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「わかってるんだぞ! 見ろ、このギルドカード!」


 俺とギルドの人たちしかいない空間。

 バニシグが一人、テーブルを叩きながら叫んでいた。

 提示されているのは、この間の日付でゴブリン討伐178体という表示。


「意外と狩ったなあ」


「い、意外と!? 意外とだとおおおお!?」


 途中から数なんか数えてない。

 ただ、ローヴォと一緒に索敵勝負しながら、目についたゴブリンを狩って狩って狩りまくった。


 そんな記憶しかない。

 というよりも、変やプレイヤーいたよなーってくらいしか覚えていない。


「たかがゴブリン178体で、なんだと言うんだ」


 別に数が減るから良いだろうに、と思う。

 額に青筋を浮かべるバニシグに、後ろに控えていた部下っぽいやつが言う。


「グループによる犯行でしょうか?」


「……だが、こいつ以外にこれほどの数のゴブリンを狩ったやつがいない」


「外部の者の犯行です」


「……なるほどな、裏か? なおさら怪しくなって来たぞ!」


 そう言いながらバニシグはもう一度、強くテーブルを叩いた。


「何が目的だローレント!」


「何が目的って……」


 ゴブリン狩りに目的なんかあるのだろうか。

 確かに間引き依頼はギルドに出ている。

 だから、大量に殲滅して、部族を潰す。

 そしたら王都への危険もなくなる。


「そもそも何がいけないのか。そこから先に言え」


「なんだと!?」


「ゴブリンを大量に狩った。潰した集落は三つ。それ以外にも野良で歩いているやつを大量に狩った。扇動なんてするはずもないし、村は根絶やしにしたから問題はない」


 子供のゴブリンとて、容赦なく殺した。

 禍根を残さない、すなわち根絶やし。


 うまくやったと思うぞ。

 ゴブリンスレイヤーの称号すらもらえるだろう。

 逆に貰えないのが不思議なんだけど。


 そう告げると。


「本当に根絶やしにしたのか? だったらゴブリン達が一つの場所に集結しているはずもないだろう? どこかで漏らしたんじゃないのか?」


「それは否定できないが、別に俺だけじゃないだろう」


「可能性としては、貴様が一番大きいからだローレント」


「例えばだ、仮にそうだとしても俺は何をすればいい? 集結したゴブリン達を殲滅してそれでいいならば、今すぐ狩りに行くが?」


 コーサーのレベル上げにもなるだろう。

 ゴブリンは集まれば確かに強い。

 強いのだが人型である限り、敵じゃない。

 首をへし折れば、刎ね飛ばせばすぐに死ぬ。


「ふん、簡単にそれができるものか。今お前よりも腕すぐりの冒険者を集めているところだ」


 そう言いながら、バニシグはテーブルに両手をついて俺に顔を近づけた。

 汚い顔だ。


「それよりも……俺は今、とある組織を追っている」


「む?」


「俺たちギルドに喧嘩を売る裏ギルドって組織だ。奴らはこういう魔物を使った悪事に手を染めていると聞く……」


 ニヤリと笑いながら俺を尋問するバニシグはさらに言葉を続ける。


「これだけのことだ……グループでの犯行だろう? ローレント貴様……実は裏ギルドと繋がってるんじゃないのか? 今すぐ吐けば罪が軽くなるように俺から口利きしとくぞ? お?」





