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更新遅れて申し訳ありません!


「っひょー、あいつやるねえ」


「フフン、所詮あいつらはプロを自称する素人。我ら暗殺集団ブラッドリーの下っ端……言わば面汚し」


「……ベンゼルそれ……死亡フラグってやつじゃない?」


「なんだそれは?」


「プレイヤー達がよく言ってたよ、そうやって匂わせ発言する奴は後々死んでしまうって。それが死亡フラグだってさー?」


「そうか、ならば……私はこの仕事が終わったらしばらく休暇を貰う。だからさっさとあの雑魚どもの尻拭いだ」


「……なんだかそれも死亡フラグっぽいけどなあ」


「むうん……知らんし死なん。何が死亡フラグだ。それが立っとるのは奴だろう」


「まあね? 僕たちを敵に回した。それだけで死亡フラグだよ」


「だろうさシャム。立ってしまった死亡フラグとやらを……回収に行こうではないか」


「うふふ、了解なり。今回はなんだか面白そうだねっ!」




=====




「あっ、師匠。先についていらしたんですね」


「うむ」


 コーサー達は、観光用のパンフレットを見ながら街を歩いていたようで、その手には美味しそうに香ばしい匂いを奏でる魚串などが握られていた。


 買い食いか。

 いいないいな。

 見てると俺も腹が減ったぞ。


「……観光ガイドなのに、パンフレット持ってるなんて……あ、美味しい……」


 王女は何やら違和感を感じているようだが、串の美味しさに興味が移っていたので放っておこう。


「あまりよくわからないものを食べさせる──「まあまあグレイスさん。今日は良いじゃないですか」──はむっ!? ……って、美味い! 魚の匂いがあまり好きではないのだが、これはこれで……」


 グレイスは、買い食いは危険だからやめろと言う風に怒っていたが、フラシカに串を口に突っ込まれてその美味しさに納得という感じ。


「ローレントさん、一体何をお忘れだったのですか?」


 そう言いながら近づいてくるフラシカに、


「これだ」


 と、予め人数分用意しておいた釣竿を見せる。

 ミツバシ制作の最新式の釣竿だ。


 元々は竹林から採ってきた竹をブリアンに頼んで増やしてもらい。

 増やした竹竿をツクヨイに節目が目立たないように加工着色をしてもらい。

 そこまでこぎつけてから、ミツバシが糸を通す細工と巻き軸を作ってくれた。

 見た目は現代でも通用するような、よくある釣竿。

 鉄製の部分は防水加工の錬金もしてあり、グリップは懐かしきリバーフロッグの革。


「このフォルム、いつ見ても素晴らしいよなあ」


「えっと……?」


 みんなで力を合わせた力作の釣竿を見てそう言うと、困ったような顔をして首をひねるフラシカ。

 まあいい、とりあえず話を進めよう。


「今日はこれからチャーターした船に乗って海に出る」


「ああ、なるほど……釣りですか」


 フラシカは興味深そうに釣竿に触れる振りをして、俺に顔を寄せる。

 くそ、顔が近いぞおい。


「……それでどうでした?」


 どうでした、とは敵のことだろうか。

 コーサーがうまくこいつにだけ説明してくれていたようだ。


「六人。だが全て始末した」


「それはそれは、では午後は純粋に観光を楽しめると……?」


「警戒は怠るべきではない。他にもまだこのローロイズに来ているかもしれないからな」


 尋問した結果。

 詳しい数や詳細はわからないのだが、敵はまだいるってことが発覚したのだ。

 トモガラに情弱とでも言われそうだが……疑心暗鬼になるよりも、情報が確定できたってことの方がまだやりようはあるだろうからこれでよしとしておく。


「海に出るのですよね? ……危険では?」


「いや海の方が安全だ」


 白昼堂々。

 市民に紛れて暗殺を企てるような輩相手に、おめおめ観光に勤しむのは愚の骨頂。

 このメンツで船を出してしまえば、怪しい奴は一発でわかると言う寸法だ。


 それにもしだ。

 もし内部にいたとして、近衛の強さがどれほどのものかわからないが、二人を相手にしてコーサーとローヴォに王女の任せて逃すことはできる。


 まあ、転移魔法を覚えた今。

 俺を逃さないで戦うには、それこそここら一帯の魔法を使えなくさせるようなとんでもないアイテムとかが必要になるだろう。


 そこまでして襲ってくるのだろうか?

 俺としてはどちらでもいい。

 大人しく海の上で暗殺者共が釣れるのを待つだけだ。


「なるほど、良き案です。さすが賢者様の直弟子様ですね。この件に関してはご一任させていただきます」


「わかった」


 戦った後だからだろうか、いつの間にか敬語を使うこともなくなっていた。

 それでもフラシカは何も言わないあたり、俺を認めてくれているのだろうか。


「みんな、船に」


 観光用の遊覧船ではあるが、釣り船として使っても問題はないだろう。


「ゆ、揺れる」


「私が手を握っていますから大丈夫です」


「ありがとうございます、グレイス」


 桟橋と船をつなぐ軋む渡り板の上を渡って、俺たちは船へと乗り込んで行く。

 全員乗り込んだのを確認し、渡り板を船の中に投げ入れると、桟橋にくくりつけてあったロープを解いて俺も船に飛び乗った。


「さて、久々の操船だな」


「なんだか妙に板についてますね……師匠」


「当然だ」


 なんたって、海の男だからな。

 なし崩し的に漁師の職業についたのだが、もともと海も魚も嫌いではない。


 海はいいぞ。


 砂浜はいい鍛錬にもなり。

 心も洗い。


 食料もある。

 最高だ。









断じてゲームにはまっているわけではないということを、ここに一つ。






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