たっぽい、転生7話
ご都合主義に会話は成立する事を流し、ご婦人から話を聞く。
ご婦人との会話の合間に、衣服をはだけた女性に、ちょくちょく労りの眼差しを向ける俺・・・・。
その度に、チョイチョイ視線を遮る様に、立ち位置を替えて来るるご婦人。・・・・邪魔なんですけど。
・・・・当然、邪な意図などない。いたわりの眼差し。
俺とご婦人の短くも激しい攻防。盗賊どもより手強い。
そんなこんなありつつも、それでも状況は大体理解する事に成功した。
現在襲われているのは、此所から北に一キロ程の人口500に満たぬ開拓者の町。
周辺の開拓村からも、盗賊達に追い立てられて100人ほど避難して来ていた模様。
盗賊の総数は、はっきりとは分からないものの、町の男達の話では200人を越える数ではとの事。
夜明けからの攻防戦を経て、門が突破された際に女子供を優先的に逃がしたらしい。・・まあ、当然盗賊も網を張っていた訳だが。
・・・うーん。
どっちにしても敵が多いな。
30人ばかしは殺ったものの、200を越えるってのが230人ならば、まるっと、200人残っている計算になる。・・260人なら?
・・・それに気になる点も多い。
通常、辺境の開拓村や町の男女比率は、男が圧倒的に多い。
最低限6割が男で老人子供を除いても200~250人は戦える人数が居るハズ。
ましてや、辺境の開拓民なぞ自分の身は自分で護らなければ成らない事も多い猛者だ。
いくら未明に奇襲を受けたからって、200人程度の盗賊に容易く門を破られるとは考えづらいんだがねぇ・・・。
ましてや、先程の雑魚盗賊が辺境のオッス、オッスに勝てるとも思えん。
・・目的も不明。
俺の知らない、この世界なりの理由は有るかも知れないが、幾ら何でも200人を越える盗賊団が、そうポコポコ居るとも思えない。世紀末覇者でもあるまいに。
兎に角、状況が分からない。
何かを見落としている可能性があるし、全てが予断だ。
戦闘が続いて居ると考えて、援護のつもりで町に飛び込んだら、もう陥ちてましたじゃ、目も当てられない。
どちらにしても、自分の目で確認しなければ何とも言えないだろう。
そう考えたイケてる俺は、ご婦人達に好印象を与えるように、紳士的に振る舞いながら、最初に様子を伺った丘の陰までなんとか移動させ、心配するイチロー達を警護に残して、イワシミズと共に単騎偵察に出る。
ここは、町の南側の丘陵地帯に当たり、現在地から町の南側まで
、道が丘陵を避ける様にうねうねと続いている。
敵の目を避ける様に街道を避け、町から見て東の丘陵に隠れる様にイワシミズを進める。
町の南側が見えて来た。町の中から煙は見えるが、南側の通用門にさして異変は感じられない。
あれ?もう陥ちてる?・・だとするならケツ捲る準備やね。
もう少し近づく。・・なんかドキドキするな、コレ。
町の外周を城壁と言うには、余りに心細い石垣が取り囲んでいる。
・・・これがスニークってヤツやね。大丈夫!スネークでスニークはやった事有るもの。・・段ボール無いかな?
それっぽい感じで、更に慎重に近づくと、ようやく町の四隅と門の脇に立っている物見櫓の上に人影が見える。
南側の2つの櫓の上に居る人影は、町の中心に向けて矢を放っている様子で、戦闘らしき喧騒も、南側の通用門からやや離れて聞こえる。つまり、町の南側は恐らくまだ陥ちて居ない・・かな?
状況を確認して、丘へ帰る道すがら考える。
どーすかなー?「援軍です」って向かって行った所で、南側の通用門を開けて貰える訳も無い。
避難している人の中から、話を通せる人例えば、あのはだけた・・じゃなかった、あの年配のご婦人とかを連れていくか?
・・・駄目だね。盗賊に人質にされているとしか思われ無い。
となると、つまり、アレかい?
開いてる可能性のある、盗賊達が突入した北側の門から入るしか無いって事かい?
う~ん。敵が南側に向かっている以上、悪くは無いとは思うけどね、敵の弓兵も戦線の後方ろ、つまり北側寄りに居るハズだしね
・・・でも、流石に6騎じゃキツイな。