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今までのGSOでは一度取得したスキルはそのままスキルツリーの肥やしにでもしておくことしか許されなかったのだが、今回のアップデートにより必要なくなったスキルをスキルツリーから削除することが可能になった。
ただし、削除したスキルツリーは“ゲーム内時間で720時間の間、再取得不可能”となる。
日数で表せば30日だな。
そう公式に記載されていた。
何でもかんでもスキルを取っ替え引っ替えすることは、再取得不可能時間があって難しいのだが、これによってスキル構成を一新することができて、俺のようにスキルをミスっちゃったプレイヤーはかなり助かるだろう。
そんなわけで、俺のスキルツリーからスラッシュとスティングが消えた。
もともとスラッシュ以外はスキルを振っていたわけではないから、別に消えてもいいのだけど。
断腸の思いだと言ったが実際は速攻消した。
スラッシュとスティングを消しとばした俺のスキルツリーがこちら。
残存SP:213
残存MP:2
スキルツリー▽
【マジックブースト】Lv39
効果値:39/70
消費値:39/70
詠唱値:39/70
【魔装】Lv10(道場称号六段スキル)
効果値:10/120
消費値:10/120
詠唱値:1/1
【エナジーブラスト】Lv35
効果値:35/70
消費値:35/70
詠唱値:35/70
【マジックエッジ】Lv29
効果値:29/70
消費値:29/70
詠唱値:29/70
【マナバースト】Lv37
効果値:37/70
消費値:37/70
詠唱値:37/70
【スペル・インパクト(P)】Lv73
効果値:73/120
消費値:73/120
詠唱値:73/120
【ナート・エスカレーション】Lv15
効果値:15/50
消費値:15/50
詠唱値:15/50
【ナート・マジックアームズ】Lv15
効果値:15/50
消費値:15/50
詠唱値:15/50
【テレポート】Lv7
効果値:7/120
消費値:7/120
詠唱値:1/1
視認した範囲に転移する(再使用待機57分30秒)
指定された範囲への転移(再使用待機57分30秒)
フレンドリストから任意の人物の場所へ転移(再使用待機57分30秒)
【アポート】LvMAX
効果値:30/30
消費値:30/30
詠唱値:1/1
・制限解除、無詠唱、ストレージ
【アスポート】LvMAX
効果値:70/70
消費値:70/70
詠唱値:1/1
・制限解除、無詠唱、ストレージ
【リフレクト】Lv-(鏡精霊の加護称号スキル)
効果値:-
消費値:-
詠唱値:-
【契約魔法】Lv5
・空き契約数0
・[ローヴォ:バッドラックウルフ]
・[ノーチェ:ナイトメア]
・[ルビー:クリムゾンコニー]
・[コーサー:ボス]
・[トンスキオーネ:アンダーボス]
「……この見づらい、スキルツリーの状況はなんともならんのか?」
「うーん、確かに羅列表示やめろってプレイヤー掲示板で散々言われてましたね。まあ、公式がこの表示を改めるとは思えませんけどね……。せめてもの気晴らしに、各項目のスキルパラメーターをタブにしまってスキルレベルだけ見えるようにできるので、やっておくといいでしょう」
「……めんどうだなあ」
非常に見ずらいが……まあ見ていただくとわかる通り、全てのスキルにスキルパラメーター制度が復活した。
だが、スキルレベルもある通り、スキルパラメーターはスキルレベルの上昇と同時に伸びていく。
そんな仕組みになっているのである。
じゃ、なんで今まで取得していたスキルポイントが一気に還元されているのかというと。
スキルポイントを利用して、現時点で足りないパラメータに再々分できて、さらに言えば、スキルポイントを利用して全てのスキルがマックス値から10ポイント、スキルを上昇させることができるのである。
うーんややこしいけど、足りないスキルパラメーターに配分して補ってつかってねってことだろう。
聞いた話によるとスキルをパラメーターに配分したスキルポイントは、スキルレベルの上昇で追いついて来ると、しっかり残存スキルポイントに帰って来る、そんな安心設計。
転職して、上位系統スキルへの引き継ぎが存在するのだが、その際も使っていたスキルポイントはしっかり還元されるし、もし還元しないとしても、その時使っていたスキルポイント分、次のスキルのパラメーターが上昇し、既存のスキルよりも少しだけ強くなったスキルとして成長する。
まさに、ようやくグローイング・スキル、という名前の通りのものになってきたな。
使用したスキルポイントはスキルを消しても、次の上位系統に移行しても、なんにせよ自分に戻って来る。
これはかなり助かる仕様である。
降りっぱなしで上位スキルに移行した時のスキルポイント消滅事故はなくなったのだ。
ただし、道場スキルですでに型ができていた際のボーナスポイントも消えた。
スキル最適化とかいうのも、その職業にサブでつきゃいいってことで消えた。
ひっそりと……知らないうちに……消えてしまった!
