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松本絵里-07

「ですがこの人数分のアイコンをご用意する事は難しいです。グランツ、ご用意できて二つ、と言った所か?」


「そうさなぁ、じゃあ……オメェさんとそっちの鎧娘に使ってもらうとすっか」



 オレと、彩斗の肩をポンと叩いたグランツ、それに「それが良いでしょう」と納得をしたメリクスに「何でオレと彩斗なんだ?」と一応問うてみる。



「単純に評価する奴の技量が高ければ高い方が良いからなァ。オメェら、一応チーム率いてンだろ? なら周りから人徳は少なからずあるッてぇ判断だ」


「人徳ある者が必ずしも実力者というわけではありませんが、周りを率いる者は総合的な能力や人を見る目を持つ方が多い、という判断です。我々も伊達に部下を率いてはいません」



 というより何故オレと彩斗がチームを率いていると思ったんだろう。彩斗はともかくオレは皆を牽引こそしているけど率いているつもりは無いのだが、そこを突っ込んでもしょうがない。



「どうする、彩斗」


「いいのではないかな?」


「よし、んじゃあまずは任務をこなしてくれや! そんでオレ等の所へ石炭持ってきてくれっ!」


「よろしくお願いします。では、我々はこれで」



 最後まで睨み合いながら去っていった二者を見送った後、先ほど合流した彩斗とミサトさんを交えて話をする事に。



「所で、このエパリスには何時?」


「今さっきだよ。瘴気の谷は大変苦労した」



 彩斗とミサトさんレベルでも「大変」と言わしめるとは、やはり難易度としては高めなのだろう。そしてこちらは先輩と言う別枠バフ枠があるけれど、二人には無いのだから。



「他に攻略組を連れてないの? アンタらは折角徒党組んでんだし」


「それも考えたが、私もミサトも基本は少数先鋭で挑むタイプなので、下手に部下を入れてしまうと陣形がね。なので今回はまず私とミサトでエパリスの調査を行い、後日編成する部隊をここに駐留させる事にした」


「しかし瘴気の谷の難易度が想像より数割高かったので、部隊編成に困りますね」


「ふひ……制作者の想定した、進行ルートが分かれば、その通り動かせば、比較的安牌なんだけどね……ふひひ」


「やぁエリさん。先日はどうも」


「どうも……」


「あの、それで今回の任務はどうやって進めるんですか?」



 先輩の問いで、皆の話題を今後の攻略組から今まさに受けた以来の話題へ戻される。



「おっとそうだったね。まずはリッカとエリさんの意見を聞いてもいいかな?」


「ふひ!? 私……!?」


「だって貴女がリッカ達をエパリスにまで呼んだのだろう? ならば考えがあるとしたら貴女か、リッカのはずだ」



 これまた鋭い。オレから説明しても良いけれど、エリも少しは他の人と交流に慣れた方が良いだろうとし、彼女に説明を任せる。



「えっとぉ……その、基本はガルロット討伐を進めて、ドロップでの石炭入手、かな」


「採取も並行して行いつつ、と言った所ですか?」


「見つければ、そうだね……でもドロップ率、低いし、無理に狙わずに、時間効率気にした方が、良さげ……かな?」


「なるほど。来る前に戦った感じから、一体討伐毎に一人頭四個、それを六人でやれば二回討伐すれば今回の四十個に届くな」


「て、手伝って、くれる……?」


「勿論ですとも。なぁミサト」


「手伝わぬ理由もありませんし、今回のお話は我々にとってもプラスとなり得ます」



 ミサトさんが頷いたけど、あんまり二人にとってプラスとなる事が思い浮かばなかったんだが何だろう。



「単純な話さ。瘴気の谷にはボスクラスのモンスターがウジャウジャいる。その攻略を手伝ってくれるのが現状最強クラスの三人と、最強クラスのバッファーであるリリナ君だ。これ以上に効率的に進めやすい状況は無い」


「それに加え、石炭だけでなくガルロットや他モンスターの素材を多量かつ効率的に入手できる機会でもあります。そしてその状況によって攻略組へ出せる指示も異なりますし、非効率的だと分かれば別の対処を執る事も出来る。どちらに転んでも我々にはプラスにしかなり得ません」


「その試作品アイコンには興味がないって事か?」


「無いと言えば嘘になるけれど、リッカほどではない、と言うのが回答かな」


「リングの有用性も必要性も認めてはいますが、現状あるアイコン以上の性能を有していると思えない、という見解です。リッカさんの場合はリング単体使用なわけですから、多くアイコンを所有して戦術幅を広げた方が勿論好ましいかと思いますけれど」



 なるほど、確かにオレはリングとアイコンが無ければミライガにすら勝利出来ないが、リングをメイン武器にしていない場合はその限りではない。勿論リングを使用して戦術幅向上自体は成されているけれど、あくまで戦術変更用アイテム位の認識なわけだ。



「まぁ、アタシも別に今以上にアイコン増えなくても別に構いやしないかな。リリナも結局変身はしない感じならアイコンはいらないだろうしね」


「あ、はい。一応装備に装填する為にあったら嬉しいな、位ですしね」


「ふひ、私もあれば使うけど、別に重要視は、してないかな……」



 となると、そのテストはオレが行うのは決定か。まぁ向こうがオレと彩斗を指定しているんだからその方が好ましいだろうけど。

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