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死ぬかと思った!!!!!
本当に、死ぬかと思った!!!!!
即行回復のスクロールを使用して、トモガラも使用して。
ダブル回復のスクロールで何とか凌いだ。
ソードマンのスキルの連携が半端無い。
剣も良い物を使っているようで、三節棍で耐えれるか心配だったが、魔樫はかなり丈夫でした。
捨てずにリアレンジして良かった。
で、剣技スキルを受けていると横腹に魔法が直撃する。
ウィザードの魔法スキルは俺の【エナジーボール】よりも強力だ。
詠唱もそこそこ早くなっているようで、その後ろにはガッツリクレリックが待機。
聖魔法って何、明らかにソードマンが回復しつつ強化されていた。
ローヴォも攻めあぐねているようで、何とかウィザードを牽制させているうちに、ソードマンを削りきった。
これがまた体力高いから、組み付いて転がして首の骨を圧し折った。
ゴブリンに隅落としは通用するのね。
ローヴォも若干魔法攻撃を貰いながらも、回復のスクロールとその機動力で何とか耐え忍んでいた。
バトンタッチ、魔法耐性が強い俺が前面に、ローヴォにはクレリックの始末をお願いした。
ウィザードは?
魔法職に近付いたらこっちのもんですたい。
杖奪って、ぼっこぼこにした。
詠唱なんか激痛キャンセルさせたるわ。
そしてクレリックはローヴォに食らい付かれながらも生きていた。
こら、遊んでるんじゃありません。
こうするんです、とクレリックの首をグワングワンさせて教えてやる。
ちなみに一発頭を殴って昏倒させている。
ふむふむと頷いたローヴォは、ゴブリンクレリックの首を噛むと一気に圧し折った。
流石、やれば出来るじゃん。
本命はホブゴブリンだが、やっぱりくせんするよね。
額に汗を流したトモガラが何故かキレる。
「早く手伝いやがれ!!!!」
「へいへい」
俺の気持ちが判ったか、ばーろー。
武器同士が打つかる、その衝撃を喜ぶようにホブゴブリンがげへげへ笑っている。
うーむ、楽しんでるよなコイツ、毎回。
両手で斬り結ぶ間に、俺は足を狙う。
ローヴォもだ。
「転ばせろ!」
「わかってるよ! デカくて重たいわい!」
「柔能く剛を制せよ!」
「剛能く柔を断たれてるんだけど」
朽ち木倒しを狙いに行くが、足蹴にされて転んでしまう。
力強いんだよ、コイツ。
「ぬあああ!」
攻撃の合間を縫って、重心がぶれた所を狙いに行く。
全力で足払いだ。
「ナイスー!」
転ばせたホブゴブリンの巨体に、二人で馬乗りになる。
と言っても、ホブゴブリンは大体二メートルくらい。
対する俺とトモガラはどっちも百八十センチ越えてるから。
そこまで巨体って訳でもない。
両足で腕を抑えたトモガラ。
俺は胴体と下半身に体重を乗せる。
ニヤッと笑っていそうなトモガラ、顔面を斧で殴打する音が響く。
俺もゴブリンの膝関節を狙おうかな。
……股はどうだ?
アキレス腱辺りをローヴォに噛みちぎらせつつ、俺は膝を三節棍で殴りつける。
そしてレイピアは、もちろん股の中心へ……、インッ。
「ゲギャアアア!!!」
聞いてる聞いてる。
後ろではもう蛮族の如きトモガラが斧を連続で振り下ろして。
顔はもうザクロかミンチだろう。
そしてクリア。
[シークレットエリア”滝壺裏の集落”のプレイヤースコアはSランクです]
[報酬をお受け取りください]
[プレイヤーのレベルが上がりました]
[テイムモンスター:ローヴォのレベルが上がりました]
レベルも上がっているようだ。
報酬は?
ボス討伐で15000グロウは大きいな。
【魔石(中)】素材
色々な素材として利用できる。
価値に比例して大きさと色艶が変わってくる。
【鬼子の長剣】製作者:???
