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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

交差点 天神様の細道

作者: つみき

「ピーポーピーポーピーポー」


 救急車のサイレンが聞こえる。どんどん音が近づいて来る。あ、止まった。どうやらまたあの交差点で事故があったようだ。


 事故があった交差点は事故の名所。おかげて心霊スポットとなっている。


 私は昼休みになり、仕事場から離れ花屋に向かう。


「みっちゃん。いらしゃい。コレね」


「おばさん。ありがとう」


 白い蘭を一輪買う。その足で事故現場へ向かう。通りがかりに事故にあった人の噂話が聴こえて来た。全うな生き方をして来た人物ではないようだ。


 事故現場で花を捧げ冥福を祈る。 違う。 いつものようにその場を後にする。


 噂通り。ろくな人ではなかった。30代細身の男。女性に金を貢がせ、薬を売り。事故ではなく抗争か何か絡みで殺されたぽい。自業自得だ。



 一週間後再びあの交差点で事故だ。ちょっと事故のスパンが早い。いつものように冥福を祈る。 違う。


 この人は可哀想だ。20代女性。結婚詐欺に会い騙されお金を失くし人の信用まで失なった。泣けてくる。是非に天国で幸せになって欲しいものだ。少しだ幸せになれる取りはからいをした。


 事故から暫くすると、テレビ局やYouTuberが最強心霊スポットとして交差点へやってくる。

 霊能者を名乗る物は『ここは危険。強すぎます。私では太刀打ち出来ない』と言い逃げる。YouTuberは『何も起きないです。困りました。あはは。登録制宜しく!』どうでも良い感じだ。

 ハッキリ言ってうざい。確かに死人は多発しているが地縛霊などいない。皆、成仏している。霊的な物が丸っきりないと言えば嘘になるのだが。


 数ヶ月たったある日、またあの交差点で死亡事故があった。30代。男性。事故に会いそうになった高校生カップルを助けたらしい。いつものように冥福を祈る。 当たりだ。


「開け天神様の細道!」


 私の前に車にひかれたはずの男性がぼーせんと立っている。私は彼にこう告げる。


「私は神。貴方はまだ死ぬ予定ではなかったの。こちらの手違いてごめんなさい」


 手違いなどではない。異世界を変える人材を探していたのだ。彼はどんな反応をする?様子を伺うと、ガッツポーズをして反応が良い。夢にみた異世界転生だと喜んでいる。


 特典サービスしないとね。これから死に物狂いで働いて貰うのだから。


 神の炎魔法が欲しい。その程度かまわないわ。


 これであの交差点の役目は修了。今まで関係なかった人達ごめんなさいね。



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