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三十三、三十四課 346-382 複合語

第三十三課 

(第一部)

346 複合語 

 サンスクリットという言語は、あらゆる時期で、曲用語幹を組み合わせて複合語を作り、アクセント、曲用、構文において単語のように扱うのを、最大の特徴とする。ヴェーダ期には二つを超える要素からなる複合語はまれである。後代の言語でこの制限はなくなる。そして時代が下るほど、そして文体が凝るほど、複合語は際限なく、難しくなる。そうしてしばしば屈折語の優位性を投げ捨て、要素の厄介な組み合わせが、屈折要素による語から文への統語的な単位を置き換えていく。


347 サンスクリットの複合語は三つの主要な類に分かれる。

I 並列複合語の要素は統語的に等位である。複合語でなければ 'and' で繋ぐような語をむすびつけたものとなる*。例えば krta:krtam 'done and undone'; devagandharvama:nuSa:h 'gods and Gandharvas and men' となる。このような複合語の要素は明らかに二つでもそれ以上でも任意の数となる。


* この類の複合語は比較的新しい革新である。他の二つだけが、親縁の他言語でふつうである。


II 限定複合語の前分は統語的に後分に依存し、その修飾語となる:名詞が格関係で後分を限定するか、形容詞か副詞が述語となる。かくして二種類を区別できる;A. 格限定複合語と B. 記述複合語である。この違いは絶対ではない。


 例として:格限定は amitrasena: 'army of enemies'; pa:dodaka 'water for the feet'; hastakrta 'made with hands'; がある。記述複合語は maha:ra:ja 'great king'; priyasakha (§352, 2) 'dear friend'; duSkrta 'badly done' がある。


348 I, II 類の複合語の特徴は、品詞として、後分により決定されることにある。これは独立の形と各々の要素の繋がり方によって等価な節に解くことができる。しかしこれは第三類については正しくない。よって上のものが互いに異なるよりも、第三類は上のものと根本的に異なる。


349 III 二次的形容詞複合語 その意味は構成部分に単純に解くだけではわからず、後分を名詞としながらも自身形容詞である。これにはまた二種類がある:A. 所有複合語は名詞の先立つ類(II. A. / B.)の複合語で、「〜を持つ」という観念が伴い、名詞から形容詞へと変わる。そして B. 後分が前分に統語的に依存する名詞である複合語である。その 1 (ヴェーダのみの)分詞複合語は現在分詞と続く目的語からなり 2 前置詞複合語は前置詞と続く名詞からなる。B 類は比較的小さい。

 例:vi:rasena 'possessing a hero-army'; praja:ka:ma 'having desire of progeny'; atima:tra 'excessive'


350 形容詞複合語は、単純な形容詞と同じく、特に中性で、抽象名詞や集合名詞として用いられることがある;そしてその対格で副詞となる。この用法から複合語の類が生じ、ヒンドゥーの文法家から名付けられるほどとなった。


351 複合語は、単語と同じく、別の複合語の構成要素となることができ、限りがない。(並列でない)複合語の解析は、どれほど長くとも、二分割の繰り返しでなされる。かくして格限定複合語 pu:rvajanmakrta 'done in a previous existence' はまず krta と記述複合語 pu:rvajanman に分かれ、これが二要素に分かれる。


352 複合語での連声規則 

 語幹末は一般の外連声規則にしたがって他の語幹の頭と組み合わさる。ただし 

1 前分末尾の -is と -us は無声軟口蓋、歯、唇音の前で iS uS となる。かくして jyotiSkrta となる。

2 前分末尾の -as はしばしば同様の環境で不変化である。

3 末尾の i u r の後で頭の s は反舌となる。

4 代名詞は一般に中性の語幹形をとる;人称代名詞では単数の mad- tvad- 複数の asmad- yuSmad- がよくある。

5 記述複合語と所有複合語の前分 mahant- の代わりに maha: が用いられる。

6 前分の格形は非常にまれである。


353 複合語のすべての類において、最後尾の音がある種の変化を被ることがある;一般に複合語全体を a 曲用に変える効果をもたらす。かくして 

1 -an 語幹はしばしば末尾の n を脱落させ -akSa, -aha, -mu:rdha, -ra:ja となる。

2 i i: は a に変わり -bhu:ma, -ra:tra, -sakha, -patha となる。

3 末尾の子音の後に a が付され、時には u 母音や二重母音の後にも付されて -ahna (ahan), -gava (go) となる。


 複合語のそれぞれの類を今から見ていこう。


(第二部)

