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 大きなゴブリンが複数登場した。

 レア・ホブゴブリンみたいな、強そうなやつ。

 あれが敵の本懐なのだろうか。


「ゲギャ!!!」


 相変わらず何をいっているのかはわからない。

 だが、周りのゴブリン達が一斉に統率された。

 それから意味を察することはできる。


「とりあえず強そうなのは潰しておくか──」


「!?」


「バースト、ブラスト」


 テレポートで中央へと切り込んで、でかいゴブリン達のそばに行くと。

 そのままワイズバーストで弾き飛ばして、一番装備が良さそうなゴブリンにワイズブラスト。


「ゲギャギャギャ!!」


 弾き飛ばされた奴らは、空中で体勢を立て直してすぐに向かいくる。

 斬りかかってきた一体の首を跳ね飛ばし、蹴り飛ばす。

 それでおののいた瞬間に、重複詠唱をしたアポートとアスポートを使用。

 言い表すなら、物体限定のテレポートだな。

 それで石柱を大量に、そして確実にでかいゴブリンに落として行く。




 ズドンズドンズドンズドンズドン。




 質量を伴った大量落下物に激しい地響きが起こる。

 その瞬間、インフォメーションメッセージが響く。




[重複詠唱の効果により、一部スキルが統合されます]

[対象スキルは【アポート】【アスポート】]

[統合後のスキルは【オブジェクトムービング】です]




 ……む?

 新たなスキルに変わったぞ?

 統合システム初耳なのだが?


 まあ、そんなことを考えている暇はない。

 アポートとアスポートを思考で唱えても石柱が動かなくなった。

 だが代わりにオブジェクトムービングと思考で唱えると、新たにストレージから任意の位置に石柱を転移できるし、さらにもとある石柱を任意の位置に動かすことができた。


 なるほど、いちいち重複詠唱しなくてもよくなるのね。

 消費MPはどうだろう、使った感じ。

 二つ分とか重複詠唱にかけて割高で消費するよりも少ないと見た。

 お得になったってことだろう。


「ゲギャアアア!!!」


 追加でどんどんゴブリンが増えてくる。

 空蹴で空中へ。

 そしてオブジェクトムービングで石柱の階段である。


 これは楽だな!

 アポートは手元、アスポートは手元から。

 石柱を空中の足場にするのはタイムラグやら姿勢やらで面倒だったのだが、これだと足の踏み場に指定して直接転移させることができる。


「死体が邪魔だな」


 殺した死体はオブジェクトムービングのさらに重複詠唱で2体ずつひとかたまりにさせて行く。

 ゴブリン達から見たら、同胞の死体の山ができていくようなものだろう。


 さて、それを見たゴブリンはどう思うのかな。

 一丁前に仲間意識を持って俺に恨みを持つのかな。


 どうでもいいな、魔物だし。


「とりあえず爆ぜろ」


 手元に引き寄せた手榴弾を隙間から死体の山に転移させた。

 そして爆発。


 ゴブリンの死体花火みたいになっていた。

 これはやばいな。

 ゴブリン達がちょっとヤバ目の表情をしている。


 ついでに、コーサーとエニシも。

 やばい表情をしている。


「ほら今がチャンスだから切り込めよコーサー! エニシ!」


 叫ぶと、


「は、はい師匠!!」


「あ、相変わらずとんでもないですね……撮影はやっぱりNGですかね? NGですよね」


「当然NGだぞ」


 こんな姿みられたらまた変な視線が増える、引かれる。

 俺だってセーブして馴れ合おうとしてなんとかゲームやってんだ。


 着地と同時に、ゴブリンを潰す。

 一度統率されてしまったが、統率者を潰して再び混乱させてしまえばこんなもんだな。


 コーサー、エニシ、ローヴォ、ルビーがどんどんゴブリンの数を減らして行く。

 経験値経験値。

 ギルドの冒険者達がくる前にあらかた蹴りをつけてしまいたい。


「よーし、コーサー爆炎の中もがんばれ」


「は?」


 頑張って戦うコーサー見てたら、応援したくなった。

 なので、手榴弾五、六個振りまいてみた。


「ふごわあああああああ!!!!!!」


 走って逃げるコーサー。

 なんだよ、戦えよ。


「爆発する前に掴んで相手に投げるとか、うまく立ち回れよ」


「控えめに言って無理です!」


 控えるなよ。


「ローレントさんそれはさすがにかわいそうです!」


 エニシも不憫に思ったのかコーサーの見方をする。

 そしてローヴォが吠えて、ルビーにけられた。

 なんだ、立つ瀬がないな。

 ああ、ふざけるなって言いたいのだろうか。


 ……真面目なんだけどなあ。

 ぐすんぐすん。


 さて、冗談はさておいて。

 空中から見ると、まだ追加のゴブリン達がこの戦場へと走ってきているのが見えた。

 数は……数えられないくらい膨大。


 裏ギルドのプレイヤーは見えない。

 どこかに潜伏してるんだろうな。

 ちょっと探すか。


 神経研ぎ澄ませて索敵モード。

 森を把握しよう。


「……おっと」


 下から魔法が飛んできた。

 マジシャン系のゴブリンかと思ったが、違った。


 奴らだ。

 俺の獲物ではない。


「エニシ」


「なんですか?」


 戦火の中へ降りて、ゴブリンの首を跳ね飛ばし、六尺棒で砕きながらエニシの元へ行く。

 そして告げる。


「お前の獲物があっちにいるぞ」


「え?」


「だから、ジュンヤくぅんとやらはお前が相手をするのだろう?」


「あっ」


 自ら責任を取ると言っていたわけだし、ここはエニシに譲ることにする。

 だから、責任持ってあいつらを処理してこい。

 空中にいる俺に魔法を打ってきたってことは、腰が引けているのだろう。

 魔法職である俺に魔法攻撃はあまりダメージが通らないというのにな。


「ゴブリンはまだまだ増えてくる。今を逃せば煙を巻かれるぞ」


「いいんですか? まあ、ローレントさんだったらこの状況は大丈夫だと思いますけど」


「いや、俺も今から他の奴らを探しに行く。ここはコーサーに任せればいいだろう」


「え!!!!!!!!」


 必死に戦っていたコーサーが今日一番の声を上げていた。


「修行とかどうこうじゃないんですけど! 一人ってまた抗争の時と一緒じゃないですかー!!」


「大丈夫だ。ローヴォとルビーをつけとくから」


「でも、この数のゴブリンですけど!!」


「ならばコーサー、剣を持つことを許す」


「そんな問題じゃないです!!!!」


 まったくしょうがないな。

 大集団戦の立ち回りは、マフィア抗争の時にずっと見せていたはずなんだけどな。

 改めて教えてやるとするか……。


「世話のかかる弟子に言われて俺はまだやっぱりここにいるけど、エニシは行ってもいいぞ?」


「えっと……わ、わかりました……」


 そういうと、何やら難しい顔をしてエニシは俺が示した方向へと走って行った。

 と、いうよりも木枠に丸い型のタイヤみたいなものをはめこんだ、よくわからない乗り物に乗って、走って行った。


 なにそれ……俺も欲しい。

 見たことある形だな、なんて思ってたけど……セ◯ウェイ?

 セグウ◯イだよなあれ。







集団戦を教えるローレントと、エニシとジュンヤくぅんの戦いが1話づつあります。

どっちを先に見たいかあれば言っていただければアップの順番変えます。


(二日経てばどっちも見れるんですけどね!!!!!!!!!)


エニシくぅんの乗っていたセグ◯ェイみたいな乗り物の秘密もその解き明かします。


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