チュートリアル-04
「じゃあチュートリアルプレイするか」
全員がチュートリアルをタップすると、オレ達の眼前に青白い光がバチバチと光った後――ひらひらとしたメイド服を着込んだ女性が、全員の前に一人ずつ現れた。
『こんにちわー! アタシは、チュートリアルやゲームを案内するサポートキャラ、メイドでーすっ!』
全員が一斉に喋るものだから、何だか恐怖にしか感じないが、まぁNPCなんかこんなものだろう。
『あ、合計五人姉妹いますねぇ。じゃあ順番に自己紹介しましょうか』
!? オレの目の前にいるNPCが他のNPC認識して自己紹介始めたぞ!?
『まずアタシがアンド・メイドでーす! メイドの中で一番のお姉さんですよー!』
オレの前にいるメイドさんが一番最初の自己紹介を行った。
『アタシはサンド・メイドです。メイドの中では十一番目のお姉さんですよ!』
次はシモネットさんの前にいるメイドさんが。
『アタシは、スンド・メイドですっ。メイドの中では、十三番目のお姉さんですよー!』
さらに九十九の前にいるメイドさんが。
『アタシはツンド・メイドです。メイドの中では十八番目のお姉さんですよー』
マリアの前にいるメイドさんが。
『アタシはンンド・メイドです……めっちゃ発音しにくい末っ子ですよー』
松本さんの前にいるメイドさんだけテンション低くない?
『アタシ達は呼び出す度に違うメイドなので、ちゃーんと見分けてくれると嬉しいですーっ!』
無理無理。ンンドさんだけやけに見分け付きやすいけどそれ以外は無理無理。
「オッス、オラ九十九。こんなかわええメイドさんばっかでワクワクすっぞぉ」
『よろしくお願いします! じゃあツクモさん、ちょっとシャッフルしてみるので、見分けてみて下さいっ』
姉妹でグルグルとその場で周り、シャッフルし、その後九十九の前に。
『ハイッ! どの子がどの子でしょーか!?』
「えー、アンドさんは頬の所にほくろがあるからアナタ、サンドさんはメイド服の所に小っちゃなアップリケ付いてるからアナタ、寸止めさんはちょっとSっ気ある感じがするからアナタ、ツンドラさんはちょっと乾いた笑顔な感じがするからアナタ、あーでもンンドさんだけはちょっと見分け付かなかったけど、残ってるからアナタ」
ンンドさんだけはオレでも見分け付くのに!?
『すっごーいっ! 全問正解ですね!』
と。
ここで九十九の頭上に何か表記がされた。
『N.4862 Sランク〔メイドの名前を間違えずに言ってみよう!〕』
「称号だコレ!?」
「称号一覧にも乗りましたわぁ。やったぜ」
ま、まぁこういう事があるかもと思って皆にこのゲームへ来てくれないかお願いしたわけだし、その甲斐あったってもんだけど、これは通常プレイで手に入れるの無理ゲーすぎだろ……。
『じゃあ皆さん顔見知りみたいなので、アタシ、アンド・メイドだけが残ってゲーム説明しますねー! サンドとスンドはちゃんと晩御飯作るのよー!』
『はい! 姉さんよろしくお願いしまーす!』
『よろしくねーっ』
『よろしくー』
『マジでこの名前考えたユーイチ死ね……っ』
最後のがンンドさんってのは分かる。
アンドさんだけが残り、ここからホントのチュートリアルが開始される。
『では、ここからチュートリアルモードです。
まずは皆さん、初期設定を行いましょう。当該ページを出しますねー』
皆のメニュー画面が勝手に開かれ、設定メニューから『簡単初期設定』という場所へ。
『まずはプレイヤー名の決定をお願いします!』
そう言われ、全員が入力を開始。
オレは慣れてるし【リッカ】
マリアはそのまま【マリア】
シモネットさんも【カーラ】
松本さんは【エリチリ】
九十九は【ツクモ】
松本さんだけガチのハンドルネームだけど、まぁこの辺は別に構わない。
「オー、ワタシも【ハハ】にスベキでしたカ?」
「ハハって呼びたくないからやめて下さい」
「チョォーット、ショックデス……」
皆の決定した名前を見て『同名プレイヤーはいませんね』と確認したメイドさん。二百名近くいるんだから被っても良さそうだったが、そこは被ってなかったか。
『では次に、初期装備の種類をお選び下さい。武器の種類は、以下の通りです』
メニュー内に八つの武器と、それぞれの見本の360度モデル及び説明文を添付し、表示された。
【サムライブレード】
長太刀。長いリーチと早い連撃を主な攻撃方法とするスタイリッシュな戦闘方式。刃の形状や長さからソードやツインソードよりも回避性能・防御性能は低めだが、攻撃力が高い。
【ソード】
短剣。盾によって攻防共にこなす事が出来、リーチが短い分身軽で、素早く敵の隙を突く事が可能な初心者向けのオーソドックス武器。
【ツインソード】
双剣。盾を装備出来ない為、防御性能が非常に低い反面、その連撃性能は全武器中最高。また片手剣より短いリーチの為、取り回しが非常に簡単で、回避性能も高い。
【ランス】
リーチの長い槍と巨大な盾を用いて、敵の動きを離れた位置から冷静に判断する指揮官向きの武器。回避行動などは遅くなるが、防御性能は全武器中最高性能を誇る。
【ウェポンガン】
離れた場所から敵を狙い撃つポジションを主とする武装。近接武器と違い攻撃力としては低めではあるが、多数の銃弾と武器の種類による攻撃の多様化が出来る。
【マジックガン】
ウェポンガンに魔法能力を付与できる特殊攻撃タイプ。自身のMP消費を行い攻撃する為、魔力管理が必要となる。魔力が低下すると攻撃力が低下する為に要注意。
【スティック】
魔法能力のみで戦う者の武装。そのまま殴打も可能だが、攻撃力は最も低い。大きく分けて高出力の魔法攻撃タイプと、攻撃は最低限しか行わない援護タイプの二種類が多い。
【リング】
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