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一日更新すっ飛ばしてしまったことを、ここに謝罪申し上げます。ごめんなしあ。
久しぶりにデスペナルティの感覚を味わってから、三日ほどの時間が経過した。
PKイベントでえらいことが起きても、翌日の闘技大会本戦と、エキシビションマッチは行われた。
もっとも、ハイレベルプレイヤーだったトモガラと、彼を下したハザードは本戦出場を欠席。
ならば、前と同じように俺と旧知の武術勢が来るかと思いきや……来なかった。
誰がどこで囁いたのか知らんが、かませ犬にはなりたくないとのことだ。
大半数が欠席ということでプレイヤーのレベルも落ちた。
だからおとといのエキシビションマッチは、俺からすれば消化試合のようなものになって、実に面白くない結果とも言えた。
こうしてみると、全てのイベントが引き分け痛み分け、もしくは勝利に終わったようにも見えるが……実際のところはこっちがやや負け越しているとも言えないことはない。
あれからすっかり息を潜めている裏ギルドの連中を見ていると、大体のプレイヤーがアップデート後に渡れるようになった魔人達の街、メトログリードに行ってしまったのだろう。
逃げ切られたとも、言っていい。
でも相変わらず第一拠点の領有権はジョバンニ率いるまーたぽっと出の裏ギルド所属が握っているんだからタチが悪い。
まあ、いい。
エキシビションはそこそこ良い経験値になった。
それくらいを用意してくれないとな?
大会優勝者には前大会よりも格が落ちるが、多少の報酬があった。
エキシビションは報酬なし?
AIゲームマスターどもめ、こっち側についたとか言ってたけど、ついてないじゃん。
報酬よこせ、報酬をば!
俺、欲す、さらなる報酬を。
強欲は身を滅ぼすというが、滅ぼす者をかかってこい。
「ワォン」
「ブルル」
「ピー」
「ん?」
俺の契約モンスター達が、三者三様の鳴き声を見せていた。
場所はてんやわんやが起こったノークタウンからかなり遠く。
王都の外れにある小屋の側で俺は体を動かしていた。
この小屋、スティーブンの家から通じている場所である。
そして、ぶっちゃけツクヨイ以外場所を知らず、愛弟子称号がないと入れないことより。
ここは誰にも邪魔されないプライベートエリアに近い物だとさっき気づいた。
小屋の周りは魔物も出ない。
変なやっかみもないので、自由気ままだ。
「グォンッ」
「ブルルルルルッ」
「キィーーーーッ」
「うるさい!」
一人で鍛錬してるんだから、静かにしてろ。
「痛っ」
ローヴォ、ノーチェ、ルビーに噛み付かれた。
みんな暇なのだろう。
そこから、3対1でのじゃれあいがスタートする。
結構みんな大型化して来ているから。
街中キルが可能になった今、こうやってじゃれあってくると体が持たない。
そんな気がする、っていうかノーチェとかローヴォとルビーに比べて明らかに重量級だ。
ミドルホースだが、ヘビーと謙遜なき体格をしている。
まじでやばい。
「魔装!」
「ワォン!」
なに?
せこいって?
ふざけんな、お前らの方がせこいわ。
「よし、お前ら一人づつ相手してやる……」
羅刹ノ刀だと、危ないので戒人の六尺棒で相手してやる。
今までPK相手に羅刹ばっかり使ってたけど、正直普通のやつ相手取っての攻撃力ならば、魔力増幅機能のついた六尺棒の方が強い、そんな気がして来た。
対人戦だと羅刹の効果は計り知れないがね。
【戒人の六尺棒】製作者:ブランチ
賢人の木と呼ばれる魔戒樹で作られたただの六尺棒。
魔力との親和性が高く、そして増幅する効果を持つ。
魔力を込めると粘りと強度も増す。賢人の杖ではない。
・攻撃???
・魔力増幅
・耐久Lv???
・耐久1000/1000
ちなみに現時点でフルバフ状態にすると、999まで行く。
だから、そろそろこの六尺棒の強化という意味を含めても、製作者であるブランチというやつにもあって見たい。
まだあったことのない、結構希少な魔戒樹を加工できる生産職プレイヤー。
すべからく貴重な存在だ。
「ブルル」
え?
いざ六尺棒を持って構えると、急にノーチェが躊躇し出した。
なんだよ、走り回るのがお前の仕事だが、動いていない状況からでも即時戦えるほど強くなってほしいという俺の要望を聞いてくれ。
せっかくガストンが作ってくれた馬装つけてるのに。
「ピィー!」
ノーチェをいじめるな、とルビーが地面をえぐって蹴り込んで来た。
六尺棒で対応するが、さすがテージシティを我が物顔で牛耳っていたモンスター。
なんとなくだが、普通の魔物と違った力を持っている。
トモガラもいうが、こいつは普通の魔物よりも普通に強いらしい。
ユニークモンスターではないが、ゴブリン然り、オーク然り、全ての魔物は明らかに強い個体が出現するのは昔からあったよな。
「……容赦ないなお前」
なんとか後方へ飛び、衝撃を緩和。
そのまま吹っ飛ばされる前にルビーの足を掴んで空中で体を入れ替える。
「ピィ!?」
「寝技、関節技にも慣れておけ」
「ピュィイイイイイ!!!!!!」
初めて兎の足に足絡みをかけた訳だが……聞いているようだ。
はははどうだ、痛かろう。
そんなに遊んで欲しいなら遊んでやるぞ──
「──やめんか!」
「痛っ」
「なーに兎さん苛めてニヤついてやがりますですか!」
杖を持ったツクヨイがいた。
なんとなく闇属性系の空間魔法をスティーブンから伝授されて、ツクヨイの気配がややつかみづらくなった。
ジャドーホールとか、隠れる技だからそれが本人にも多少寄与しているのだろうか。
「なにをする」
「なにをする、じゃなくて。みなさん王都に集まってるのに、なんでこんなところで自分のテイムモンスター達をいじめてるんですか! ほんっと目を話すとすぐ一人で変態なことして! ぷんぷん! とりあえず今日は王都で私にスイーツ奢る約束でしたよね? ローレントさん!」
第二弾アップデートの模様を説明しながら、本編ゆるっと進めさせていただきます。
第二弾アップデートは「エクスペンス」です。
実は、今までこのシステムはくそだろ感想をちょこっとまとめて、そこを直したりしていこうかななんて思ってまして、あえてこのままな部分もありますが、オンゲにくそアプデや良アプデ、くそイベントやくそクエスト、良イベントや良クエストはつきものということで、よろしくお願いします。
実際このアップデートで王都に遊びに行った時、盾持ちさんが普通に盾がなくても攻撃弾いてたのがわかるかと思います。(容易に理由がわかると思いますが)
そして、今日は活動報告にGSO2巻の挿絵を載せて良いとのOKが出ましたので、活動報告に挿絵を載せて、書籍版GSOのウェブ連載版との変更点も多少述べさせていただきます!
あと、下に表示されている2巻の書影に関しまして、画像サイズを縮小して本日中(この後すぐ)に画像を差し替えさせていただきます。(PCで見ていましたので、サイズについて私の考えが及んでおりませんでした、申し訳ありません)
そしてそして、今日はできればもう一回更新します。