354 I. 並列複合語 

 二つ以上の名詞、たまに形容詞、副詞も一、二例、を 'and' で結ばれたかのように等価に並べて複合語とする構成が時にある。*


* この類はヒンドゥーに dvandva 'couple' と呼ばれる。しかし形容詞の dvandva は認めていない。


355 名詞の複合語は曲用形の点で二つに分かれる。

A 後分の曲用での性を複合語が持ち、数は個々のものがいくつあるかという論理的な意味にしたがって両数か複数になる。例として vri:hiyavau 'rice and barley'; ra:makrSNau 'Ra:ma and KrSNa'; aja:vayah 'goats and sheep'; bra:hmaNakSatriyavaizyazu:dra:h 'Bra:hmans, KSatriyas, Vaizyas and zu:dras'; pita:putrau (§352, 6) 'father and son' がある。


B その構成要素の数と性にかかわらず中性単数の集合名詞となる(sama:ha:ra-dvandva)。かくして pa:Nipa:dam 'hand and foot'; sarpanakulam 'snake and ichneumon'; chatropa:naham (§353, 3) 'umbrella and shoe'; ahora:tram (§353, 2) 'day and night' となる。


356 後代の言語にも神の名を両数で組み合わせたものが残っている。これは古形を保つものである。かくして dya:va:prthivi:, dya:va:bhu:mi: 'Heaven and Earth'; mitra:varuNau 'Mitra and VaruNa'; agni:Somau 'Agni and Soma' となる。


357 形容詞の並列複合語も同様に作られるがまれである。例として zuklakrSNa 'light and dark'; vrttapi:na 'round and plump';* sna:ta:nulipta 'bathed and anointed' がある。


* ヒンドゥーはこれを Karmadha:raya とする。


358 II. 限定複合語 

 名詞や形容詞はしばしば前分の名詞、形容詞、副詞を限定詞か述語として複合語をなす。この類が大きく二つに分かれるのはすでに述べた。A. 格限定複合語と B. 記述複合語である。各々は後分によって複合語全体が名詞となるか形容詞になるかで、さらに二つに分かれる。**


** 限定複合語全体を現地で tatpuruSa と呼ぶ('his man' を意味しこの類の例である)。二番目は特別に karmadha:raya という名前を持つが意味と用法は廃れている。


359 A. 格限定複合語 

1 名詞複合語 前分の後分との格関係はなんでもよいが属格が最もよくあり対格は珍しい。かくして tatpuruSa = tasya puruSa; mu:rkhazata:ni 'hundreds of fools'; – pa:dodaka (=pa:debhya udakam) 'water for the feet'; – vidya:dhana 'money (obtained) by science'; a:tmasa:drzya (=a:tmana: sa:drzyam) 'likeness with self'; – caurabhaya (caura:d bhayam) 'fear of a thief'; – jalakri:d:a: (jale kri:-) 'sport in the water'; nagaragamana (=nagaram ga-) 'going to the city'; va:caspati 'lord of speech', n. pr. (§352, 6) となる。


360

2 格限定形容詞複合語 普通の形容詞を後分とするこの類の複合語はとても少ない。ふつう後分は分詞か、分詞相当の行為を表す派生語である(§204)。前分はどの格関係でもありうる。かくして nagaragata 'gone to the village'; vedavid (Veda-knowing); – zivarakSita 'protected by ziva'; gohita (= gave hitah) 'good for the cow'; – svargapatita 'fallen from the sky'; taraṅgacancalatara 'more mobile than waves'; – dvijottama (dvija:na:m uttamah) 'best of Bra:hmans'; – stha:li:pakva 'cooked in a pot' となる。


