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 デスペナで、貴重な時間を無駄にした。

 怒りの狩りを取り仕切る。

 本当はやってはいけないが、牛狩りである。

 崖は完全にコボルト共を凌駕できるようになってから挑んでやる。


 あれが夜限定なのか、何なのか。

 デスペナ中公式サイトを確認したりしていた。

 わかったのはもうすぐタイアップイベントが到来するくらいの情報だった。


 ってことで、森を往来しまくって溜まった神経毒を大量に使う。

 ドロップにすることで肉も大量ゲットだぜ。

 崖の上から森をアポートして投げ続けた。


 アポートで死体になった牛は転移できるのか?

 その疑問にはこうお答えしよう。

 ……無理でした。

 そこまで便利なのは問屋が卸さないってことか。



[プレイヤーのレベルが上がりました]

[テイムモンスター:ローヴォのレベルが上がりました]



 さっさとレベルアップだ。

 牛の死体は着々と増えている。

 ドロップアイテムの回収は?

 ままならないくらい崖下に牛が群がっている。


 トンビが上から俺のことを狙っているが、そこはローヴォに牽制させた。

 大丈夫、心配しなくても一体くらいドロップ拾えるから。



プレイヤーネーム:ローレント

職業:無属性魔法使いLv23

信用度:75

残存スキルポイント:2

生産スキルポイント:1


◇テイムモンスター

テイムネーム:ローヴォ

【グレイウルフ】灰色狼:Lv9

人なつこい犬種の狼。

魔物にしては珍しく、人と同じ物を食べ、同じ様な生活を営む。

群れというより社会に溶け込む能力を持っている。狩りが得意。

[噛みつき][引っ掻き][追跡]

[誘導][夜目][嗅覚][索敵]

[持久力][強襲][潜伏]

テイムモンスター装備

【合わせ翅と翡翠の首輪】

※躾けるには【調教】スキルが必要。



 スキル振りは後回し。

 さ、無くなるまで毒狩りするよ。


 一度に塗りたくる神経毒の量を変えてみる。

 流石牛、そこそこ毒に対抗してくる。

 対抗してくるっていうか、身体が大きいせいで毒の巡りが遅いのかもしれない。


 ある程度の量を塗りたくらなければHPが自然回復する方が早かったりする。

 なんつー自浄作用。


 出し惜しみは?

 しませんとも。


 相手のレベル的にもっとも経験値が高い狩場と言える。

 レベル二十を越えてから大量に虫を狩って、そしてシークレットエリアのゴブリンを倒さないとレベルが上がりませんのでな。


 ガンガン経験値が溜まって行ってる気がするぞ。

 いいぞこれ。

 牛の数も目減りしている。

 というか投擲で当たる範囲には牛の群れが居なくなった。



[プレイヤーのレベルが上がりました]

[テイムモンスター:ローヴォのレベルが上がりました]



 ローヴォが欠伸したと共にレベルアップ。

 そんなに暇かい?

 一体どれだけ投げていたのだろうか。

 毒を付けた銛を……。


 俺はレベル24になり、ローヴォはレベル10だ。

 密かにクラスチェンジを期待していたのだが、それは至らず。



[称号”毒殺者”を獲得しました]



 代わりにこういう物を得ていた。

 称号だな。



【毒殺者】

限りない非道な行いをしたものに贈られる。(毒でプレイヤーを殺した経験があり、尚且つノンアクティブモンスターを百体以上毒状態にする、または毒殺する)

・毒耐性

・毒調合

・血清作成

・信用度上昇率低下



 プレイヤーキラーよりの称号でした。

 ってかおい……、信用度上昇率低下っておい。

 大丈夫かこれ。


 デスペナで諸々下がって信用度は75になっている。

 一時期90近くあった信用度がここまで落ちた物だ。

 何とかして稼がなければなるまいに……。


 肉は自分で保持する分を保持したら。

 あのえが○ゃんに似てる料理屋の店主に使える分は渡そう。


「おい、何してんの」


 トモガラが姿を表した。

 毒狩りだけど、なにか?


