表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
71/626

-71-

今日は昼間も更新します。

タイトルもグローイング・スキル・オンラインにしたことですし。

しばらくこれで行きます。


 待ち合わせ場所はいつもの公園だった。

 そう言えばご飯まだだな。


「おっす」


「四本ください」


「あいよ」


 やきとりもどき屋の裸一貫男から、ガーリックソースがきいたやきとりを四本購入する。

 ずっと静かだったローヴォが、焼ける匂いを嗅ぐと騒ぎだした。

 なるほど、好みに合うものだったか。

 それとも、この間の味を覚えていたのか?


「パンはあります?」


「んなもんねぇよ」


「あれ、ズボン……」


「ちんちくりんの女にセクハラだの、ケダモノだのボロクソ言われたから、昨日の売上分で買って来た」


 紐で縛るタイプの簡単なズボンを履いた男は、「仕上だ」と一言。

 ひっくり返して良い焼き色が付いていた肉に特性のガーリックソースを塗って行く。

 同時にローヴォの鼻息も荒くなる。


 流石にパンは無いみたいだ。

 スティーブンの所から拝借していた日持ちすると説明が書かれた固いパンを切って肉を挟んでやる。

 流石に串のままでは食べ辛かろうて。


「はっふはっふ!」


「良い食いっぷりだな」


「テイムモンスターの条件、教えましょうか?」


「いやいい、俺が飼うと衛生的に問題がありそうだからな」


 苦笑いで返しておいた。

 ふざけた恰好のくせに、なんてハードボイルドな意見なんだ。

 やきとりもどきを食べると、不思議と力が湧いてくる気がした。

 何だか今日もいい調子で出来そうである。


「また」


「おう。東遷の焼き鳥屋をよろしく」


 東遷というプレイヤーネームなのね。

 見た所、第三陣プレイヤーっぽい。


 焼き鳥屋、期待が膨らみます。

 ビールをぐっと煽りたい気分です。


「あんたまた、面白いもの作ったみたいじゃない。あたしもホワイトリストに入れておきなさい。村長命令!」


「村長命令ね」


 ファンタジー洋画の町娘みたいな恰好ではなく、珍しく肘、膝にサポーターを身につけたレイラが居た。

 革鎧という物だな、セレクの所で作ってもらった物だろう。

 かく言う俺も、セレク仕立ての革装備である。




【鎧魚の小手】製作者:セレク

鎧魚の鱗を一枚一枚丁寧に繋げて作られたもの。

軽い、並の剣では刃がたたない。

・斬撃耐性Lv3

・防御Lv5

・耐久Lv3

・耐久100/100


【魔甲殻の脛当て】製作者:ガストン

持ち主の魔力によって硬度が変化する。

かなり軽く、硬度も中々。

・防御Lv4/5

・耐久Lv1

・耐久100/100


【軽兎フロッギーローブ】製作者:セレク

裁縫スキル【兎止め】と【河津縫い】を使用した特殊ローブ。

裁縫スキル【本返し縫い】によって耐久性の向上もされている。

軽く、通気性抜群で、完全防水。

格上相手には身体能力の向上(微)。

・防御Lv1

・耐久Lv1

・完全防水

・耐久100/100


【革レザーパンツ】製作者:セレク

フォレストウルフの革を基盤に、要所にはスターブグリズリーの丈夫な革が使用されている。

裁縫スキル【本返し縫い】によって耐久性の向上もされている。

・防御Lv2

・耐久Lv2

・耐久100/100


【革レザーシャツ】製作者:セレク

フォレストウルフの革を基盤に、要所にはスターブグリズリーの丈夫な革が使用されている。

裁縫スキル【本返し縫い】によって耐久性の向上もされている。

・防御Lv2

・耐久Lv2

・耐久100/100


【軽兎フロッギーブーツ】製作者:セレク

リバーフロッグとグリーンラビットの革を合わせた素材で作られている。

【セレクの裁縫】によって通気性、防水性、丈夫さをコンプリート。

・ブースト系スキルLv1プラス補正

・完全防水

・滑り止め

・耐久Lv1

・耐久100/100


【黒帯(三段)】

軽くて丈夫な素材で作られた帯。

色で階級と性能を表す。

・防御Lv3

・身体能力系スキルレベルボーナスLv1

・耐久100/100



 そこそこ充実した装備だが、ずっと愛用しているので些かガタが来ているのも否めない。

 耐久度は道場で師範代にボロボロにされてしまったので、回復してもらった。

 量は少ないが、バトルゴリラの毛皮素材使って見ても良いかもしれんね。

 もしくは新しく装備の素材になりそうなモンスター。

 探しましょう。


「北の森は最近、虎の魔物が潜伏して、ランダムで奇襲を駆けてくるらしいわよ」


 レイラの口から出たのは、ワクワク情報。

 いつだか公園で噂されていたイベントモンスターか。

 虎の魔物、トモガラが率先してソロで狩りに行ってやられたそうだ。

 レベル十五くらいの時だって。


 それは笑える。

 だが今回は護衛だ。


 報酬は中級回復ポーション。

 そして今回、北の森で採取できる材料から作られるマナポーションだ。