オーガの系譜に至る魔物の剣。
子鬼であるが、その攻撃力はまさに鬼。
使い手の意志によって下級魔剣へと至る。
・攻撃:25
・耐久Lv5
・耐久100/100
・成長1/100
魔石(中)は地味に嬉しい。
これが二個も入ってた。
だが、それよりももっと面白い物が……。
ソードマンの持っていた剣なのだろうか。
鬼子の長剣、そしてその長剣にしては破格の攻撃力、そして成長という謎の項目。
しばらく使うぞ、これ。
そして宝箱ボーナスだ。
【スキル強化の書】50%
スキルのパラメーターを1ポイント強化する書。
静かにガッツポーズしておいた。
騒ぐと無駄な争いを生むからな。
そしてトモガラの歓喜の声も上がる。
「っしゃ! スキル強化!」
お互いゲットしたみたいだった。
そして使う。
問題なく成功。
【エナジーボール】
・威力Lv4/5
・消費Lv1/5
・熟練Lv1/5
・詠唱Lv1/5
もちろん【エナジーボール】でしょ。
やっとこさ威力がレベル4に、次でマックス、そうしたら次のスキルを覚えることが出来ると。
「よーし!」
トモガラも成功したみたいだ。
さて、レベルアップ分は【息吹】に振る。
【息吹(最適化)】
・効果Lv10/10
・消費Lv2/10
・熟練Lv10/10
※称号”道場二段”スキル。
ついでにスキルツリーを眺めていると、一つ変化を見つけた。
【フィジカルベール】LvMAX
・軽減値60%、熟練度100%まで上昇。
・装備制限解除。
・派生スキル【魔纏】への効果継承。
あれま、【魔素流々】が【魔纏】へと変わってしまっていた。
スキル候補も出ていない。
注視すると補足が出現する。
……最近になって注視して補足が見えることを覚えたなんて、恥ずかしい。
【魔素流々】
フィジカルベールの装備制限解除状態で、攻撃用特殊呼吸法スキルを覚えると使用可能。
息吹の効果上昇(大)。
スキルパラメーターの合計値の半数以上とレベル30で解放。
【魔素制動】
フィジカルベールの装備制限解除状態で、防御用特殊呼吸法スキルを覚えると使用可能。
三戦の効果上昇(大)
スキルパラメーターの合計値の半数以上とレベル30で解放。
【魔纏】
魔素流々と魔素制動が解放されると使用可能。
フィジカルベール、魔素流々、魔素制動の効果を持つ魔闘スキル。
道場四段の称号とレベル30で解放。
魔闘スキルだってよ!!!
だから、何なんだよ!!!!
おっと、注視してみよう。
システム補足だこんにゃろう。
【魔闘スキル】
魔法剣士の対を為す、前衛魔法使いの為のスキル。
と、だけ書いてあった。
レベル30で解放って、次の転職がレベル30ってことなのかな?
そのくらい俺だってわかるぞ。
一つショックだったのが……。
別に【息吹】をマックスにしなくても良いっぽくないか?
説明を読む限り、スキルパラメーターの合計値が半数以上になってると取得可能だと。
……と、言うことは【魔素流々】は現時点で取得可能というわけだ。
こまめに見ておけば良かったと痛感。
同時に【息吹】のスキル上げは一旦辞めて、【三戦】のパラメーターを半数以上にする。
と、行っても合計値が三十で今の所十四だから、一ポイントだけ振れば良いのよね。
なんてことだー!
だが、そのまま【息吹】の効果が継承されるのかというとそうではないみたいだ。
あくまで【息吹】の効果を高めるスキルだということで、レベルを上げておくことに越したことは無い、ということなのだろう。
そう言うことにしておく。
それで、【魔素流々】を取るのかと言えば、【魔素制動】を取得して道場で四段を取得すれば【魔纏】として一緒くたになるみたいなので、まだ取らないでおく。
何となくもったい無さそうだし。
それをトモガラに見せると。
「オワコンビルドも、怪我の巧妙だな」
と言われた。
失礼だな。
ちなみに道場四段は【煉気】らしいよ。
トモガラぱいせんは既に帯びとってるらしい。
流石廃人。
俺より伊達にプレイしてないぜ。
次、【闘気】じゃん……。
ってか【息吹】今まで秘密にしてたのに、ちゃっかり取ってんのかよ。
ちくしょー!
◇テイムモンスター
テイムネーム:ローヴォ
【グレイウルフ】灰色狼:Lv14
人なつこい犬種の狼。
魔物にしては珍しく、人と同じ物を食べ、同じ様な生活を営む。
群れというより社会に溶け込む能力を持っている。狩りが得意。
[噛みつき][引っ掻き][追跡]
[誘導][夜目][嗅覚][索敵]
[持久力][強襲][潜伏]
テイムモンスター装備
【合わせ翅と翡翠の首輪】
※躾けるには【調教】スキルが必要。
ローヴォはレベル十四へ。
特に代わり映えしないなあ、と思いながらも若干体つきが前より大きくなった?
と感じる今日この頃である。
スキル振りは、色々調べてから振ろうね。
と、心に誓う。
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