「…………………………へえ」





 俺が。


 裏ギルドと。


 繋がっている可能性。




 ……か。


「まったくふざけてんな」


「──────ッッッッ!?」


 殺気が漏れ出た。

 それだけでバニシグは吹き飛ぶ。

 後ろに控え得ていた冒険者ギルドの職員も転ぶ。


 もはや隠す気もない。

 そして抑える気もない。


 椅子から立ち上がってテーブルを蹴飛ばす。


「ひいっ!?」


 後ろの職員の女の悲鳴が聞こえた。

 だが、それよりもまずこの汚い面の男だ。


「おいバニシグ」


「は、はひっ!」


 殺気を向けたまま胸ぐらを掴む。


「お前はまだ裏ギルドの情報を掴めてないのか?」


「〜〜〜〜!!!」


 締めながら聞くと、青い顔しながらコクコクと頷いていた。

 ふん、それだとギルドの情報網もたかが知れているな。

 随分と偉そうなことを言っていたが、ギルドは結局出し抜かれる側なようだ。

 やはり、最初からあまり関わらなくて正解だったとも言える。


「お前らじゃ、尻尾を掴むなんて無理だ」


「な、なら貴様が……ッッ!!」


「不正解。俺があんなクソみたいな裏ギルドにつくわけないだろ。そもそもギルドって名前がつくものは総じてクソだと思ってるわけだが……」


「貴、様……!! そ、れは、侮辱……だ、ぞッ……!」


「まあ、情報は知ってるが……バニシグ、お前に教えてどうにかなるものでもないだろうな」


 腕すぐりの冒険者が、この冒険者ギルドにはいるのだろうが……。


 果たしてそれで対抗できるのだろうか。

 裏ギルドには曲者が二人。

 そしてすっかりなりを潜めて目立たない敵対達人連中。

 さらにはスティーブンと同じ立ち位置の双極と貴族が控えているのだろう。

 マフィアもノスタルジオがいるのだろう。


「……か、はっ!」


「おっと」


 無意識でバニシグの首も極めていたらしく、死にそうになっていた。

 殺すとまずいので、すぐさま解放する。


 ぜえぜえと必死に呼吸をするバニシグは、首を押さえながら叫んだ。


「敵対しているってことか!?」


「そうだが?」


「な、ならば手を……手を結ぶというのは……」


「──断る」


「な、なに!?」


 コンマ数秒で断ってやった。

 あの尋問方法とか、なんか権力に溺れた野郎って感じで好きじゃない。

 まず疑いの状況で尋問をするなんてクソみたいな真似は、俺はしない。

 必ず敵認定しないと、それはただの暴力となるからな。


「ぐ……」


 バニシグが、なんとか言い返そうとした時。

 バタンと部屋の扉が開いて誰かが入ってきた。


「例のゴブリンの件ですが!! もう大群が王都へ向かってきているようなのです!!」


「なに!?」


 部屋にいた職員達に戦慄が走っていた。


「バ、バカな!! 兆候が現れただけで、まだ先だって見通しが立っていたはずだろう!!」


「でも、慌てて王都へ引き返してきた冒険者達が、進軍するゴブリンの大群を見たと!」


「ぐ、ぐぐ……すぐさま討伐隊を組織するしかないだろう! ギルド長はどうした!?」


「そ、それが……間が悪いことに……上位ランクの冒険者とギルド長が今いらっしゃらなくて!」


 ギャグかよ……。

 でもまあ、確かにゴブリン狩り尽くした責任があるので、討伐には携わることはしようと思う。


「ゴブリン討伐くらいだったら手伝おう」


 そういうと。


「新しい情報です!」


 と、もう一人新しく部屋に入ってきた。


「どうした!?」


「そ、それが……人の言葉を操れるタイプのゴブリンが口々に……ろーれんとろーれんとと、意味のわからない言葉を発しながら進軍しているそうです!!」


「なにいいいいいいいいいいい!?」


 ……もうこれはギャグを通り越した何かだ。

 なんだ、いったいなんなんだ。

 殺気も萎えました。











ゴブリン「ろーれんとおおおおろーれんとおおおおお!!」


ローレント「………………どういうことー」







さて、一体どういうことでしょうか!

最近フォートナ●トってゲームにはまっています。

あとは某2Dオンラインゲームをちょくちょくしながら、執筆やら新作やらを書いています。


短編とか、色々他のジャンルも練習したいと思っています。

もちろんGSOの毎日更新は止まりません。






毎日更新できるのも皆様が読んでくださるおかげです。

本当に力です。

モチベーションに変わります。


いつもブクマ、評価、さらには感想までいただけて。

感無量です。(土下座



書籍も二冊出すことができていますし。

本当に皆さんのおかげですよ。

GSO2巻ぜひよろしくお願いします。

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