361 後分に語根を裸でもつこの類の複合語は多く、時に形の上で修正して、もともと短母音で終わっていれば一般的に t を加える。かくして vedavid は上記(§360); rathastha 'standing in the wagon' (あるいは単に 'in the wagon')mu:rdhaga 'on the head'; ekaja 'only-born'; vanecara (§352, 6) 'forest-dwelling'; manasija 'born in the heart' (i.e. 'love') となる。


362 B 記述複合語 

 この種の限定複合語で、前分は後分と特定の格関係にない。そうではなく後分を、名詞か形容詞かにしたがって、形容詞あるいは副詞として規定する。かくして priyasukha (§353, 2); sukrta 'well-done'; duSkrt 'evil-doing' (adj.) となる。


 名詞の意味の複合語は形容詞の意味の複合語と分かち難い。


363 単純な場合は名詞が後分で形容詞が前分として規定するものである。かくして krSNa:zva (krSNo 'azvah) 'black horse'; maha:puruSa 'great man' となる。形容詞の代わりに前分で名詞が同格的に、または形容詞のような意味で用いられることがある。かくして brahmarSi 'priest-sage'; ra:jarSi 'king-sage' となる。


364 時にこの種の複合語は比較を表す。かくして ghanazya:ma 'black as a thunder-cloud' (cf. 'coal-black', etc.) となる。逆に puruSavya:ghra 'man-tiger', i.e., 'a man fierce as a tiger';* narasimha 'man-lion'; pa:dapadma 'foot-lotus', i.e. 'a foot lovely as a lotus' となる。


* 字義通りには虎であって虎ではなく人であるものである。もしかすると 'tiger of (or among) men' の方がよいかもしれない(Whitney はそうする)。


365 記述複合語の前分として非常に頻繁に用いられ、後分を規定する副詞は、動詞前綴り(前置詞)と方向を表す語である。非分離接頭辞 an- / a による否定 su 'well', dus 'ill' などもある。これらは形容詞だけでなく(形容詞のような意味の)名詞と組み合わせる。かくして akrta 'not done'; apaNDita 'not a scholar'; anartha 'misfortune'; atideva 'more than a god'; atidu:ra 'exceedingly far'; atibhaya 'excessive fear'; pratipakSa 'opposing side' となる。


語彙 33

動詞 

sam-√a:p complete

ni-√yuj station, place, appoint

anu-√raj (anurajyati, -te) be devoted to, inclined to (loc.)

pra-√vas go away (on a journey)

ni-√vrt return home


名詞 

a:ka:za m., air, sky

a:zrama m., hermitage

kaNva m., n. pr.

kuma:ra m., boy, prince

kri:Da: f., game, sport

tilaka m., ornament (often fig.)

ti:rtha n., bathing-place; place of pilgrimage

triloka n., -ki: f., the threefold world

duSSanta m., n. pr.

dvi:pin m., panther

pada n., step; place

pu:ru m., n. pr.

mahiSi: f., queen

mrgaya: f., chase

ya:tra: f., march, journey; support

vamza m., race, family

vrtta:nta m., state of affairs; news

sakhi: f., female friend

satka:ra m., hospitality


形容詞 

anuru:pa f. -a: suitable

krtrima, f. -a: adopted

ga:ndharva, f. i: in the manner of, or suitable for, the Gandharvas

divya, f. -a: heavenly, divine

ma:nuSa f. -i: human

sami:pa, f. -a: near; as neut. subst., vicinity, nearness, presence


副詞 

pura: earlier, formerly


演習 33

1 duSSanto na:ma ra:jarSih pu:ruvamzatilakastrilokya:m vizrutah krtsna:m prthivi:mapa:layat

2 sa caikada: mantrisu:tasainika:nvito mrgaya:kri:Da:rtham* maha:vanam praviSTah

3 tasminvane duSSanto 'neka:nvya:ghrasimharkSadvi:pino 'nya:mzca vanecara:npra:Ninah svazarair vya:pa:dayat

4 ekam tu hariNam pala:yama:nam rathastho 'nusaransa nadi:ti:re divya:zramapadam drSTava:n

5 kaNvasya brahmarSerayama:zrama iti su:tamukha:cchrutva: sainika:nvane samstha:pyarSim nantum ra:ja: tatra praviSTah

