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早め更新!


「お、おい……あの野郎……ホットドッグ80個余裕で食べやがった」


「さっきステーキしこたま食べてたよな……?」


「ど、どうなってんだよ……」


 ホットドッグ10分早食い対決。

 俺の参加に合わせていろんな奴らが挑戦して、盛り上がりに盛り上がった。


 だが、多くが20で脱落。

 さらに頑張ったとしても40〜50が限界数で、見ていて張り合いがなかった。

 もう少し食べろよ。

 ちなみに俺はリアルではもうちょっと多めに食べる。


 それくらい消費カロリーが毎日やばかったりするのだが、別にボディビルダーのように常に維持していなければならないような生半可な筋肉は有しておらず。

 1週間食えなくても戦えないことはない。


「ぬるいなあ」


 思い出す、砂漠を修行と称して走ったあの日。

 ラクダがびっくりしていたなあ……。


「ぬ、ぬるい!?」


「とんでもねえ野郎だぜ!!」


 呟くと、周りで腹を膨らまして寝転がり、腹式呼吸になっているやつらがそう叫ぶ。

 そして次々にリバースするためにどこかに走り去って行った。


「もったいないなあ、もう」


 だが、参加費をせしめてホットドッグ屋はニンマリ笑顔。

 普通に一人で参加者全員分のホットドッグを捌ききるその腕前が、逆に人気を呼び、行列ができていた。


「どうだ! 俺の空中ソーセージキャッチ製法!」


「おおおおーーーーーっっ!!」


「……それできるなら最初からやってりゃよかったんじゃね? なあカレー屋」


「あいつも俺らと同じで料理バカなんだよ、ケーキ屋」


 さて、大量のホットドッグを食べた。

 肉、肉とパン。

 と、来れば次はあれだ、米が欲しくなってくるだろう。

 炭水化物だ、重要な栄養源だ。

 タンパク質も大事だが、力がモリモリ湧き出てくるのはおにぎりだよね。

 日本男児たるもの、米は欠かせないのだ。


「カレー屋」


「ひゃ、ひゃいっ!! や、やるのか……?」


 ごくりと唾を鳴らして聞き返すカレー屋に頷いておく。

 カレーか……久しく食べてない。

 本場のカレーも食べたことはあるけども、やっぱり地元の食堂が出してるあのカレー。

 あれが忘れられないんだ。


 どう言うわけか知らんが、カレー屋の店から漂ってくる臭い。

 これは日本によくあるあのカレーだと思う。


「チッ、俺はアラドで身につけた懐かしのカレーをとことん味わえよ!」


「うむ」


 懐かしのカレー。

 教えたの、絶対プレイヤーだろう……?

 いったい誰が……。


 まあそんなことは置いといて。

 とカレー屋の前で待機していると。


「なんだあ? 大盛り上がりじゃねーか? いったいどうなってんだ?」


 えらくガタイのいい男NPCが、ぞろぞろと同じような荒くれ者系人種を引き連れてやってきた。

 両肩で風をきって、堂々と歩き、すこしでも自分らの前に人がいると。


「じゃまだ! こちとらランカー様だぜ? おらどけ!」


「ランカー? 十傑か?」


 奴らの言葉を聞いて疑問を抱いていると、カレー屋が説明して来れた。


「ランカーっつっても、ガンスは下位ランク100位程度の連中だよ……試合に負けたりすると、たまに憂さ晴らしでこうやって闘技場横の出店通りで偉そうにしてんだよ……」


 あの男はガンスという名前らしい。

 名前もそうだが、態度もなんとなく“あいつ”と似ている。


「100位……十傑は知っているが、その口ぶりからだとかなり差があるのか?」


「圏外よりはまあ幾らかマシだろうが、下位は入れ替えが激しいからな。そもそも強いやつは一気にランクを駆け上がるのがこの闘技場のあるあるってやつさ」


「ほう……デュアルとかか」


「期待の新星、貴公子を知ってんのか? あいつはみんな新たな十傑入りを期待してたんだけどなあ……ほんと、こないだは残念だったぜー?」


 断崖のデソルとの戦いだな。

 俺も見ていた。

 カレー屋の言葉から察するに、ランク下位は入れ替えが激しく、その分新人もいるようだが、上位は十傑の戦いに比べると、いまいち盛り上がりにかけるとのこと。

 だが、十傑も十傑で、彼ら同士が争うことは滅多になく、どうもマンネリ化しているらしい。


「ったく……絡まれたらめんどくせえから、今日は大食いやめとくかなあ……」


「ええ、それはないだろ」


 せっかくステーキ、ホットドッグときて、今カレーの口になってたのに。

 それはさすがに酷じゃないか?

 続けさせろと言う意味を込めて、カレー屋に視線を送る。


「……だとしても本当に色々と迷惑なやつなんだよ。あいつ最近デュアルに負けて、ランク下位ギリギリだったってのに、あの調子じゃ今日も負けて後がないって感じでイライラしてるしよお……」


「んだこらぁっ、こっちジロジロみてんじゃねぇえよ!」


 男はイライラしながらテーブルを蹴り飛ばしたり、適当な屋台からツケ払いだと言いながら食べ物を奪っていた。


「うへぁ……こりゃいけねぇぜ……すまねぇな兄ちゃん」


 カレー屋はペコペコと頭を下げながら店を片付け始める。


「マジか」


 ちょっと待って欲しいんだけど。

 なんなら今からあのバカを黙らせればいいのか?

 俺のカレーの口は止められんぞ?


「よし、ならば」


 思い立ち、そしてあのガンスとかいう奴を黙らせようと、立ち上がろうとした時。


「ん? お? なんだこの匂い……めっちゃいい匂いじゃねーか……」


 匂いに釣られて勝手に来た。


「おいおい、なんだよ、もう店じまいか? ここに客いるってのになんだなんだ?」


「おい──」


 馴れ馴れしく肩を叩かれたので、言い返そうとすると。

 肩に強い衝撃が。


「てめぇ代われよ? 俺がそれ食うんだからよおーッ! 代金はてめぇでなー!!」







GSO2巻好評発売中!

と、いうか、あとがき小話予定してそのまま忘れて投稿するという。

あまりないミスを犯してしまいましたことを、ここに土下座します。




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