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「ちょうどいいな……ツクヨイ、テンバータウンを案内してやってくれ」


「ええ? どういうことですか?」


「観光案内だよ」


「見るものなんて、そんなにないと思いますけど……」


 確かにそうではある。

 街の規模は強襲イベント後とか外周を拡張して大きくなっているが、それでも王都に比べたら矮小なものだ。

 でも、そんな田舎町だからこその良さだってあったりするはずだ。

 何より、調理師プレイヤーの飯がうまい。


 王都で食べたもの、ローロイズで食べたもの。

 それを置き去りにするほど、サイゼやミアンの料理は美味しい。


「見るものはないと言ったが、田んぼとか酒蔵とか、王都でも見ないからいけるだろ」


 田んぼは一応アラドにも存在するが、テンバーより念入りには行っていない。

 日本人としての性だな、稲作は。

 手をかけただけ美味しくなるし、そこに関して農業プレイヤー達は手を抜かない。


「まあ、確かにそうですけど」


「俺たちのソウルフードを味わってもらうとか、そう言う感じでいいだろ」


 丼もの、焼肉。

 東遷の焼き鳥屋や焼肉屋はあいにく敵の手に渡ってしまったが、その秘伝の味は潰えていない。

 テンバータウンで脈々と調味料を買っていくプレイヤーだって多いしな。


 俺はあまりしらないけど、噂では調理スキルをとってNPCと関わりを持ちながらソロで冒険プレイをする奴も多いんだとか。

 なんかラノベとか、マンガとかでそういう作品が人気になり真似ている奴がいるらしい。


「じゃ、俺はローロイズに戻る用事があるから、あと頼んだぞ」


「え、ええ? ちょ、ちょっと!」


 ツクヨイはたまにアホだが基本的には人がいいタイプだ。

 エミリオの友達にもなれるだろう。

 女の子の相手は女の子にさせておくのがいいしな。


「これから錬金スキルのレベルあげようと思ってたのに!」


「心配するな、すぐ戻ってくる。一応これはスティーブンから受けた師弟クエストみたいなもんだし、協力してくれ」


 それだけ言って、コーサーとローヴォを連れてすぐにローロイズへと向かう。

 テレポートを使ってもいいが、再使用待機時間があるからゲートを用いた。

 そしてスティーブンの家に帰ってくると、複数人の知らない手合いが部屋の中をガサゴソと調べている状況だった。


「──誰だッ!?」


 ゲートから出て来た俺に、全員が注目する。

 その前に武器を構える前に、さっさと動く。


 ローヴォは身を伏せ、地を這うように正面の敵の足元に食らいつく。

 コーサーはローヴォと一緒に動こうとして足をつっかけて転んだ。

 だがそれでナイフを躱せたから運のいいやつだ。


 俺は空蹴を用いて跳躍し、敵の投げたナイフを躱すと天井を蹴飛ばして猿臂打ち。

 天駆飛びだ。


「ぐっ!」


「む!」


 一発で死ななかった。

 今までの相手とはレベルが違うようである。

 そのまま鑑定をするが、




【オタル】Lv:50

商人




 あり得ないな、偽装だ偽装。

 すぐさま首に飛びついて一気に体を回転させる。


「ぐぎぎっ!!! ごのお!!!」


 魔装のスキルを失ってから……力自体は弱くなっていることは気付いてたが……。

 急所を突いた攻撃が効かない手合いはこれが初めてである。

 道端暗殺者は普通に殺せてたんだけどな……。


 職差があるのかもしれない。

 ってことはこいつは絶対商人じゃないよな。


 そのまま振り落とされそうになる前に、スペル・インパクトをかます。

 防御無視効果はなくなってしまったが、それでも無属性は相性関係なく相手にダメージを与える。


「ゴフッ!?」


 脳を揺らして昏倒させ、そのままストレージから大剣を引き寄せ、首に自由落下。

 刃が止まるが、上に石柱を転移させ重さで断頭。

 すぐさま羅刹ノ刀を引き抜いて、次の標的に食いつく。

 俺でもやや手数を取られる相手、ローヴォも攻めあぐねているみたいだった。

 まあ、機動力を生かすには大きくなってしまったローヴォの体格は広いスペースがいるからな。

 身を低くしているが、的になりかねない。


 キンキン!

 投げられたナイフを刀で弾きながら、前に飛び込み首を狙う。


「散開!」


「ハッ!」


 誰かの言葉とともに、一斉に窓ガラスやドアを破って外へ出ていく暗殺者たち。


「む?」


 逃げの一手?

 一人やられてはいるが、未だ状況は不利ではないはずだ。

 戦力分析でもされたのだろうか。

 奴さんの敵の数は優しく聞き出した上でも未知数。

 潜伏先は分かっているのだが……それもとっくに変更されてそうな雰囲気だった。


 ……そんなことよりも、窓ガラスとドアどうしてくれるんだこれ。

 俺がスティーブンに怒られかねないだろうに。


「……ローヴォ、追跡」


「グォン」


 俺の指示に従って、ローヴォが疾走していく。

 さて、俺は追跡よりもまず先に。

 コーサーと一緒にこの割れた窓とドアに適当の修理だ。

 一応の防犯対策を行う。

 それが終わってからローヴォの後を追おうかな。


 え? 入れないって?

 スティーブンだから別にいいだろう。


「師匠修理は私がしますから、どうぞ先に」


「ああ、そういえば手榴弾ジャケット作ってもらったけど……着る?」


「さあ! 修理を早く終わらせて一緒に行きますよ!!!」








ちょっと再び誤字がボロボロ出はじめてますね。

毎日更新急ぐ状況の中、ちょっと仕方のないことなのですが……

感想いただけたらできるだけ保存して直せるようにしたいとは思っています。

すいません><






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