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 内臓直撃しても、まだ死んでないクォーツドレイクはさすがだと言える。

 だが、プスプスと焼けついた傷口から直にエナジーブラストを食らったら、どうだ?


「グオオオオオオ!!」


 痛かろう、辛かろう。

 ついでにマジックエッジでえぐってしまえ。


「グオオオオオオオオ!!!」


 尻尾を避けながら連続して叩き込んでいると、クォーツドレイクの体に生えていた水晶が飛んでくる。


「うわっ」


 こういう攻撃もあるのか……少し驚いたが、手甲と脛当てで受け流してしのいだ。


 クォーツドレイクに生えている水晶は、鋭さでいったらかなりのもんだ。

 レイドボスであるマナズマ素材の手甲はまだ耐えるが、初期からずっとお世話になっている魔甲虫素材のすね当ては壊れてしまった。

 防刃効果もついている軍服も背中を無理やり超える際にスパスパ斬られているし……そういう部分は、クラス5の魔物であると言えるな。


 ちなみに、軍服の素材もとであるレギオンコングはクラス4。

 クラス4だが、軍勢を形成することができるので、相当な戦力だと思うのだが……実際にクォーツドレイクと対戦して見て、クラス5というものを実感した。


 圧倒的に戦力差があるんだな。

 今は地の利を生かして戦っている、というか無理やりハメ技のような状況にしているが、むしろ広い場所で戦わなくてよかったのかもしれない。


 さらに言えば、ギジドラの使役していた女王蟻。

 あんなクラスのモンスターがテンバータウン付近の森に潜んでいるなんて、とんでもない、とんでもないったらありゃしなかった。


 改めて思えば、魔境だな。

 辺境の地と言われるだけある。


「さてと……終わりだ」


 内臓をやられれば、圧倒的な生命力を持っている魔物といえど、タダではすまないだろう。

 洞窟に嵌めたまま、スペル・インパクトを連続して使うことによってクォーツドレイクのHPバーはあっけなくゼロになった。


 なんともあっけない幕切れだが、背後を取られた時点で勝敗はすでに決まっていたのだ。

 変にフェアプレイ精神持ってたりとか、尻尾や水晶を飛ばしてくる攻撃を避けきれない手合いには、全く問題なくケチらせたのだろうけど、俺には通用しないぞ。




【水晶亜竜の爪】

非常に鋭いが非常に脆い、水晶でできた爪。

このままではただの飾りでしかない。

だが、宝石並みの美しさ故に価値は高い。


【水晶亜竜の牙】

非常に鋭いが非常に脆い、水晶でできた牙。

このままではただの飾りでしかない。

だが、宝石並みの美しさ故に価値は高い。


【水晶亜竜の棘】

非常に鋭いが非常に脆い、水晶でできた棘。

矢の素材にすると、非常に貫通力が高い。

宝石並みの美しさ故に価値は高い。


【魔水晶の塊】

水晶亜竜が体内に溜め込んだ魔水晶の塊。

混ざりすぎて性質は定かではない。

精密鑑定を用いて判別可能。

だが、アイテムとするには不安定で錬金術スキルが必要。




 ふむ、体に生えていたものがドロップアイテムのようだ。

 有用性はまだわからんが、非常に脆いらしい。

 あれ、洞窟の壁とかガリガリ削っていたようにも思えるが、何かしらの加工が必要なのだろう。

 全てのドロップアイテムに高価値だと説明書きしてあるので、それで十分だった。


 そのまま売るのもよし、もしくは生産組に加工してもらって売るのもよし。

 ニシトモあたりに託したら、全ていい感じにやってくれるはずだ。


「う、そ……倒しちゃった……?」


 ルビーをもふもふと触りながら、ラパトーラが呆然とした表情でつぶやいていた。


「……こっちの方が驚きなんだが」


 顔と行動がまったくもって逆だ。

 ギャグでもやってるのか?

 表情を隠して別の行動をとる、のはポーカーフェイスとしてよくある手法。

 だが、全くもって顔と体で別の感情を表すのは難しい。


 人間、本心ってのは顔と声と行動からバリバリ伝わるからな。

 裏があって喜んでるふりして、内心嫉妬していても、だ。

 だいたいそれは感づかれているし、感づいた本人がそんなことないってごまかしてるだけ。

 例えるなら、乳がでかい女がよく胸への視線を感じるけどほっといているようなもん。


 よほど思い込みが激しかったり、サイコなやつくらいだ。

 こういう芸当を業できるのは。

 あとは訓練次第、って感じかな。


「ええ、クォーツドレイクを……単体で倒すなんて……」


 そう言いながらさらにルビーをもふるラパトーラ。

 いい加減ルビーがうっとおしそうな表情になってきている。


「蹴られても知らんz──」


「ぐぇっ」


 蹴られていた。

 だが、ルビーも軽く蹴り飛ばしただけなので、壁にめり込んだり、体がぐちゃぐちゃになったりはしていなかった。

 こいつが本気で蹴った場合、まともな防御力を持っていない奴だと一瞬でデスペナする。

 テージシティの側で、こいつ以外の兎の魔物については全く聞かないし、ぶっちゃけ特殊な奴なんじゃないかと思っている。


 今更だがね。

 最初はいうこと聞かないこと多かったし。


「大丈夫か?」


「……う、ん……」


 ラパトーラは腰を押さえながらフラフラと立ち上がる。


「それこそ……十傑くらいしか……ありえないってば!!!」


「なんで怒ってんの?」


「テイムモンスターくらいしっかりしつけておきなさいよ!!!」


「すまんな」


 調教スキル持ってたとしても、ルビーが言うことを聞くとは思わん。

 もともと力づくで契約したようなもんだし、最近になってちょっとは絡んでくるようになったり、言うことを聞いてくれるようにもなったが、性格は元の通りじゃじゃ馬だ。







他にも色々とドロップしていた予定ですが、カット割愛。

ツブテイシやゴロロロロンを倒すと出るアイテムなども、クォーツドレイクを破壊して取れる予定です。

当然ながら、今のローレントは幸運ではなく悪運のためにレアドロ獲得率はやや落ちているような状態なので、魔水晶はランクの低い物になっています(クォーツドレイクから確実ドロップアイテムではない)。自分に受ける攻撃とか、相手との確率的な干渉物には有効ですけどね。


もし素材そのまま利用できる人がいたら、何かしら色々とゲットできる可能性もありますが、そもそもクォーツドレイクを“捌ける”人がいるかも怪しいので、普通は大人しく解体スキルに頼ったほうがいいでしょう。


解体は最上位としてプレイヤーの腕が左右される生産解体があります。ですが、普通の解体にも一応、上位スキルはあります。補助系、生産系は、上位系派生までの道のりがかなり遠い設定です。



ネタバレではないですが、もしかしたら、補助系スキルを伸ばしてる面白プレイヤーも世の中いるかもしれませんね。ネタバレではないですが。




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