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フル・ダイブ・プログレッシブ~元最強ゲーマーのオレが挑む、命を助ける為のデスゲーム~  作者: 音無ミュウト
第八章

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カーラ・シモネット-04

「さて――ヨーやくアシタはテーキュービですネ!」



 全ての客も帰り終え、本日の売上計上を記帳するカーラさんと、皿洗いを行うオレ。



「明日は何かするんですか?」


「ンー、アサッテのジュンビはスデにシーレジュンビもしてマスし、ワタシもソロソロリングをテにイレるべきデスかねー?」



 そう、カーラさんは未だにリングを手に入れる事が出来ていない。ツクモとエリは既に取得しているが、彼女は余りに店が忙しすぎたのだ。



「ンー、でもガスラサバクからアルゴーラ、ケッコートーイデスよね?」


「そこなんですよね。二日休み取れるとか、一日バイトに任せるとか出来ないと、日帰りで帰ってくるのは中々に骨が折れるんですよ」



 まぁ今から向かって深夜に農村へ着き一泊して帰ってくる頃には明日の朝、という手も取れなくはないけれど、それでもカーラさんは日頃から疲労が溜まっている。



「でも、今のところリングの取得率はカーラさんを除けばオレ達は全員取ってますし、攻略組の何人かも取得してるって事なんで、無理して取得する必要は無いですよ」


「ソーデスか? なら――あ」



 そうして話していると、カーラさんが突如思い出したようにコクーンに触れ、自分に与えられた任務クエストのページを表示し、それをオレへ見せてくれる。



「コレ、もしリッカがヨカッたら、テツだってクレませんカ?」


「えっと……モンスター討伐依頼ですか」



 モンスターはミライガだけど……何だコレ。



『任務クエスト:ヤバいミライガ出現!? アイツは美味いのか!?


 達成内容:アルゴーラ森林地帯に生息するミライガ異常種の討伐。


報酬内容:一万マネー+特別報酬』



「何です? コレ」


「ンー、ワタシもショクザイをシーレしてるトキ、トンヤのオジサンから『ヤバいミライガがいるんだけど、アイツの肉は絶対に美味い!』ってリキセツしてマシタので、タブンショクザイがゲットできるカンジのクエストなんだとオモいまーす」



 異常種っていうのが何なのかがわからないけど、例えば有名なゲームで言うと色違いとか、希少種みたいな存在なのだろうか、と想像する事は出来るけど、全貌が見えてこない。


それに、ミライガ討伐クエストにしては、報酬金が高い様な気もする。アイツ一体倒すごとに五百マネーしか手に入らないのに。



「多分これ、この森林地帯に近づくと自動的に発生するクエストっぽいですね。どうせなら、今から行っちゃいますか?」


「でもリッカ、ツカれてませんカ?」



 提案したオレの心配をしてくれるカーラさん。どっちかと言うとカーラさんの方が疲れてそうなのだが。



「異常種ってのが何なのかわからないですけど、ミライガですし二人なら何とかなるんじゃないですか?」



 それに、あまり戦闘方面で最近参加できていないカーラさんがやるのならば、いきなりリング取得ではなくこう言った簡単なモンスターからやっていくべきだろう、とは言わなかった。



「ン、そうデスネ! じゃあ、ソービとかモッてキマスので、リッカもジュンビをおネガイしまーすっ!」


「はい」



 とは言っても、オレはリングだけだし指に付けている。だから正直待っているだけなんだけど。


カーラさんは一度宿屋まで向かっていく。


暇な時間をただボーっとして過ごすのも何だから、ちょっとだけ街をブラブラとしていると……。



「おや」


「あ」


「どうも」



 何と、彩斗とミサトさんの二人と遭遇した。


しかも、普段彩斗は顔が見えないようにしているのに、今日は鎧も外して随分とラフな格好で、しかも手を繋いでいる所を目撃するとは思わなかった。



「やぁリッカ、奇遇だね」


「いやオレがこっちを拠点にしてるのは知ってるだろ?」


「そうだねぇ。君も今日はオフかい?」


「いや、カーラさんの手伝い。二人は?」


「デート」


「デートです」


「あ、デートですか。……え、デート?」


「うん」


「デートです」



 二人はまるで「何当たり前の事聞いているのだ」と言わんばかりに、当然みたいな表情で堂々と言い切りやがった。


 正直デートなんて先輩としたあのFDP事件の事しか思い出せないし、アレをデートだと思ってるのは恐らくオレだけだ。



「リッカもこれからカーラさんとデートすればいい。……おや? そうなると君はマリアとリリナ、そしてカーラさんも含めた四角関係か。面白い事になるなぁ」


「茶化さないでくれよ。あれから別に二人と恋人っぽい事した覚えないぞ?」


「まぁ、リッカさんはあの時巻き込まれる形でしたからね。どこかのクソッタレ超絶ドアホが仕組んだ事のせいで」


「あはは。ミサトは時々辛辣になるなぁ。まぁ、あの時に出た称号からすると、三人以上の異性とお付き合いする称号はひとまず無さそうだしね。手を出しすぎるのも良くはなかろう」


「そもそもオレあの二人にまだ手を出して無いんだけど」


「おやぁ? まだ、という事は今後手を出す機会があるかもと!?」


「言葉尻を捕らえるのをやめてくれ」


「申し訳ありません。彩斗は今お酒が入っているので、少々何時ものウザさの二割増しなのです」


「これで二割なのか……」

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