ギルドへの勧誘
俺はレクト。今年18歳になり、待ちに待った勇者デビュー!
基本この世界では18歳までは勇者になるまでの基礎知識や、体術の実技などを学ばなければいけない。
それも今年で終わり、遂に!という感じだ。
だが最初は装備も少ないしモンスターなどは倒せない。でもそんな初心者でも早く、しかも効率よく力をつける事ができる方法がある。
その方法というのが.....ギルドに入る事だ。
ギルドと言っても、ピンからキリまで存在する。
数でいえば数千はあると思う。
その中から自分にあったギルドを探していくのだ。
加入のやり方としては、直接気になったギルドのマスターに声を掛けて交渉をするか、募集掲示板に貼り紙を貼っておくかの二つだ。
まだ良くオススメギルドは知らないから取り敢えず募集掲示板に貼って、連絡が来るのを待つとしよう。
と簡単に考えていたが...。
この1ヶ月、何の連絡もなく、クエストも受けた訳でも無く、俺はただぐうたら過ごしただけだった。
「なんで連絡来ないんだよぉおおお!!!」
これが初心者勇者の現実である。
「こうなればもう直接行くしか...でも、こんな俺を入れてくれる所なんてあんのかな」
そう、ギルドと言えども協力戦。
初心者を入れてくれるギルドは少数しかいない。
まず上位ギルドは特別な称号を持った猛者達の集いで手も出ない。
「俺も何か一つ称号とか持ってればなぁ」
称号とは、魔獣の討伐数No.1、能力値No.1、大魔術師などといったずば抜けたスキルを持った勇者に与えられる称号、いわばその人間の価値なのだ。
「上位の人たちも元々は俺みたいな初心者だったんだよね〜。はぁー、俺もいつかは強くなってドラゴンとか魔獣とか倒してみたいよ。」
そんな独り言を呟いている時にふと声を掛けられた。
???「藍色の髪に、赤の効いた黒い目。武器はナイフ1本のみ。職種は戦士...君が募集掲示板に貼り紙を貼っていたレクト君で間違いない?」
レクト「!?」
急に名前を呼ばれてびっくりしたが、すぐに返事を返す。
レクト「あ、はい、そうです。何か内容に問題とかありましたか?」
ギルドの管理人と思ったレクトは、自分の書いた貼り紙に不備があったと思い質問した。
???「いや何か勘違いをしているようだな。私は君をギルドに誘いに来ただけなんだよ。」
ギ、ギ、ギ、ギルドドォォォオオオオ!?
願っても無い話だった。
でも自分に合ったギルドにも入りたいと言う事もあり、目の前にいる勧誘者にギルド名と名前を聞いた。
レクト「あの、失礼なんですがお名前とギルド名をお聞きしたいのですが...」
サラキア「あぁ紹介が遅れた。私はサラキア、職種は大魔術師、ギルドはラグナロクだ。」
レクト「あ、あのギルドランキング常にトップのラグナロク......?そして大魔術師...?」
レクトは頭が真っ白になりその場に倒れ込んだ。