「うわ、なにこれ」


 今からドロップ回収するんだ。


「手伝ってやんよ」


「断る」


「そう怒るなって」


「取り分が減る」


 妥協案で自然消滅しかかってる牛からトモガラは回収することになった。

 どこから嗅ぎ付けて来た、このハイエナめ。

 回収後、恨めしく思っていると、肩を叩くトモガラに釣り竿を手渡された。


「ありがとよ、これ」


「釣れたのか?」


 そう尋ねると、トモガラは含み笑いしつつ自分のアイテムボックスからある物を取り出した。

 鑑定する。



【スキル強化の書(物理)】50%

物理系スキルのパラメーターを1ポイント強化する書。



 ちゃっかり出してやがった。


「ぶっは! 釣り始めたら即行出たぜ!」


 強運の持ち主な所も、コイツらしい。

 なおさら恨めしい、憎ましい、悩ましい。

 お前なんか禿げてしまえと思っていたらもう一枚のスキル強化の書を見せられた。


「二つ出すの苦労したぜ」


 ……ちくしょうめ!

 あれだけ頑張っても出なかった二つ目を出してやがる。

 三代祟るか、三親等まで一人ずつ拷問にかけてもうち止まぬこの衝動。

 一体どうしてくれようか。


「ま、お礼だよ。機嫌直せ」


「お?」


 手渡された物を鑑定してみる。



【スキル強化の書(魔法)】50%

魔法系スキルのパラメーターを1ポイント強化する書。



 流れは俺に来ている。

 掌返しに自分自身でも気付かない程に、俺のトモガラへの狂気に満ちた恨みは消え去っていた。

 流石トモガラ、その強運は、北海道の山中で小熊を連れたデカい母熊から逃げ切った時より、冴え渡っている様だった。

 まさに豪運とも言えよう。


「っしゃ、成功っと」


 ちゃっかり成功させている。

 これで俺が失敗したら呪う。



[スキル強化の書は、不思議な光を放ちながら強化に成功しました]



 っしゃおら!!!

 どんなもんじゃいこら!

 思わずガッツポーズを取ると、トモガラが笑ってみていた。


「その様子じゃ、無事成功したみたいだな」


 そして再びポップして、ノンアクティブで草を食らい続ける牛達を尻目に続けた。


「釣り竿の借り分と肉代を含めてもまだおつりが来る」


「む?」


「南の森の奥、知ってんだろ? 色々教えろよ」


 そう言うトモガラの目を見る。

 一体どこからそう言う情報を仕入れて来るのかわからんが、俺には情報を公開するよな? 友達だろ? というような目線である。


 ちゃっかり退路を塞いでくるのもお前のやり方か!

 まあスキル強化の書を貰ったので、見合うくらいの情報を提供しよう。

 牛狩りもそこそこに南への移動を開始した。



 おっと、その前に。

 スキル強化の書を使ったスキルはこちら。



◇スキルツリー

【エナジーボール】

・威力Lv3/5

・消費Lv1/5

・熟練Lv1/5

・詠唱Lv1/5



 最初の魔法。

 エナボである。

 順調に、魔法使いの道を歩んでいるぞ。

 俺は魔法職だ。

 無属性魔法使いだ。



◇スキルツリー

【息吹(最適化)】

・効果Lv3/10

・消費Lv1/10

・熟練Lv10/10

※称号”道場二段”スキル。



◇スキルツリー

【息吹(最適化)】

・効果Lv7/10

・消費Lv1/10

・熟練Lv10/10

※称号”道場二段”スキル。



 二レベル上がったスキルポイントは全て【息吹】の効果に振っておいた。

 物理攻撃力上昇だってさ、その分HPも消耗するという諸刃のスキル。

 ぶっちゃける今一使う機会が無いのだ。


 タイアップイベントで闘技大会が行われる。

 一応、その時の切り札として取っておくことにしている。

 隣を歩くトモガラももちろん出るだろう、闘技大会。


 一筋縄では行かない相手。

 うん、見せるのは得策でない。

 初披露は闘技大会で、だ。



 えが○ゃん似のオットーに牛肉を渡すと喜んでいた。

 その後、第一拠点に寄ってサイゼに肉を卸した。

 ついでに食事も取っておく。

 ローヴォは生と焼きで肉を味わっていた。


 ちなみに信頼度は2ポイント上昇した。

 以前は5ポイントくらい上昇した筈だった。



プレイヤーネーム:ローレント

職業:無属性魔法使いLv24

信用度:77

残存スキルポイント:0

生産スキルポイント:1



 キリが良い数字なので良しとしよう。

 何となく、良い物がドロップしそうだ。



レベルアップ回でした。

昼にしゃぶしゃぶ食べに行ったら二人で1万円でした。

美味しかったです。

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