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カーラ・シモネット-08

 けど、もう明らかにこっちは汎用人型決戦兵器でも持ち出さないと勝て無さそうなビジュアルしてるミライガを、オレとカーラさんで倒せるんだろうか。



『あのさメイド、例えばアルゴーラには彩斗とかいるんだけど協力をお願いしたりって』


『現在クエストを発生させた段階でお二人の参加で決定されているので無理です!』


『チクショウやったらぁっ!!』



 若干ヤケになりつつも、オレとカーラさんが隣り合って、空を仰ぎ見る。


しかし、本当にデカい。数年前に話題となったシンの方は観たけど、あれよりは小さいか位だ。



『カーラさん、援護お願いしますっ』


「可食部は通常のミライガと変わりませんねしかし大きさが大きさですしかなり成熟しきってしまっていて筋張って美味しくない可能性もありますがその辺りの肉質は通常の個体と同等なのでしょうか依頼では『絶対に美味い』とありましたし何か秘密があるのかもしれませんね」


『カーラさん!?』


「え、オー! ゴメンなさいリッカ、ナンですか?」


『援・護!! 今可食部とか考えてる暇無いです!』


「ソ、ソーデスね! ゴメンナサーイッ」



 だが、カーラさんには悪いけど、現状オレもどう対処していいものかわからない。通常ミライガと比較すると、約四十倍デカくなっている奴を、どの様に倒せばいいのかが思いつかない。



『あ、ちなみにお気付きかもしれませんけどモンスターの体力やステータスは肉体の大きさにより変動しますので、単純にあのミライガは通常ミライガの四十倍ステータス高いと思ってください』


『コレ攻略無理じゃね!?』


「リッカ! サイキョーゲーマーがナニをヨワキな!」



 そういう攻略はマリアが得意分野なのにいざマリアがいたとしても参加すら不可能だという。


グッと顎を引き、無い覚悟を無理やり決めて、突撃する。


地面を強く蹴って跳び上がり、その腹部に全力の一撃を叩き込むも、しかしよろける事も無く腹圧が押し返してくる感覚。


そして、それによってオレを敵と判断したか、ギョロリと睨んできた瞬間、その腕を振るっただけで発生する風圧がオレを吹き飛ばす。


数十メートル程吹っ飛ばされたオレが、何とか衝撃を受け止めて着地し、灼熱のアイコンをリングへとかざす。



〈Progressive・Up〉


『プログレッシブ・アップ――!』



 白の装甲を覆う様に展開される灼熱のアイコン。


全身が赤一色となったオレは、全身から噴き出される噴射剤を見据えた後、再び駆ける。



「リッカ! エンゴしマースっ!」



 先ほどの風圧を防ぐ手段として、カーラさんがバリアマウントを展開、そして続けてスティックから黒い靄のような物を放出し、巨大なミライガ……シン・ミライガとでも言おうか。シン・ミライガに直撃する。


その巨大な足に向けて放った炎をまとう蹴り。それを受けて若干動きを止めた所から推察すると、先ほどカーラさんが放ったのは敵の防御を下げるデバフ系の筈だ。



『カーラさんバフ系の技あります!?』


「ゴメンなさーいっ! ワタシデバフしかナイでーすっ!」


『スティックって使用武器で使える魔法異なるもんなぁ……っ!』



 しかもカーラさんは現状アルゴーラから出た事が無い。装備品は他メンバーよりも火力もサポート性能も下がるのは仕方ない。


けど、泣き言を言ってられない。今脚部を動かしたシン・ミライガから逃れるように横っ飛びし、跳ぶ。


 ミライガの腕部に足を付け、そのままミライガの顔面まで跳び上がって、右脚部を振り込んだ可能な限り最高の一撃を、蹴り込む。


だが、それも僅かに顔の方向を変えさせただけに留まる。攻撃が効いているのかを実感する事も出来ず、その大きく開かれた口に食われる!?


 と思った瞬間、シン・ミライガの頭上に現れる雷雲。それが電流を流すと、シン・ミライガが動きを止めた。その間に地面へ落ちて、食われる事を回避した瞬間、ふと気づく。



『メイド、答えられたらで構わないけど、もしかしてミライガって魔法防御低い?』


『ささささぁ? なななななな何を言ってるのかわわわわわわかりかねますねねねねぇ』


『低いんだな了解!』



 答えは期待してなかったんだけど分かりやすいなぁオイ!


 とは言え、現状は装備品も整っていないカーラさんを前面に展開するわけにもいかない。なら――



『プログレッシブ・アップ!』



 技術のアイコンをかざす。



〈Progressive・Up〉



展開される、青色の装甲。それが赤の装甲と代わり、噴射剤が舞う。



〈Progressive Attack Technic.〉



 それは、装甲の至る場所に展開されたスラスターが印象強い装備だ。


技術のアイコンによって変身したプログレッシブ・テクニックは、出せる火力としては駿足と灼熱の間程度で、スピードも駿足よりは劣る、器用貧乏なフォームではある。


しかし、大量に配置されたスラスターによる姿勢制御がしやすい利点があるので、ちょこまかと動くには最適なフォームだ。

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