6 tada: kaNve ti:rthaya:tra:rtham proSite sati tasya krtrima: duhita: zakuntala: na:ma sakhi:sameta: maha:ra:jamatithisatka:reNa pu:jayituma:zrama:nnirgata:


* “To engage in the sport of hunting”; cf. below, §375, 2


【補説】だいたい「A ト B」か「A ノ B」ではある。後分が動詞的なとき「A ニヨル B」なのか「A ニ対スル B」なのかには注意が必要である。演習問題は『シャクンタラー姫』冒頭のあらすじである。カーリダーサによる戯曲の訳が複数存在するが流通していない。豹は海の島 dvi:pa のような斑点を体に持つので dvi:pin と呼ばれる。



第三十四課 

366 III 二次的形容詞複合語 

 名詞を後分とする複合語は頻繁に、形容詞としての意味を二次的に得て、三性にしたがって曲用し修飾する名詞に一致する。そして形容詞としてのすべての構文で用いられる。この類には二種類あると上で述べた(§349)。


367 異なる性での曲用を可能とするため、後分の語幹にある種の変化が必要なことがある。男性中性の a 語幹と女性の a: 語幹は一般に交替する。かくして su-hasta から複合語 suhasta 'with excellent hands' ができ単数主格が suhastas, -sta:, -stam となる。同様に(tri-jihva: から)trijihvas, -hva:, -hvam となる。また(su-phala n. から)suphalas, -la:, -lam となる。同じことが i u 語幹の男性女性中性名詞や子音で終わる語幹についても言える。


368 しかし i: 語幹女性名詞はしばしば a で終えて男性中性として用いられる。かくして dviparNa 'two-leaved', f., dviparNi: となる。


369 頻繁に(不定性の)接辞 -ka が純粋な所有複合語に添えられて、複合語幹を形容詞にするのを助ける。特に i: u: で終わる女性名詞と r 語幹、一般に、語幹の末尾が形容詞の曲用としてあまり普通でない場合によくある。かくして bhunadi:ka 'rich in rivers'; mrtabhartrka: f., 'whose husband is dead', i.e. 'widow'; maha:yazaz男性女性の主格で za:zまたは maha:yazaska となる。


370 時に所有接辞 -in が二次的な形容詞複合語に付され、意味に影響は与えない。かくして gardabhana:din (=-na:da) 'having an ass's voice' となる。


371 A. 所有複合語 

 所有複合語は限定複合語が(今見たように)形容詞曲用と、「を持つ」を限定複合語の意味に付けたものとして定義できる形容詞としての意味とを、得たものである。かくして、格限定の devaru:pa n., 'beauty of a god' は所有複合語 devaru:pa, -a:, m. f. n., 'having the beauty of a god' となる。修飾の di:rghaba:hu m., 'long arm' は所有複合語 'di:rghaba:hu' m. f. n., 'having long arms' となる(この類の複合語は現地で bahuvri:hi と呼ばれる。その名前がこの類の例で、「多くの米を持つ」を意味する。所有複合語は一般に、アクセントのある文献では、元の限定複合語とアクセントの違いで識別される)。


372 格限定複合語は、比較的、所有複合語になりづらい。しかし所有複合語として使われる修飾複合語は非常によくあり多様である。また純粋な修飾複合語としてまれな組み合わせが所有複合語としてはありふれている。


373 形容詞は、後分の女性名詞を表していたとしても、前分として男性の語幹をとる。かくして ru:pavadbha:rya (<bha:rya:) 'possessing a beautiful wife' となる。


374 前分として出てくるのが

1 純形容詞;かくして anyaru:pa 'of other form' となる。

2 分詞;かくして hatama:trka 'whose mother is slain' となる。

3 数詞;かくして caturmukha 'four-faced'; trilocana 'three-eyed' となる。

4 形容詞的な意味で名詞;かくして hiraNyahasta 'gold-handed' となる。特によくあるのが名詞を前分として使ってもう後分を同格として、同じものとみなす意味で修飾する用法である。これは同格複合語と呼びうる。かくして krSNana:man 'having “KrSNa” as name'; vi:rapuruSa 'having men who are heroes'; ca:racakSus 'using spies as eyes'; tva:du:ta 'having thee as messenger' となる。

