たっぽい、転生3話
はっはっはっ。
和気藹々である。
「では、殿は信長様からの仕官の誘いを受けてのお旅を?」
「うむ。」
ああ、そういや、遅いな?信長。
「それは、祝着にございますな、我ら一堂、殿の晴れの門出、身命を賭してお守り致す所存。」
「うむ、くるしうない」
結構、気さくな奴等である。
召喚した時は、山岡鉄舟みたいなガチムチ5人が出てきて、軽く涙目だったが、話してみれば、なんて事無い。
結構、チヤホヤしてくれる。
はっはっはっ。気分はバカ殿である。
「ワレワレハ、アナタノカシンデス」
的な、ゴーレムっぽいのが出て来るかと思っていたが、そんな事も無く、ちゃんと人間である。・・・だから、めっちゃ楽。
自分の頭で考えて行動してくれるし、彼らの時代なりの意味での常識もある。
物凄くチートやね。コレ。
もっと、呼ぼうかな?
宛度も無くさ迷う森の中の大名行列を思い浮かべて、諦める。
全員、年の頃は、20台半ばから20後半かな?
聞いても覚えていないって、言ってたけど。
・・たとえ、人間モドキだとしても、外から判別出来るような所は無い。
色々思う所もあるが、そう言う特性や性格を持った人間を召喚出来たと思うしかない。
召喚される前に、どういう風に生きてたかは分からないし、皆覚えていないとの事。
・・・召喚した瞬間にそう言う人間として生を受けた・・そう言う事だろう。
・・ところで、ココ何処よ?
解決されていない問題はリフレイン。
現在地不明の俺が呼んだ、イチロー~ゴロー達も、やはり迷子である。
・・まあ、一人で迷子よか皆で迷子のがマシヨネ?困ったら、部下に丸投げ出来るし。
尾張近辺だと思うんだけどな?多分だけど。信長来るし。
海の気配は感じないので、東海道って感じでもない。中仙道?
現在森の中。昔の日本の地理まではわからん、今と大分違うしね。仕官の旅と言った手前、(今何処?何処に行けば良い?)
とは、聞きづらい。
「しかし、此処はどの辺りにこざいましょうか?」
ナイスだサブロー⤴俺の心の声を代弁するかの様なフォロー!
「少し、道にまよったかの?」
乗っかる、このビックウェーブ。
「それは難儀にございますな、幸いにも道は一本にございます。日も暮れかかっております故、御休息の場を設け、明朝より、この道をたどって参りましょう。何れは何処かの領にでましょう」
ジローさんが言うので、お言葉に甘えましょう。
「それがし、先触れて、夜営の場を探してまいりましょう。」
「では、某も参りましょう」
ジローとシローが、拍車をかける。
「殿をお頼み申す」
居残る3人に声をかけて、走り去る姿は、暴⚪ん坊⚪軍を彷彿とさせる。
食いもんどうすんだろ?って、思って隣に駒を進めるイチローに言う。
「米はあるが、肴が無い。」
正確にはあるけどね、味噌玉と乾き物と変な紐。
あと、出せるからね、米。一石単位だけどね。
彼らに隠す積もりも無いので、目の前で馬一頭と米を召喚する。
米一石を一頭では無理っぽかったので、馬もう一頭。
「おおっ!!これは便利ですな!!」
イチロー達3人は非常に驚いた様子だが、特に問い詰めて来る感じでも無く、米が有る事を喜んでる。
・・やっぱ、どこか変だよね、まあ良いケド。
まあ、俺もこの期に及んでは、自分に不利益や危害が無い限り、気にしてはいられない。
「ご心配に及ばずとも、次郎、四郎両名が肴なども、見繕って参りましょう。お米を馳走頂いております故、夕餉には間に合いましょう。」
イチローが言う。
なんだかね、一郎から五郎で名付けたんだけど、やっぱ、イチローが長男っぽく成るもんやね。
暫しそのまま、駒を進めていると、二人が帰ってくるのが見える。
馬の背にわっしゃ、わっしゃ揺れる鳥の羽根が見えるので獲物をゲットして来たのだろう。
暫く進んで、道を逸れると川辺りの拓いた場所に出た。
野営については、手伝える事も無く、まんま人任せである。
ゴローが甲冑を脱がせてくれる。
いやーん。
てな事は置いて、あらためて恐ろしいほどの体力だわ、俺。
丸一日近く、こんなに重い甲冑身に付け、馬に揺られ疲れて無い訳ではないにせよ、許容の範囲内。
今日も一日疲れたわー。位の疲労。
それでも、甲冑を脱ぐと、ほっとはする。
ジロー、シローは甲斐甲斐しく、馬の世話をしている。
彼らの馬と見比べて見て、自分の愛馬イワシミズはやや大きいが、恐らく汗血馬だろうと推定出来た。
・・・イワシミズの癖に生意気な。
やはり装備は最高級らしい。
味噌玉、芋ガラや鮭トバ等のレーションも、簡易調理の出来る道具も、実はイワシミズに括り着けてあったし。
・・やるな、神。せめて、会って見たかったけどね。
夕餉のめにゅーは、炊いた米と、大豆ゴロゴロ田舎味噌に、キジだか何だかの肉をぶちこんだ味噌汁風な味噌汁
味噌汁に肉入ってても味噌汁だよね?
後、味噌玉に山菜なんかが入っているらしく、メッチャうまい。
思いの他の大満足。
ガチムチ大男5人に、なにくれなく世話を焼かれながら、眠りにつく。彼等は交代で見張りに立ってくれるようである。
大儀である。
おやすみー。