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 さて。

 昨日は復習やタッグバトルやらを五連勝。

 圏外枠だったので、ランクの上下はない。


 だが五連勝ということで、タッグランキングへの挑戦権を勝ち取ることができたのだった。

 ちなみに、タッグランキングも100位まである。

 平均レベルは80〜90台。


 ……どうやら、“闘技場内”では経験値はもらえないそうだ。

 それだと篭る必要はあるのだろうかと。

 そう思えるのだが、この籠りは経験値というよりも戦闘経験を積むためのもの。


 ありとあらゆる敵と対人戦を行い。

 なれることが重要なのだ。


 なれるもの、それは殺す感覚でもある。

 まあ、レベル的な補強に関しては狩りにてレベルをあげる機会を作るといいだろう。


 直接的な戦闘経験は、道場での鍛錬よりもレベルアップ時のステータスの伸びがいい。

 一般的な人からプレイヤーから見た闘技場の旨味というのは、ステータスの伸び代増大とファイトマネー。

 だが、無形財産というか、戦ってきた歴史は体が、魂が記憶する。


「戦えば戦うほど、人は価値を体に秘める。それがいちばんの財産だ。なあコーサー?」


「そうですね……」


 ボロボロになったコーサーがへとへとの表情でうなずいていた。


 なぜボロボロになっているかというと。

 ランク戦は夕方からだというわけで。

 朝からレギオンコングをしばきにいっていたのだ。


 ゴリラ達との戦いは楽しかった。

 素材も十分に集まった。


 セレクに朝から素材を自力で集めてくると連絡を入れていたので、俺の分の軍服を新しく作ってもらおうと思う。

 だが、彼女がこれを着て動きを確かめてほしいといっていたので、しばらくこの流水の道衣で行かせてもらう。


「……狩りへの動向は何気に初めてというか……だいたいこんな感じなんですか?」


「そうだ。山籠りだと、もっとハードだぞ?」


「……そうですか、ははは」


 乾いた笑い声を浮かべるコーサーだった。


 でも。

 俺、コーサー、ローヴォ、ノーチェ、ルビー。

 わりかしフルパーティ的なメンバーでの狩りである。

 あまり危険な場面はなかった。


 みんなが優しくコーサーをフォローしてたからだな。

 テイムモンスターとコーサーは軒並みレベルが上がっている。




契約対象▽

【ローヴォ】バッドラックウルフ:Lv29

特殊能力:悪運の瞳

装備:合わせ翅と翡翠の首輪

【ノーチェ】幻影馬:Lv22

特殊能力:残像

装備:魔銀馬装

【ルビー】クリムゾンコニー:Lv27

特殊能力:空蹴

装備:奔放の首輪

【コーサー】ボス:Lv75

特殊能力:組織化、カリスマ

装備:軍服一式、魔銀のナイフ、銛銃

【トンスキオーネ】アンダーボス:Lv94

特殊能力:組織運営、カリスマ、商才

装備:魔導兵器




 装備はちょくちょく変えているし別にいいとして。

 この特殊能力って、契約対象のみに現れるものなんだよな?


 改めてモンスター達以外のコーサーとトンスキオーネの特殊能力がやや謎。

 組織化すれば経験値とか、諸々とか、それが集約してトップに入るんだよな?

 コーサーのレベルとか、俺のレベルとかもっと上がっていいはずなのだが……。


 ノスタルジオとのいざこざがない今。

 テージシティの裏側は完全に二分化されている。

 中小マフィアなんかはちょくちょくいるが、今の所は完全に住み分けされて、わりかし平和だ。

 だから、争いが少ないのだ。


 トンスキオーネがニシトモと一緒に表の商売に力を入れている。

 だから奪い取らなくてもいい。

 しのぎを頑張って削らなくてもいいのだ。

 普通に表で働いているだけで、今のところ生きていけるんだからな。


 まあ悪どいこともやってるけど、だいぶクリーンになっている。

 そんな印象だ。


 だから集められる経験値なんてカスみたいなもんだろう。

 そういう理由があったのではないかと、思っている。


 本当のところはどうなのかもわからないけどな。

 そもそもコーサーのスキル構成も俺は知らん。

 今はとりあえずスキルなしを徹底させている。


 だがいずれは使う時が来るだろう。

 俺、コーサーのスキルを今だに知らないとか、本当に適当に思ってたんだな。

 反省せねば、反省の虫でございます。


「コーサー」


「はい」


「飯を食べたら、闘技場のトレーニング施設を使う」


「わかりました」


 休みは無い。

 飯を食う時のみだ。

 だが、それでもコーサーは必死について来る。


「その時、ステータスとスキル構成を俺に教えてくれ」


「了解です。スキル名くらいなら、今羅列しましょうか?」


「いや、トレーニング施設でスキルの使用感を見ながらでいい。今は休憩に集中しておけ」


「休憩って言っても……ただひたすら食べるってのも……辛いですけども……」


「別に俺のペースに合わせなくていいけど」


「そ、そうなんですか!?」


 昨日こいつは飯の途中で気絶していたわけだが、そうか。

 俺に合わせて無理やり詰め込んで気絶したわけか……。


 悪いことしたなあ。

 でも普通、限界を超えても食い続けるってしなくね?


 無理なら無理で止めとけばいいのに。

 変なところで真面目だな。


「とりあえず今日もあの四人連中のところだ」


「……またですか。もう勘弁してやったほうが……」


「しない」


「……そうですか……あ、もう師匠の姿を見ただけで屋台片付け始めてますけど」


「させんぞ」


 視認転移。






「──うわああああああああ!!!」


「──でででたあああああ!!!」


「ケーキ屋あ!! お前一番コスパいいだろ!!」


「馬鹿テメェステーキで腹一杯にさせてからこっちに投げろ!!」


「いや今日は全員で食べるぞ。ローヴォ、ノーチェ、ルビー、コーサー、そして俺だ」


「「「「ひいいいいいいいいい!!!」」」」





 冗談冗談。

 その後、ちゃんと食べた分のお金とか諸々払った。

 潰れてもらっちゃ困るからな。







次回ランク戦。

その次、ちょっとした騒動。






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