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チュートリアル-06

『では次に生活についてです。プレイヤーの皆さまは、ぶっちゃけてしまうと「一度もクエストに出ずにこの街で生活を謳歌」しても構いませーん!』


「ホントにぶっちゃけたわね」


「デモデモ、それダト、おカネ! タりなくなりマース!」


「み、貢いでもらう……ふひひ、ウチには良質な女が二人、男の子が一人……っ!」


『ぶっちゃけそれも一つの手でーす!』


「マジでぶっちゃけてるわねコイツ!?」


「というかエリ、貢がれる女二人と男の子一人って、エリ本人含んでるか?」


「いやぁ、良質の男とか、テレるっすわぁ」


「ツ、ツクモさんは入れてねぇし……って、ていうかエリ……っ!? やば、呼び捨てキュンとくる……っ」


『脱線しそうなので戻す前にー、ユーザー間のゲームマネーはいくらでも受け渡し等のやり取り可能でーす! でも、ユーザー間やり取りも記録に残りますので、何かトラブルの場合はアタシ達が独裁裁判しますので、悪しからず~!』



 ゲームキャラが独裁宣言するってホントこのゲームどういう設計なんだよ雄一さん。



『そしてお金の稼ぎ方ですが、先ほどの任務クエストにはモンスターの討伐意外にも「店のアルバイトをやって欲しい」や「料理を作って欲しい」等がありますから、そう言った任務クエストをこなしてお金を稼ぐ方法もありますし、何であればクエスト以外にもアルバイトが常設されているお店もありますので、そうして稼いでも問題はありませーん! ちなみに税金は現在、プログレッシブ内の街村では法律上存在しませんので、ジャンジャン稼いでも大丈夫ですよー!』



 ここまで世界観作り込んだのに税金とかを設定するのは面倒だったのか? それともその辺をリアルにしてしまうとゲーム感が薄れるからっていう理由はありそうだな。



『続いて、基礎的な街村の知識でーす! 集落などにはありませんが、街村には基本、以下の施設が存在していまーす!


 それは【装備屋】、【アイテム屋】、【クエスト受付事務所】、【宿屋】、【教会】でーす!


装備屋はその街村で取り扱う武器や防具を販売しています。


アイテム屋も、アイテムを販売する場所ですねー。


クエスト受付事務所は、先ほどの通常クエストを受け付けている事務所なので、任務クエスト以外はこちらへお願いしまーす!


宿屋は、通常の宿泊施設でーす! でも、ぼったくり価格の宿屋などもありますので、お気をつけてー!


最後に教会ですが、所謂状態異常と呼ばれるステータス異常を回復してくれる効果もありますが、お布施必須なので悪しからずー!』



この辺は普通のRPGとかと一緒だな。病院ではなく教会で状態異常を直すのは、昔から若干違和感があるのだが。



『口頭でのチュートリアルは以上でーす! でも一番は、やっぱり戦闘ですよね? てなわけで、チュートリアルステージがありますので、こちらのクリアを目指して頑張りましょうっ』



 と、そこで全員の頭上に、メニューが表示される。



【チュートリアル・バトル! ミライガを討伐せよ!】



 ミライガ、というのはモンスターだろうか。全員は今までプレイした事のあるゲームを思い返し、ある者はアメーバ状のドロドロとしたモンスターや、ある者はにくいカラスやおんしらずのイヌを思い返す者もいる。ちなみにオレはゴンザレスを思い返す。



『では皆さん、まずはアルゴーラの街を出て下さい! ミライガはこの辺りに生息する群生モンスターなので、近くで必ず見かけまーす!』


「この辺の説明は雑ね」


『まぁオープンワールド謳ってますからねぇ。あなた方に自発的な行動をしてもらわないといけないんです。ちなみにこのチュートリアルはスキップ可能です! 日常を謳歌したい場合は、このまま街中を散策して生活して貰って構いませんよー!』



 ニッコリと笑顔を浮かべたまま、メイドさんが消えていく。


そんな彼女を見送った後に、オレ達は背後にある街の出入り口を見据え「どうする」と尋ねた。



「オレは行くけど、お前たちは?」


「行くに決まってんじゃん。モンスターとの戦い方を知らない冒険者とか一番あっちゃダメっしょ」


「まぁ、ココはイキマスね! チュートリアルはプレイして、シッカリアソビカタをリカイするコトがジューヨーデス!」


「ふ、普段なら、チュートリアルやらず、感覚プレイする事も、あるけど……このゲーム、怖いし、ちゃんとしとこっかな……ふひひ」


「カーラ氏のイキマス……うっ……ふぅ」


「よし行くか」



 ツクモの事を無視し、心の平静を保つことにしよう。マリアとカーラは意味わかっていないし、エリは分かったけどニヤニヤしているだけなので無害だ。


街を出て、草原の美しい景色を眺めつつ、周りを散策する。


見たことも無い草木や見たことのある名も知らぬ雑草だったりも認識できた。この辺はリアル過ぎて、ここが本当にゲームの世界なのかを疑ってしまう程だったが――しかし、続けてみた光景に、これが現実ではなく、ゲームなのだと再認識する。


大きさは人間と同程度。しかし明らかに細い二足を動かして歩む、蛇にも、トカゲにも見えるモンスターが。


それは全身を鱗で覆い、伸びた牙と前足に相当する場所から伸びる鋭い爪が印象強い、白色のモンスター。


あれがミライガなのか、と確認しようとした所で、称号が反応した。



『N.0003 Cランク〔初めてモンスターを発見する〕』


『N.0004 Cランク〔チュートリアルをプレイする〕』


『N.0005 Cランク〔ミライガを発見する〕』



 以上の三つを同時に果たしたオレ達全員は、見つけたモンスターがミライガである事を認識すると共に、武器を構えた。


ミライガは、草むらで木の実にも見える物を咥え、牙で砕き、中身を味わっている最中に、オレ達の一行をギロリとした眼で睨むと、ギィギィと叫んだ。


すると、近くの川や、山の方から、総計五体のミライガがこちらへ駆けより、一斉にオレ達へ襲い掛かった。



オレ達は散開し、全員で一斉に行動を開始。

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