まだまだ説明は続く。
新たに加わった新しい要素として、残存SPの下に存在する残存MP。
非常にややこしいのだが、よくあるスキルを使用する際に消費する魔力を表すMPではなく、スキルレベルをマックスにした際に貰えるボーナスポイントのようなものだ。
マックスポイント。
で、MPね。
クソAIここもきっちり分けとけよ!
あ、ちなみにBPも改変に伴って消えた。
俺の残存MPは2とあるが、これはアポートとアスポートがMAX表示になっているから、その分のマックスポイントだ。
補助系スキルは、レベル上限に達する前に三次転職して上位に鞍替えしたからもう取り戻せない。
おいAI。
俺のマックスポイントを返せ、そういうところだぞ。
さらに言えば魔纏とか魔闘とか、しっかりレベル達成してなかったっけ?
もうマジックブーストになってるけどブーストは……?
わからん……わからんぞ……線引きが……。
ややこしい……ややこしいぞ……項目多すぎ……。
愚痴は置いといて、マックスポイントの使い道は多種多様。
信用度に変えることはできないが、マックスポイント1はスキルポイント10換算として使用できる。
さらに同じくステータスに10ポイントとして配分ができるのだ。
スキルを強くしても、ステータスを補正してもどっちでもいい、それがマックスポイントなのである。
どうせならボーナスポイントのままでよかったんだけどね……。
「ツクヨイ」
「はい?」
いつの間にかローヴォ、ノーチェ、ルビー、ヤンヤンに囲まれてもふもふベッドを堪能してだらしなく涎を口から滴らせていたツクヨイに問う。
「マックスポイントは使った?」
「いえ、何があるかわかりませんから、取っておいてます」
「なるほどな」
「私はローレントさんみたいな即時詠唱を用いた接近戦よりも、定点防衛向きで詠唱するタイミングも相手に合わせるだけですからね。たっぷりと残されたスキルポイントは、大規模戦闘用のエリアスキルにつぎ込んでます! マックスポイントはもし危なくなった時にスキルポイントにぶち込んで補うために使おうかと。ステータス配分とは違って、スキルポイントに使用したマックスポイントは、還元時にマックスポイントじゃなくスキルポイントとして戻ってきますから! あふあふ、ローヴォちゃん、ルビーちゃん、ヤンヤンのもふもふ最高でしゅ……あ、ノーチェちゃんのサラサラとした上質な毛並みもほわぁ……」
「ふーむ」
ステータス10ポイント分も捨てがたいが、彼女の話を聞く通り、一度どれかに使用するとマックスポイントは消えてしまう。
それを考えると繰り返し利用が可能なスキルポイントに変えておくのがいいのだろうか……。
悩みどころだ。
悩むくらいなら俺もしっかり取っておこう。
なんだっけ、ラストエリクサー現象だっけ?
結局存在を忘れて無駄にしてしまうってことがないようにしないといけないけど、オンゲに終わりなんてないからな、きっといつかどこかで使うだろメイビー。
マックスポイントの扱いは慎重にならざるを得ないってことで、今現段階で手元に戻ってきたスキルポイントは再配分するのが一番いいか。
ってことで、主要スキルの詠唱に全てぶち込む。
それが俺のグローイングなのだ。
「ええと……、とりあえず詠唱に触れるだけ振った時に必要なポイントは……」
「面倒臭そうですね。まあ、がんばってくださーいあふあふー」
うるさ。
今計算してるんだから黙ってろクソちび。
えっと、224ポイントか。
……足りねえ。
削りどころはマジックエッジかな。
マナバーストと同じで、一度使えば斬撃属性がしばらくつく。
それに相手に対処するためのものでもないし……。
そう思っていたところで思い出した。
闘技大会前の乱闘イベントで、獲得した特典があったじゃないか。
上位三名はスキル経験値とスキルポイント50。
に追加して特典プレゼントクーポン!
なるほどな、このための布石だったのか。
特典のスキルポイントって。
だれも気づく奴はいなかったと思うし運営どんまいだけど、とりあえずラッキー。
さっそくインフォメーションメッセージに届いていた特典を使用してみる。
ステータス表記は全部で711文字くらいなので、今回の総分量3676文字を顧みると、決して文字稼ぎはしてないはず。笑
アプデってことで面倒臭い部分を全部消したろっておもったら、随分と面倒なことになりました。
もしこれちがうくね?ってありましたら、ご意見お待ちしています。
GSO2巻発売まで、あと三日!
明日、活動報告で2巻のウェブ版との違いを述べます。