5 副詞的要素(特に非分離接頭辞);かくして ananta 'endless'; aputra 'child'; suputra 'with excellent sons'; durgandhi 'ill-savored' となる。随伴接頭辞(saha はより珍しい)は形容詞要素と同じように扱われる。かくして saru:pa 'of like form'; saputra / sahaputra 'with a son' または 'having one's son along with one'; sa:nuku:la (sa+anuku:la n.) 'favorable' となる。

6 普通の動詞前綴り;かくして prazravas 'of wide fame'; vyaṅga 'limbless'; nirbala 'powerless'; unmukha 'with uplifted face' となる。

7 普通の副詞;かくして ihacitta 'with mind directed hither' となる。


375 ある種の語は §374, 4 のような複合語で非常によく、特別な用法で用いられる。

1 かくして a:di 'beginning'(または派生形 a:dya か a:dika)は人やものをその他と共に示す複合語を作る。そのような人・もの「など」と。かくして deva: indra:dayah 'the gods having Indra as first', i.e. 'the gods Indra, etc.' しばしば被修飾名詞が省略される。かくして annapa:na:di:ni 'food, drink, etc.'

2 pu:rva (pu:rvaka) などの語も同様に用いられて、共だっていることを示す。主に副詞的である。

3 名詞 artha 'object', 'purpose' は複合語の終わりに用いられ、中性名詞として(対具処格で)'for the sake of' を意味する。かくして damayantyartham 'for Damayanti:'s sake'; zayya:rtham 'for a bed' となる(下の §379 を見よ)。

4 antara (中性名詞として)はしばしば所有複合語で 'other' を意味する。かくして deza:ntara n., 'another region' (lit. 'that which has a difference of region') となる。


376 同格所有複合語で、最後のものが体の部分を表すとき、前分が示すものをその部分で持っていることを表す。かくして maNigri:va 'with necklace on neck' となる。このような複合語は手を意味する語が最もよくある。かくして asipa:Ni 'with sword in hand'; laguDahasta 'with club in hand' となる。


377 所有複合語は常に単純に形容詞として使うのではない。しばしば何らかの意味をはらんで、従属節と等価な働きをする。つまりそれらの意味が含む 'having' が英語で過去の行為を示す 'having' と等価になる。かくして pra:ptayauvana 'possessing attained adolescence', i.e. 'having reached adolescence'; anadhigataza:stra 'with unstudied books', i.e. 'one who has neglected study'; gatapra:Na 'whose breath is gone', i.e. 'lifeless'; a:sannamrtyu 'to whom death is come near' となる。


378 B. 後分を修飾している複合語 

1 分詞的複合語はヴェーダでのみ現れる。

2 前置詞複合語 

 便宜的にかくのごとく呼ぶが、前分が前置詞の意味をなす小辞で後分の名詞にかかるものである。かくして atira:tra 'lasting over night'; atima:tra 'beyond measure', 'excessive'; apikarNa 'next the ear' となる。


379 形容詞複合語の名詞、副詞用法 

 複合形容詞は、単純形容詞と同じように、特に中性で、女性ではよりまれに、抽象名詞か集合名詞として自由に使うことができる。それらは中性単数対格で副詞的にも用いられる。


380 名詞として使われる所有複合語で数詞を前分としてするものは、厳密に形容詞的な複合語とあわせて dvigu* という名前でヒンドゥーに別のクラスとして扱われる。このような数詞による抽象名詞と集合名詞の例は:triyuga n., 'the three ages'; triyojana n., 'space of three leagues' がある。似た用法の女性形が後代の言語でしばしば現れる。かくして triloki: (-ka 中性名詞のかたわら)'the three worlds' となる。


* この名前はこのクラスの例で 'of two cows' という意味である('worth two cows' の意味で使われるという)。


381 副詞として用いられる二次的形容詞複合語の対格で前分が不変化語、小辞であるようなものをヒンドゥーは別のクラスの複合語と考え avyayi:bha:va* と呼んだ。

1 前置詞複合語は特に頻繁である。かくして pratidoSam 'at evening'; samakSam 'in sight'; anugaṅgam (gaṅga:m anu) 'along the Ganges'; upagaṅgam 'on the G.'; prativarSam 'every year'

