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「思ったより寒いな」


 洞窟へ入ると、外の気温と比べてかなり寒かった。

 雪山の時は外気温が寒すぎたので、暖かく感じたものだがね。


「そうね。でも基本的には長袖の装備があれば洞窟って事足りるんだけどそれにしても寒すぎるわ。奥にそれなりの魔物がいる可能性も考えられるかも」


 俺の何気なく呟いた一言に、ラパトーラは真剣な表情でそう答える。

 なんだか意識の違いを感じたので、俺も真剣にダンジョン探索をしよう……。

 空気読めないわね、ってレイラに言われてから空気を読むようにしてるんだ。

 でも、最初の頃って空気読んでたよなあ……?

 親しくなるとやっぱり素が出てしまうんだな、気をつけよう。


「確かに、洞窟の温度は基本的に一定に保たれる。だがここまで寒さを感じるものではなかったから、その可能性も否めないな」


 百点満点の答えだろう。

 軍服の上からローブを身にまとっている俺は、あんまり寒さを感じない。

 セレクの防具って本当に優秀だこと。


「意外と物知りね。遊び半分で依頼を受けずにダンジョンに潜って苦労する新米パーティだっているってのに」


「歴が違う、歴が」


 洞窟で過ごしたことも、木の上で過ごしたこともたくさんある。

 山に置き去りにされるってことは、そう言うことだ。

 北海道だと、なんでもいいから風と雪をしのげるところを探さないといけないし。


「色々と説明しなくちゃいけないと思ったけど、手間が省けてラッキーよ」


 ラパトーラはそう言ってローブの前を閉めると、そのまま洞窟をガンガン進んでいく。

 まだ進み始めたばかりなので魔物とは遭遇していない。

 だが、


「いいのか? 警戒しなくて。罠とかあるかもしれないけど?」


「自然発生したダンジョンには基本的に罠はないと思っていいのよ。特に新しければ新しいほど、そういう類の危険度は落ちるわね」


「基本的にか」


 なんとなく察しはつくけど一応聞いてみる。


「例外があるのか?」


「そうね、先に入ってた誰かが罠を仕掛けているってことなら多々ありうるわね」


 ラパトーラが言うには、冒険家を狙う冒険家も存在するとのことだった。

 ダンジョンは人を呼び込む。

 だがそれは、ダンジョン探索や、お宝目当てだけの人ではないと言うこと。

 PK的な行為を行うNPCを狙うNPCも珍しくないのだ。


「まあ、罠は慣れてるから大丈夫よ。私の師匠だったパトリシア様の方針で、こういう場所にもなんども一人で行かされたし、その都度一人でなんとか罠をかいくぐったり、犯罪者にあったり、修羅場はそこそこくぐり抜けてきてるから……」


「頼もしいな……ん?」


 だった……と言わなかったか?

 師匠だった、と言うことは、このパラトーラ……もしや……。


「止まって、魔物よ」


 それを聞く前に、ラパトーラが立ち止まり目の前に魔物がいることを教えてくれた。




【ツブテイシ】Lv13

魔物化した石ころ。クラス4。

石に擬態し、体当たりして襲う。

落石注意。急所を狙ってくる。



【ヌレツブテ】Lv15

魔物化した石ころ。クラス4。

地属性だが、水属性耐性も併せ持つ。

スライムと共存していることもある。




 石ころだった。

 どこからどう見てもただの石ころ。

 だが侮るなかれ、クラス4だ。

 レベルで言えば、63と65である。


 もう面倒だから、早いところこのクラスチェンジしたらレベルリセットされる仕様をなんとかしてほしい。

 他の魔物ではたまに違うのいるぞ!

 そう言うところ省かれてるファン作品だって存在するんだからな!

 聞いた話によると、俺の活躍を妄想でブログに書き綴っている奴がいるらしい。

 けしからん奴だ。


「気をつけて、襲ってくるまで石に擬態して、油断したところを狙ってくるから」


「わかった」


「ちなみに範囲鑑定は持ってる?」


「……なんだそれは?」


 スキルか?

 範囲鑑定ってなんだよ。鑑定に範囲も何もあるか?


