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ツクヨイ「なんかジャンル別日間ランキングの5位に再浮上してましたです!」

セレク「あらっ! 嬉しい限りね!」




 相手のタッグは、片手剣を持つタイプと拳闘師タイプ。

 名前はセンスィとラニ。


 スイセンとニラかな……。

 よく食中毒出るよな。

 匂いで嗅ぎわけよう。


 片手剣と盾を構えるセンスィが言う。


「なんだ? そっちはどっちも武器なしか?」


「そうだな」


 そう返しておこう。

 すると、


「怪我しないうちに降参することだな。この闘技場……死にはしないが痛みは感じるぞ」


「忠告どうも。武器はあるけど使わないだけだ」


「……言ってくれるな」


 どうやら逆鱗に触れたようだ。

 まあ、武器持ちによくあるやつだよな。


 ゲームだから武器の攻撃力ってのがついていて、頼る気持ちはわかる。

 俺だって装備の能力ってものは大事にしている。

 だが、武器持ちを素手で倒せぬようじゃ、こっちの目標には届かない。


「コーサー、一人は武器なしだから、一人で行けるだろ?」


「……簡単に言ってくれますね」


 俺とコーサーのその会話を聞いていた拳闘師のラニも急に雰囲気を変える。


「まさかと思うが、武器なしがハンデだと思っているのか?」


 また逆鱗に触れてしまったのだろうか。

 つーか、隣のやつにそっくりそのまま言えよ。

 そう思っていると、ラニはガントレットを両腕に装備する。


「刻むぞ……?」


 そのガントレットには三本の鉤爪がついていた。

 クロー系の武器か……なるほど、ゲームの拳闘師だとそうやって補強するのか。


「師匠……なんで逆鱗に触れるようなこと言うんですか……」


「言っておくがコーサー、実戦では触れても触れなくても関係ないぞ」


 むしろ触れたほうがいい。

 触れまくって相手の調子をずらす。

 それが、兵法の一つでもある。


 拮抗した戦いでは、相手の手札を先に出させたほうが勝ちになる。

 だったら最初から全力を出させたほうが、対処のしようがあるのだよ。

 手抜きされたらコーサーの実力わからないからな。


 それに……、


「アンジェリックのところでもちょくちょく戦ってたんだろう? 倉庫で適当な雑魚達をあしらっているのを見たが、本当の実力はどうなんだ? まさかレベル相応とは言わないだろうな?」


「……それは……」


「レベルが確かに重要な強化要素だ。でもなコーサー……俺が教えるものはレベルじゃないんだ。同じ、もしくは少しだけ上の奴ら相手に拮抗するようじゃ、この先お前に才能なしの烙印を押すぞ?」