2 avyayi:bha:va の多くが関係副詞とくに yatha: を前分として形成される。かくして yatha:vazam, yatha:ka:mam, yatheccham 'as one chooses' となる。そして他の副詞では ya:vajji:vam 'as long as one lives'; yatraka:mam 'whither one will' となる。


* この語は 'conversion to an indeclinable' という意味である。


382 時に極めて不規則な複合語がある。このようなものについては Whitney §1314 を見よ。


語彙 34

動詞 

nis-√ci determine, decide

vi-√dr in caus. (vida:rayati) tear open

√paT (pa:Tayati) split open

abhi-√bhu: overpower

√vr (varayate) choose, select

a:-√sad (a:si:dati) approach

sama:- in caus. (sama:sa:dayati) meet with, encounter

√hrS (harSati; hŕSyati) rejoice, be delighted


名詞 

aṅga n., limb, member, body

a:ka:ra m., form, figure

indu m., moon

udara n., belly

ketu m., banner

koTi f., peak; point, tip

cu:Da: f., top-knot, scalp

jna:na n., knowledge; insight

ta:lu n., palate

trSNa: f., thirst, desire

damSTra: f., tooth

dyuti f., brilliancy

parvata m., mountain

pulinda m., a trive in India

praha:ra m., stroke, shot; wound

pra:Na m., breath, life (often pl.)

mastaka n., head

mi:na m., fish

vakSas n., chest, breast

vara:ha m., boar

vedana: f., pain

sna:yu m., tendon; bowstring


形容詞 

anavadya, f. -a: blameless, faultless

anuku:la f. -a: favorable; as neut. subst., favor

antara, f. -a: inner; as neut. subst., the interior, middle; interval, difference; occasion, juncture (§375. 4.)

paTu: skilled

ba:la, f. -a: young


不変化

atha : then, thereupon

tad (adv. acc.) therefore

ta:vat: so long; often merely = donc, doch

ya:vat : as long as, while; as soon as

sma 現在とともに用いて歴史的時制を表す。


atitrSNa: na kartavya: trSNa:m naiva parityajet /

atitrSNa:bhibhu:tasya cu:Da: bhavati mastake //19//

1 kasmimzcidvane pulindah prativasati sma

2 sa caikeda: mrgaya:m kartum prasthitah

3 atha tena prasarpata: (pres. part.) parvatazikhara:ka:ro maha:vara:hah sama:sa:ditah

4 tam drSTva: karNa:nta:krSTazareNa sa tena sama:hatah

5 tena:pi vara:heNa kopa:viSTena ba:lendudyutina: damSTra:greNa pa:Titodarah pulindo gatapra:No bhu:ma:vapatat

6 atha vya:dham vya:pa:dya vara:ho 'pi zarapraha:ravedanaya: mrtah

7 etasminnantare kazcida:sannamrtyuh zrga:la itastatah paribhramamstam dezama:gatah

8 ya:vadvara:hapulindau pazyati ta:vatprahrSTo 'cintayat

9 bhoh sa:nuku:lo me vidhih

10 tenaitadacintitam bhojanamupasthitam

11 tadaham tatha: bhakSaya:mi yatha: bahu:ny aha:ni me pra:Naya:tra: bhavati

12 tatta:vatprathamam sna:yupa:zam dhanuSkoTigatam bhakSaya:mi

13 evam manasa: nizcitya dhanuSkoTim mukhe kSiptva: sna:yum bhakSayituma:rabdhah

14 tatazca kartite sna:yau vida:rya dhanuSkoTirmastakamadhyena niSkra:nta:

15 so 'pi mrtah


【補説】Bahuvri:hi は「B を持つ。それは A という性質である」「その人にとって B は A である」という風に考えると捉えやすいことが多い。時代を下ると、名詞・他動詞過去分詞・名詞で「〜によって…されたーを持つ」「そのーを〜が…した」という意味を表すことがよくある。演習問題は詩節を含めてパンチャタントラ二巻の挿話である。これを踏まえると詩節は ati... な者の末路をユーモラスに語っているのか。

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