「仮にも三次転職しておいて、まだ鑑定のレベルもあげてないわけ?」


「……うん」


 随分と上から物を言ってくるな、ラパトーラ。

 でも言ってることは正しいので素直に頷いておく。


「鑑定って普通一つの物しかできないのはわかるわよね?」


「うん」


 一個一個鑑定にかけて行かなければならないから、初見の魔物とかそれ以外は基本的に鑑定面倒臭くなって使わなくなっていた。

 看破スキルにも鑑定レベルが重要になってくるんだけど、もう途中からリスト作ってもらったり、誰かに鑑定して敵認定してもらっていたので、俺の鑑定レベルは未だ44なのである。


「レベルを上げて次の段階へ行くと、範囲鑑定か精密鑑定にスキルアップできるのよ?」


「マジか」


 知らなかった。


「範囲鑑定は、鑑定と同じ精度で広範囲を複数鑑定できるスキル。精密鑑定は対象が一つなのは変わらないけど、より精度を上げた鑑定よ。相手の大凡のステータスがわかるくらいね」


 精密鑑定と看破は似たようなもんじゃないのかと聞いて見たら、精密鑑定は高度な偽装スキルでステータスまで偽装されたら太刀打ちできないらしい。

 基本的に看破は看破でスキルを持っておくことが重要だとラパトーラは語っていた。


「ちなみにどれくらいレベルを上げればいいんだ?」


「100ね」


 100か。

 今のレベルが44。

 サボっていたとは言え、ちょくちょく鑑定使ってきたはずなんだが、これがまた【掴み】と同じくらい上がりづらいものなのだ。


 掴みと投擲はどっちもレベル60。

 まあ、相手を掴んで転がしたり、肉弾戦の主体が武器になってきてからはレベルが上がらないのも頷ける。

 投擲なんて、アスポートを得たり、投銛が射出されるタイプになってから全くだからなあ……。


「あんまり知ってる人はいないけど、そう言ったサブクラスのスキルをしっかりレベルアップさせておくと、後々便利になるんだから、ぜひ上げなさい」


「はい」


 ラパトーラ師匠、わかりました。

 今度からサブ師匠とでも呼ばせてもらおうかな。

 でも師匠とつけるのはなんだか違うし嫌なので、サブ女にしよう。


「巧妙に隠された罠は専門スキルじゃないと難しいけど、ある程度なら範囲鑑定で対処可能だから、便利よ」


「わかった」


「石ころ相手だと、発見が遅れれば頭部だったり、男ならその……こ、こか……いや、股、とか……を狙って体当たりしてくるから油断すると厄介なの」


「股……金的か、確かに狙われれば厄介だな」


「ちょっと! ぼかしていったのにはっきり言わないでよ!」


「……」


 ぼかして言って伝わらなかったら警戒する意味ないと思うけどなあ。

 まあいい、ラパトーラが言いたいのは、少しの油断が命取りになる危険性がある。と、言うことだった。


「発見すれば、飛び跳ねる以外基本的に動かないから楽勝ね」


 ラパトーラは土属性の魔弾を作り、的確にツブテイシ達を割って行った。


「土属性に土属性?」


 なんとなく土には水が良さそうな気もしたがそうではないらしい。


「ダメージは通りやすいけど、結局石にはさらに硬いものをぶつけて割った方が早いのよ」


「なるほどな」









属性でのダメージが通りやすい通りにくいと言う物がありますが、魔物ごとに急所があります。

ツブテイシ程度なら、とラパトーラはさらに硬い土属性を使用していますが、ぶっ壊せない状況なら水属性がダメージ的には通りやすいです。

レベルが90なので、問答無用でぶっ壊してるだけです。そっちの方が手間がないとの理由で。






あとがき小話(読み飛ばしてもええで)。


感想、読ませてもらってます!

修正できるところはその場で修正してます!(じゃないとやらないので)

いつもご意見などを寄せていただいて感謝するばかりです。

引き続き、楽しんでいただければと思っておりますので、何卒これからもよろしくお願いいたします。


ちなみに魔物の名前などは、特にこれといって考えているわけではないので、簡単な名前でも許してくださいまし><

キーポイントになったり、なんかこの名前他とは違うなーとか考えられてるなーって時は、もしかしたらどこかで重要になってくることがあるかもしれませんね!(でも別にぽっと出の敵でもすごい時間使って名前を考えていることがあります。馬のクラスチェンジとか笑)





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