないでね、、」
私は信じられなかった。私がおもらしなんて。平山はどうしたの??
保健室の先生の早退の勧めと静止を振り切り、次の授業からクラスに戻った。
クラスに入ると、あれだけ騒がしかった喧騒が静かになった。私の席の周りだけピカピカに光っていた。隣りにいたはずの平山がいないことに気がついた。私は相変わらず一人席だった。
一人で次の授業の準備をしていると、クラスの中心格の中村夏菜子が話しかけてきた。
「鈴木さん…よね?気にしないでいいからね。良かったら、一緒に私達と帰らない?」