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攻略組-10

「ふひひ、それ、あるかもしれない……」


「本当かい? エリ、もう少ししっかり教えて欲しいな。オレに、分かりやすく教えてごらん」


「ドンペリ入りまーすぅうう!」


「ぶひっ、さ、最近罵られてばっかだったから王子様口調いい……っ!」


「失礼しゃーすっ! カボチャの煮物お持ちしやしたふぅーぅ!!」


「いや、最近バーチャルアイドル流行ってるでしょ? だから、そういう要素も、入れてる可能性、あるなぁって……」


「チィイイッスゥッ! ボク新人のフェリアでぇええすぅ!!」


「エリさん! オレらの店来て下さってあざっすぅ!」


「ふぅっ! リッカ君に加えてゲーム内のありとあらゆるイケメンが今私の手の中ぁ!!」



 アルゴーラの街に戻った後、オレ達は何があったか報告する為にカーラさんとツクモに事を説明した後、エリを探した。


しかし彼女がいた場所は――何でゲームに実装してるかわからんが、ホストクラブにいた。


ホストは全身黒のこじゃれたスーツを着込んでいる人やエルフ種、そして体毛溢れる獣人種もおり、色んなニーズにお応えしているのだろう事は分かる。


尚エリは「イケメンに人種の違いはない……っ」と力説しており、彼女の席には各人種のイケメンが大量にいた。



「あ……ちなみにホストクラブに出入りして得られる称号、三つくらい取得した……ふひっ」



 思わぬ称号もあったらしい。ホント何考えて設計したんだ雄一さん。



「は、話戻すと……試してみる価値、あるかもね……ライブに関わらず、元々街にある施設を、使う系の称号、あるかもだし……っ」


「所で、お金は大丈夫なのかい?」


「ふひひひ、大丈夫、ミライガハメ戦法発見して、リッカ君が帰ってくるまでに六十体討伐した上にドロップしたアイコンでダブった奴売りまくったらメチャクチャお金溜まった……っ」


「ミライガハメ戦法?」


「ふひっ! クラフト系やりまくってると、システム作るのはもう常考。今度見せてあげる……っ」


「それ、オレのリングでも出来そうかい?」


「あ、無理。マジックガンじゃなきゃダメ……ふひひひっ」



 今はドンペリ飲みながらハイになっているエリ。しかし彼女がそこまで効率的な攻略法を生み出してるとは思わなかった。



「あ、ちなみにアイコンの事なんだけれど、どんなのがドロップしたんだい?」


「ふひ、俊敏のアイコンだけ……まぁミライガって初期モンスターだもんね……そんなもんだよ……」



 つまりオレがミライガを狩りまくっても、現状は俊敏のアイコンだけしか手に入らないって事か……。



「お兄さんマジでエリさん墜とすの上手いっすねぇ! ウチで一回働きませんかふぅーぅ!!」



 帰り際にホストへの勧誘を受け、任務クエストが受注可能になった。



『任務クエスト:ホスト一日勤務


 達成内容:八時間労働


報酬内容:15万マネー+歩合制』



「うーん……」



 正直ホストには興味がないけれど、でもクエストを受注すればそれが称号になる可能性はあるし、報酬欄見ると『報酬内容:15万マネー+歩合制』はちょっと考えてしまう。



「…………興味があったらまた来ます」


「ウイィィッスッ! オレらマジお兄さんお待ちしてますんでよろざっすふぅうっ!」


「あ、最後に……エリが飲んでるのって、アルコールですか?」


「そっすよ! あ、未成年者にはジュースしかお出ししないんでご安心下さい」



 最後だけやけに真面目になった事に驚きつつ、退店する。



尚、この後エリが「ごめんなさいお金ちょっとだけ足りないので貸してください……」となったのだが、それは後の話である。



**



翌日。


カーラさんがお店開いてました。



「じゃあ、オレはガルファ卵のカルボナーラで」


「アタシはミライガの手羽先にしよっかなぁ」


「あ、私は、ブルーチェリーのタルトを」


「自分はブルルクのステーキで」


「……水で……」


「オーッ! エリはキョウオゴリにしてアゲマースッ!」



 アルゴーラの市場から少しだけ離れた家を改築した形で建てられたこじゃれたカフェの様な店内。


朝食代わりに開店記念として来店したオレ達を出迎えたカーラさんは、まだお客の入っていないお店でオレ達に料理を振舞ってくれた。



「キノウ、リッカたちがデていってから、イロイロショクザイをギンミしてたら、オモいついたデースッ!」


「思いついたら即実行。これ大事っすわぁ」



 どうやらFDPにはユーザーが店を出すシステムがあるそうで、問屋とやり取りさえ出来れば装備屋とかも出す事が可能らしい。



『その辺はアタシが説明しますですねーっ!』


「ツクモ、これは何・メイド?」


「カンド・メイドさんっすわぁ。語尾に『ですねーっ!』が付くのが特徴ですわぁ」


『ご紹介ありがとうございますですねーっ!』



 ゴホンですねーっ! と咳払い (?)した後、メイドさんが説明を開始する。



『えー、出店システムは大雑把に言うとそのままで、ユーザーが任意のお店を出店できるシステムですねーっ!


 我々メイドが銀行としての役割を持ってますので、事業計画さえ提出してくれれば、審査の後に経営資金のローン援助も行いますですねーっ! 勿論ローン無しに現金ニコニコ一括払いも可能ですねーっ!』



このメイドたち、銀行代わりにもなるのか……。

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