「南の森にもあるんだけど、北より敵が多いのよね、南って」


 今の所北の森で出会った敵を思い返す。

 ボスモンスターであるスターブグリズリー。

 【家族蟻】ファミリアント。

 【鵯蜂】ブルブルホーネット。

 【森狼】フォレストウルフ。

 くらいかな。

 薬草はちらほら生えているが、少しずつ集めるくらいなら南の森の群生地へ行く方が早い。


「蟻と蜂が森を統べているらしいわよ。見習い魔物学者のプレイヤーが何度も脚を運んで北の森を紐解いたって豪語していたわ。ホントかどうかわからないけどね」


「関心するなあ」


「全プレイヤーのなかでも死に戻りは屈指だと言われているわ」


「ローレントは北の森に全く行かないからわからないと思うけど、蜂と蟻には注意が必要よ」


「ブルブルホーネットとファミリアント?」


「いいえ、そんなちゃちなもんじゃないわ……、マーダーアントとキラーホーネットが奥地に居ることがわかったの、全ての動物はマーダーアントの餌だし、キラーホーネットの生息域に一歩でも足を踏み入れれば、すぐ集られて毒針で指されてすぐにやられてしまうわよ」


 殺人蟻と殺人蜂。

 北の森は本来横長の森で、テンバータウンとノークタウンを分つ森である。

 南の森よりも規模は小さいが、流石にモンスターが三種類は少ないと思ったんだ。

 それでも五種類みたいだ。

 夜になるとフォレストウルフが活動的になり、ちょろちょろポップしているグリーンラビットは即行食べられてしまって昼は見ないという魔物学者の見解であるらしい。


 んな馬鹿な。

 でも本当だって、そしてその狼すら足を踏み入れない地域として……。

 東西で蟻と蜂の生息域が別れているらしい。

 家族蟻と鵯蜂は、ここから追い出された別種なんだと。


「今回はどこへ?」


「東よ」


 蟻の生息域でした。


「エリアが正式に解放されたのは、一定数のプレイヤーが第二の町、ノークタウンに行ってから。テンバーとノークの村長に「最近森がおかしい」という合同依頼を受けると良いらしいわよ」


 蟻と蜂の駆除を依頼されるようなのだが、結果的に数が減ることは無いので間引き依頼という形なんだそうだ。

 毎週数がリセットされ、その一定数を達成すると、ある程度信用を得たプレイヤーに他の依頼が解放される。


「その一つがマナポーションなのよね、マーダーアントの生息圏じゃないと生えてないのよね……、マジックマッシュルーム」


 レイラがやれやれと溜息を尽きながら、出現したファミリアントに弩を放った。

 弩はミツバシによってちょろっとした機構が施され、女性の力でも弓を引けてかなりの強さの一撃を放つことが出来る。


「一応毒は塗ってあるわよ」


「毒ペナルティは?」


「知ってるわよ。私、薬師よ?」


 毒の知識だって何だって知ってると、目で語っていた。

 レイラさん怖いです。

 絶対こっちにその弩を向けないでほしい。


「でも流石にやり過ぎて素材がパーになる仕様になっちゃったから、今は独自配合の出来るだけ素材に影響が無いものを使用しているわよ」


「蛇の神経毒じゃないの?」


「あんたみたいにバカスカ狩れないわよ!」


 何故か怒られるのである。

 毒で仕留めた相手には出来るだけローヴォに噛み付かないように指示してあるが、レイラの独自配合なら良いだろう。


 次に複数体で出てたファミリアントは、レイラに攻撃させる暇などなく。

 ローヴォが即行触覚を食いちぎった。


 気が狂ったように暴れるファミリアントだが、触覚が無い影響か無差別になってしまっている。

 そこを三節棍で殴って行く。

 振り回すぜ、今日の俺はブンブン丸だぜ。


「まーた新しい武器」


「こないだ、六尺棒が折れてしまったので! ハッ!」


 ついでに絞め技効くか試してみた。

 【ブースト】と【フィジカルベール】は近接プレイでは必需品だ。

 そしてHPはどんどん減って行き、最終的に頭と胴体がポロリ。

 力を入れ過ぎたのか。

 それともHPが消えるとこうなるのか。


 落とす物は錬金素材くらいなので、あんまり使えない。

 ブルブルホーネットの針であれば、釣り竿に使えるんだけどな。


「多対一の方が得意なの?」


「うーん、まあそうかも」


 HPの残量を見る限りポーションは要らない。


「ねえ、消費MPはどんなもんなの?」


「元々魔法使い職だから心配無し」


「とんでもないわね」


 レイラの溜息が響く。

 失礼な、HPが低く、耐久も脆くて結構死にやすいというのに。


 さあ、どんどん東へ。

 森の奥へと進んで行く。


 ってかマジックマッシュルームってどんなんだ?

 マナポーションの材料だからマジックって名前が付くんだよな?

 危ないお薬とかそんなんじゃないよね?


空き時間が出来次第、誤字修正したいと思います。

書き溜め事態は粗方やってます。

べた書きですけども。


何かあれば活動報告にコメントしてください。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