「…………」


 コーサーは黙っている。

 そして試合スタートの音がなった。


 警戒しながらジリジリと詰め寄ってくる二人の敵。

 俺はコーサーの背中をトンと押す。


「無理やり連れ回したとは言え、抗争の時しっかりついてきたお前の実力は信じているぞ」


 コーサーのいい部分は、良くも悪くも甘さではないかと思う。

 いや、甘さと言うよりももっと芯にある優しさだろうか。

 そこを重要視して、ボスに挿げた。

 だが、足りないものがもっとあった。


 俺も悪い。

 ただついてこいと言っていただけの俺が悪い。


「やれるだけやります」


 そう言ってコーサーは二人相手に一歩踏み出した。

 鈍な剣だったら、斬撃耐性は十分ある。

 あとは武器持ち相手にナイフ一本でどう立ち回るか。

 それに尽きるのだが……。


「「──ッ!?」」


 コーサーはポケットに入れていた銛銃を取り出していきなりはっぽいした。

 観客席がざわめく。


「武器を使ってるじゃないか!」


 射出された銛に反応し避け、分断した二人。

 愚痴を零すセンスィに、コーサーは言う。


「武器ではなく、道具です」


 ……確かに。

 もともと銛って、職業用の装備を一個持てる時代に持っていた道具だ。

 一本銛、投銛から始まって、弾機銛になり、そして銃タイプになった。

 銃だけど、実際は便利な銛グッズって感じなんだよな。


「道具……だと?」


「武器はナイフ指定ですけど、できるだけ素手でやれと言われているので……ッッ!!」


 コーサーはそのまま分断して、一番近かったセンスィに前蹴りを放つ。

 ヤクザキックってやつだ。

 マフィアだからなんだか様になっている気がする。


「ぐっ!」


「なかなか戦い慣れてるな!」


 盾で防御するが、弾き飛ばされるセンスィ。

 フォローするように、ラニがコーサーへと鉤爪で殴りかかる。


「無理難題に付き合わされて来た分、私の中にも相応のものはあります」


 コーサーは横に飛んで、ラニの鉤爪を交わす。

 そしてすぐ立ち上がって体当たり。

 すぐさまマウントを取って、顔面に拳を振り下ろす。


「才能なし? わかってるんですよそんなことは! ただ、私はあの男達をぶん殴りたい、ただそれだけなんです! 才能がなくても別に構いません、どれだけ痛い目見ようとも、実力の差を見せつけられようとも、食い下がってやりますよ!」


 …………ふむ。


 コーサーは気持ちをぶつけるように、ラニを殴りつける。

 だが相手は二人だ。

 一撃で仕留めきれないと、マウントを取る意味がない。


「おいおい、なにマウント取られてんだよ!」


 俺を一応警戒していたセンスィではあるが、動かないことを察するとすぐにラニを助けに回る。


「チッ、こっちに眼中がないってのが癪に触る男だ──クラッシュブロー!」


「ぐふっ!」


 ラニの突き出した鉤爪を切りつけられながらも受けるコーサー。

 だがその後に使われたスキルで後ろに弾き飛ばされた。


「馬鹿かよ? これはタッグだぞ?」


 センスィが背後を取って片手剣でコーサーの首元を貫きに行く。


「そんなに相方死なせたいならお望み通りにしてやるよ!」


「まったく、つまらん試合で私らのファンまで減らしてくれるなよ!」


 後ろと前から、挟み撃ち。

 二対一の戦いでは絶対的なセオリー。


「ブレイズスラッシュ!」


「シリアルキラー!」


 苦い顔をするコーサーに対して、二人はそのセオリーを守った上で攻撃スキルを放つ。

 どっちを防御しても、当たれば致命傷となる一撃だろう。


「くっ」


 コーサーは、どっちかを確実に防ぐことを選んだ。

 鉤爪はまだ防刃装備で防ぐことが可能。

 だったら、とセンスィの片手剣にナイフで対応する。


『──ッッ!』


 見ていた観客達が、絶体絶命のコーサーを見ていた。

 もうみんなダメだと思っただろう。


 ……だが、そんなことはない。


「し、師匠……!」


 テレポートで、コーサーの後ろに入り、手甲で二人の攻撃を受けて化勁で逸らす。


「「ッ!?」」


 するっと威力がすり抜けて行くような感覚に、センスィとラニはバランスを崩す。

 観客席から響めきが起こった。


 うーん、ギャリギャリと手甲を擦る音がするかと思ったんだが……。

 流水の道衣のおかげだろうか?

 あっけなく攻撃は受け流され、そして俺は全くの無傷である。


 やっぱりすごいな。

 昔は防御がないと、攻撃が掠めるだけで魔法職ってHP削られてたんだ。


「……し、死ぬまでやらせるかと思ってました……」


「いや、戦い方を見て足りないものを見極めるつもりだった。まあ、やっぱり基本の防御から行こう。うん、想定していた通りだったからな」











もう直ぐ5万ptが見えてきていたりだったり、楽しい感想がいただけたり。

そしてジャンル別日間ランキングの五番に名前が載っていたりして。


大変うれしくなっているので、私は更新します。

この気持ちは更新にぶつけた方がいいと思いました。



なので……。






今日は二回更新です!!!!!!!!!!!!








GSO2巻発売中です!!

応援よろしくお願いします><

試し読みは下から!





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